バニーガール

〈前の10枚シナリオへ〉    〈次の10枚シナリオへ〉

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
郁人(いくと)
真人(まさと)
美紅(みく)

■台本

美紅「いっくんとまーくん、今日、誕生日だよね? 特別に一つだけ、何でも言うこと聞いてあげるよ」

郁人(N)「すべてはこの、美紅さんの一言によって始まった。美紅さんは天然なところがある。なんでも言うことを聞くなんて危ないことを平気で言うことからもわかる。でも、今回はチャンスだ。俺はずっと前から、美紅さんに対して、あることをお願いしたかったのだ」

場面転換。

真人「郁人。この勝負はどっちが勝っても文句なしだ」
郁人「ああ。勝負はポーカーでいいな?」
真人「おう」
郁人「50枚のチップで、無くなった方が負け」
真人「いつものだな。いいぜ」
郁人「じゃあ、始めるぞ」

郁人(N)「俺と真人は同級生で、同じ誕生日、ギャンブル好きということで、小さい頃からの親友だったが、今日だけは強敵……最大のライバルとして立ちはだかることになった」

場面転換。
向かい合って座っている郁人と真人。

郁人「じゃあ、まずは俺が配るぞ」
真人「その前に、イカサマがないか、カードを調べさせてもらうぞ」
郁人「ああ」

真人がトランプを調べる。

真人「よし、何も不審な点はないな」
郁人「じゃあ、いくぞ」
真人「いいぜ」
郁人「……おい、足を延ばしすぎだぞ」
真人「いいじゃねーか。この体勢の方が集中できるんだよ。それとも、自信がないからいちゃもんをつけてるのか?」
郁人「……ふん」

郁人がカードを配っていく。

郁人「……」
真人「……」

お互いカードを見る。

郁人(N)「5のワンペアか。……最初の勝負で流れを掴む。強くはないが、強気で押して、降りさせる」

郁人「10枚でコール」
真人「乗った」
郁人「ぐっ!」
真人「じゃあ、勝負だ」

二人がカードを展開する。

真人「7のワンペア。俺の勝ちだな」
郁人「ちっ!」

郁人(N)「あっちも弱いカードだった。きっと、俺と同じ考えだったんだろうな。これは運だ。運で負けただけ。切り替えていこう」

場面転換。

郁人「……そ、そんな」
真人「ふっふっふ。もう勝負は見えたな」

郁人(N)「なぜだ。なぜ、こうもカードを読まれる? 5連続で負けるなんてあり得ない。……まさか、イカサマ? いや、カードは俺が用意したし、カードを配るのは交互にやってた。イカサマなんてやりようは……って、ん?」

真人「さあ、どうする? お前のチップは残り3枚だ。ギブアップするなら、今のうちだぜ」
郁人「……」
真人「どうした? あまりのショックで口もきけなくなったか?」
郁人「……お前」
真人「ん?」
郁人「なんで、足に鏡がついているんだ?」
真人「え? あー、いやこれはその……」
郁人「お前……イカサマかよ」
真人「ふっふっふ。郁人。知ってるか? イカサマはバレなきゃ、イカサマじゃないんだぜ?」
郁人「バレとるわっ!」
真人「ぶへっ!」

郁人が真人を殴り飛ばす。

場面転換。

美紅「お願い事、決まった?」
郁人「う、うん。あ、あのさ……。バ、バニーガールになってくれないかな?」
美紅「え? バニーガール」
郁人「な、何でもいいって言ったよね?」
美紅「わ、わかった。恥ずかしいけど、頑張る」
郁人「やったぁ!」
美紅「ちょっと待っててね」
郁人「う、うん……」

場面転換。
ガチャリとドアが開く音。

美紅「ど、どうかな……?」
郁人「そ、それは……」

郁人(N)「うさぎの着ぐるみだー! ……美紅さん、結構、天然だからなー。でも、まあ、可愛いからいいけど」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉    〈次の10枚シナリオへ〉