呪いのテレビ

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■概要
人数:3人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
晴翔(はると)
佳音(かのん)
悠生(ゆうせい)

■台本

悠生「じゃあ、6時に集合な」

晴翔「わかった。……あ、悠生くん、何か持ってった方がいいものあるかな?」

悠生「ん? んー。塩……とかかな」

晴翔「塩ね。わかった、持ってくよ」

悠生「じゃあ、俺はお守りとかあったら、適当に持ってくわ」

晴翔「うん。じゃあね」

悠生「おう。またあとでな」

場面転換。

カチャカチャと機械を弄っている音。

佳音「んー。ここは、こうか……?」

ガラガラとドアが開く音。

晴翔「こんにちはー」

佳音「お、晴翔か。どうしたんだ?」

晴翔「ねえ、佳音お姉ちゃん。今日はこっちで晩御飯食べるってことにしてもらっていいかな?」

佳音「ん? まあ、別にいーけど、なんか、悪だくみか?」

晴翔「悠生くんと、肝試し」

佳音「ふーん。肝試しねぇ。何が楽しいんだか」

晴翔「佳音お姉ちゃんは何やってんの?」

佳音「ビデオを直してるんだ」

晴翔「ビデオ?」

佳音「VHSって言ってな、こういうビデオテープに録画された動画を再生する機械だよ」

晴翔「へー。変わった形だね。ディスク型じゃないんだ」

佳音「まーな。昔はDVDとかブルーレイなんてなかったからな。こういうのに録画してたんだよ」

晴翔「どんな動画なの? アニメ入ってる?」

佳音「入ってたとしても、すげー、昔のだぞ」

晴翔「見たい見たい!」

佳音「……しょうがねーな。ちょうど、直ったところだし、見せてやるか」

ガチャンとカセットテープを入れて、再生ボタンを押すとガチャガチャという音がする。

晴翔「……」

佳音「……」

晴翔「何も映らないよ?」

佳音「おかしいなぁ……」

ガンとビデオを叩く音。

晴翔「叩いたら壊れちゃうよ」

佳音「いや、この時代の機械なんて、叩けば直るもんなんだ」

晴翔「ええー。ホントに?」

パッとテレビが付き、テレビから音声が聞こえてくる。

女性「だ、誰か、そこにいるの?」

晴翔「あ、ついた」

佳音「な?」

女性「きゃあーーー!」

晴翔「うわっ! ビックリした。……これ、お化けの映画?」

佳音「いや、テレビ番組だな」

晴翔「へー。テレビでこんなのやってたんだ?」

佳音「昔は心霊ブームで、こういうの、結構やってたぞ」

晴翔「それより、アニメ見せてよアニメ」

佳音「はいはい。えーっと、早送りっと」

ボタンを押すと、ガチャガチャと変な音がする。

佳音「あ、テープ噛んだ」

晴翔「え?」

ガチャガチャとビデオデッキを弄る音。

佳音「あー。ビデオテープはこんなふうに、テープが絡んじゃうんだよな」

晴翔「なにそれ? 大丈夫なの?」

佳音「……最悪、もう映像が見れなくなる」

晴翔「そっか……。もう、アニメはいいや。それより、塩ってない?」

佳音「塩?」

晴翔「肝試しに持ってくの」

佳音「キッチンの戸棚にアジシオあるから、持ってていいぞ」

晴翔「ありがと」

場面転換。

悠生「……なあ、晴翔。……この人、誰?」

晴翔「佳音お姉ちゃん。親戚なんだ」

悠生「……なんでいるんだ?」

佳音「お目付け役。小学生2人なんて、何するか分からないからな。監視だよ、監視」

悠生「えー!」

佳音「あははは。文句言うなよ。何かあったら、助けてやっからさ」

悠生「別にいらないのに」

晴翔「まあまあ。佳音お姉ちゃんには離れてきてもらうからさ。ね?」

佳音「ああ。肝試し自体は邪魔しねーよ」

悠生「……まあ、それなら……」

場面転換。

悠生と晴翔の歩く音。

晴翔「……夜の廃墟は怖いね」

悠生「ふふ。最高に怖いのはこの後だぞ」

晴翔「……何かあるの?」

悠生「この家にはな、呪われたテレビがあるって言われてるんだよ」

晴翔「呪われたテレビ?」

悠生「ああ。この家の女の人が、病気で死ぬとき、怨念がテレビの中に乗り移ったんだってさ。今でも、テレビの中に、女の人の魂が入ってるんだって」

晴翔「へー」

悠生が立ち止まる。

悠生「あ、これだ。このテレビだよ」

晴翔「……このテレビが、呪われたテレビ」

悠生「……」

晴翔「……何も起きないね」

悠生「……ま、怖い話なんて、こんなもんだよ」

晴翔が歩き出す。

悠生「お、おい、晴翔。どうした……」

バンと晴翔がテレビを叩く。

悠生「ちょちょちょ! おまっ、何やってんだよ!」

晴翔「古い機械は叩くと直るって、佳音お姉ちゃんが……」

パッとテレビが付く音と、ガチャガチャという音が響く。

幽霊「かー!」

悠生「ぎゃーーーー!」

晴翔「うわーーーー!」

悠生「たたたた、助けて―!」

悠生が走って逃げていく。

晴翔「ゆ、悠生くん、まま待って……」

幽霊「かー!」

晴翔「あーーーー!」

佳音「晴翔!? 大丈夫か!?」

晴翔「かかかか佳音お姉ちゃん、たた助けて」

佳音「どうした?」

晴翔「呪いのテレビ! テレビの中に女の人の魂が入ってるんだよ」

佳音「呪いのテレビだぁ?」

ツカツカとテレビの方へ歩いて行く。

晴翔「危ないよ」

佳音「……ぷっ! あははは!」

晴翔「佳音お姉ちゃん?」

佳音「晴翔。このシーン、見たことないか?」

女性「だ、誰か、そこにいるの?」

幽霊「かー!」

女性「きゃあーーー!」

晴翔「あっ! 佳音お姉ちゃんの家で見たやつだ。ビデオの」

佳音「そうそう。これ、ただのテレビ番組だぞ」

晴翔「で、でも、ビデオデッキっていうのがないよ?」

佳音「ああ。これ、テレビデオってやつだ。テレビとビデオが合体してるんだよ」

晴翔「じゃ、じゃあ、テレビの中に女の人の魂が入ってるわけじゃないの?」

佳音「当たり前だ。テレビなんかに、人間の魂なんか入るかよ」

晴翔「あー、ビックリした」

佳音「ま、怪談の招待なんて、こんなもんだろ」

晴翔「……あれ? でも、なんで、テレビがついたのかな?」

佳音「ん? どういうことだ?」

晴翔「コンセント抜けてるから。電気、どこから取ってるのかなって」

佳音「……」

晴翔「……」

佳音「……晴翔」

晴翔「なに?」

佳音「逃げるぞ!」

佳音が走り出す。

晴翔「あっ! 佳音お姉ちゃん、待ってよー!」

晴翔も走り出す。

終わり。

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