憧れの存在
- 2022.08.10
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:5人以上
時間:5分程度
■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、コメディ
■キャスト
ローガン
メイソン
青年
兵士1~3
■台本
銃撃の音が響く戦場。
ローガン「うおおおおおお!」
ローガンが突撃していく。
場面転換。
戦場後の荒野。
周りでは兵士たちが雑談している。
兵士1「来たか? リアム中佐が、一人でギガン地区を落としたってよ」
兵士2「聞いた、聞いた。まさに我が国の英雄だよな」
ローガンが歩いて来て、ドカッと地面に座る。
ローガン「ふう。今日も生き残った……」
メイソン「お疲れ。激戦だったな」
ローガン「ふう。何度、終わったかと思ったよ。生きてるのが不思議なくらいだ」
メイソン「でも、今回の戦果で、昇進するかもね」
ローガン「やっぱ、そう思う? はははは! 次昇進したら、少尉だぜ、少尉。この調子で、リアム中佐のところまで一直線だ!」
メイソン「いやあ、リアム中佐は別格だから。100年……いや、1000年に一度の逸材だよ」
ローガン「しかも、人格者で部下にも優しいときたもんだ」
メイソン「ちょっと出来過ぎだよね」
ローガン「確かになー。目標というかもう、憧れだよ、憧れ」
メイソン「だねー」
そのとき、青年がやってくる。
青年「支給品です」
ローガン「おお、サンキュー」
水を受け取って、ガブガブと飲む。
ローガン「ぷはー! 生き返る―」
青年「ふふふ。気持ちのいい飲みっぷりですね」
メイソン「こっちにも貰ってもいいかな?」
青年「はい、どうぞ」
メイソン「ありがとう」
青年「それにしても、大変でしたね。かなりの激戦だったと聞きましたが」
ローガン「あー、そりゃヤバかったよ! 生き残ったのが不思議って話してたとこだ」
青年「でも、生き残ったってことは、凄いことですよ。優秀ってことですよね」
ローガン「まあな。おそらく、今回で少尉に昇進だ」
青年「おめでとうございます」
ローガン「ははは。もしかしたら、俺の下につくかもしれないな。そのときは、きっちり、戦場のいろはを教えてやるよ」
青年「ははは。ありがとうございます。そのときは、よろしくお願いいたします」
メイソン「そういえば、見ない顔だね。どこの隊?」
青年「あー、自分はその、後方支援で……」
ローガン「なんだよ。じゃあ、戦場に出たことないのか? そんなんじゃ、ダメだ。兵士なら戦場に出てこそ、一人前なんだから」
青年「ははは。そうですよね」
メイソン「やめなよ。後方支援だって、大切な任務だよ」
ローガン「……別に後方支援がダメって言ってねーよ」
青年「確かに、兵士には得手不得手、適材適所がありますからね」
ローガン「ふん。お前みたいな、ひ弱そうな奴は後方支援がピッタリかもな」
青年「……はは」
メイソン「だから、新兵をイジメるのは止めなって」
ローガン「ちっ! そういうのは甘えっていうんだよ。俺の隊にくれば、きっちり、訓練してやるのに」
青年「……」
メイソン「気にすることないからね。人には得手不得手があるんだから」
青年「ありがとうございます」
ローガン「ったく。そんなんじゃ、いつまでたっても、昇進しねえぞ」
青年「精進します……」
そこに兵士3が走って来る。
兵士3「あっ! 中佐! ここにいたんですか!?」
ローガン「え?」
兵士3「准将がお呼びです。すぐに戻ってください」
青年「すみません。すぐに戻ります」
兵士3「下の兵たちと関わるのは止めてください」
青年「いえいえ。こういう関りは重要ですよ。一緒の隊になる可能性もありますから」
ローガン「……」
メイソン「……」
兵士3「一緒の隊になっても、中佐は一人で突っ込んでいくじゃないですか」
青年「ははは。耳が痛いです……」
ローガン「あ、あの……こちらの方は?」
兵士3「え? 知らないのか? こちらは、我が国の英雄、リアム中佐だ」
ローガン「っ!」
ローガン・メイソン「し、失礼しました!」
青年「ははは。気にしないでください。お話できて、楽しかったですよ」
青年と兵士3が行ってしまう。
ローガン・メイソン「……」
終わり。
-
前の記事
不思議な館の亜梨珠 アンケート 2022.08.09
-
次の記事
帰る場所 2022.08.11