憧れの存在

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■概要
人数:5人以上
時間:5分程度

■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、コメディ

■キャスト
ローガン
メイソン
青年
兵士1~3

■台本

銃撃の音が響く戦場。

ローガン「うおおおおおお!」

ローガンが突撃していく。

場面転換。

戦場後の荒野。

周りでは兵士たちが雑談している。

兵士1「来たか? リアム中佐が、一人でギガン地区を落としたってよ」

兵士2「聞いた、聞いた。まさに我が国の英雄だよな」

ローガンが歩いて来て、ドカッと地面に座る。

ローガン「ふう。今日も生き残った……」

メイソン「お疲れ。激戦だったな」

ローガン「ふう。何度、終わったかと思ったよ。生きてるのが不思議なくらいだ」

メイソン「でも、今回の戦果で、昇進するかもね」

ローガン「やっぱ、そう思う? はははは! 次昇進したら、少尉だぜ、少尉。この調子で、リアム中佐のところまで一直線だ!」

メイソン「いやあ、リアム中佐は別格だから。100年……いや、1000年に一度の逸材だよ」

ローガン「しかも、人格者で部下にも優しいときたもんだ」

メイソン「ちょっと出来過ぎだよね」

ローガン「確かになー。目標というかもう、憧れだよ、憧れ」

メイソン「だねー」

そのとき、青年がやってくる。

青年「支給品です」

ローガン「おお、サンキュー」

水を受け取って、ガブガブと飲む。

ローガン「ぷはー! 生き返る―」

青年「ふふふ。気持ちのいい飲みっぷりですね」

メイソン「こっちにも貰ってもいいかな?」

青年「はい、どうぞ」

メイソン「ありがとう」

青年「それにしても、大変でしたね。かなりの激戦だったと聞きましたが」

ローガン「あー、そりゃヤバかったよ! 生き残ったのが不思議って話してたとこだ」

青年「でも、生き残ったってことは、凄いことですよ。優秀ってことですよね」

ローガン「まあな。おそらく、今回で少尉に昇進だ」

青年「おめでとうございます」

ローガン「ははは。もしかしたら、俺の下につくかもしれないな。そのときは、きっちり、戦場のいろはを教えてやるよ」

青年「ははは。ありがとうございます。そのときは、よろしくお願いいたします」

メイソン「そういえば、見ない顔だね。どこの隊?」

青年「あー、自分はその、後方支援で……」

ローガン「なんだよ。じゃあ、戦場に出たことないのか? そんなんじゃ、ダメだ。兵士なら戦場に出てこそ、一人前なんだから」

青年「ははは。そうですよね」

メイソン「やめなよ。後方支援だって、大切な任務だよ」

ローガン「……別に後方支援がダメって言ってねーよ」

青年「確かに、兵士には得手不得手、適材適所がありますからね」

ローガン「ふん。お前みたいな、ひ弱そうな奴は後方支援がピッタリかもな」

青年「……はは」

メイソン「だから、新兵をイジメるのは止めなって」

ローガン「ちっ! そういうのは甘えっていうんだよ。俺の隊にくれば、きっちり、訓練してやるのに」

青年「……」

メイソン「気にすることないからね。人には得手不得手があるんだから」

青年「ありがとうございます」

ローガン「ったく。そんなんじゃ、いつまでたっても、昇進しねえぞ」

青年「精進します……」

そこに兵士3が走って来る。

兵士3「あっ! 中佐! ここにいたんですか!?」

ローガン「え?」

兵士3「准将がお呼びです。すぐに戻ってください」

青年「すみません。すぐに戻ります」

兵士3「下の兵たちと関わるのは止めてください」

青年「いえいえ。こういう関りは重要ですよ。一緒の隊になる可能性もありますから」

ローガン「……」

メイソン「……」

兵士3「一緒の隊になっても、中佐は一人で突っ込んでいくじゃないですか」

青年「ははは。耳が痛いです……」

ローガン「あ、あの……こちらの方は?」

兵士3「え? 知らないのか? こちらは、我が国の英雄、リアム中佐だ」

ローガン「っ!」

ローガン・メイソン「し、失礼しました!」

青年「ははは。気にしないでください。お話できて、楽しかったですよ」

青年と兵士3が行ってしまう。

ローガン・メイソン「……」

終わり。

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