悲惨なポッキーゲーム

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■概要
人数:5人以上
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
蒼真(そうま)
浩人(ひろと)
紗良(さら)
神奈(かんな)

■台本

蒼真の部屋。

男女7人くらいが集まって、ワイワイとパーティーを開いている。

蒼真「……」

浩人「……」

アイコンタクトをする2人。

蒼真(N)「浩人、そろそろ、始めるぞ。わかってるな?」

浩人(N)「ああ。わかってるって、蒼真。俺たちで考えた作戦は完璧だ」

蒼真がいきなりパンパンパンと手を叩く。

蒼真「えー、盛り上がってきたところでー! 王様ゲーム行ってみよー!」

女1「えー、王様ゲーム? やだー、きゃはは」

男1「おー、いいじゃんいいじゃん!」

浩人「王様の命令は絶対だからな―」

神奈「やだー、何させる気?」

その場は大盛り上がり。

蒼真「じゃあ、ここに1から7までの数字を書いたカードがあるから、みんな、1枚ずつ引いて」

男1「じゃあ、俺、これ」

女1「私はこれにしようかな」

神奈「なら、私はこれ」

紗良「えっと……。これにしようかな」

みんながカードを引いていく。

蒼真(N)「ふっふっふ。そのカードは裏に細工してあって、誰が、何番を引いたかわかるようになっているのだ」

浩人「次に、この中の棒を一本取って。それに数字が書いてあるから、その数字の人が王様ってことで」

蒼真「じゃあ、紗良ちゃん、引いてくれる?」

紗良「え? 私? わかった。えーっと、じゃあ、これ」

紗良が棒を引く。

浩人「何番?」

紗良「えっと、5番」

蒼真「よし! 俺、5番!」

浩人(N)「ふふふ。ここまでは計画通り。蒼真。お前は存分に紗良ちゃんといちゃつくがいい。その代わり、次はわかってるな?」

蒼真(N)「ああ。浩人。お前は神奈ちゃん目当てだろ?」

浩人(N)「うおおお! 楽しくなって来たぜー」

蒼真「ごほんっ! えー、それじゃ、王様とー、6番がポッキーゲーム!」

浩人「え?」

女1「えーー! 王様とー? そんなのありなの?」

男1「あははは。まあ、面白くていいんじゃね? 王様だって、他のやつの数字わかんないんだし」

女1「あー、そっか」

蒼真「じゃあ、紗良ちゃん、はい。ポッキー」

紗良「え?」

蒼真「え?」

紗良「私、9番……」

蒼真「へ?」

男1「じゃあ、6番誰?」

浩人「……」

蒼真「お、お前、なのか?」

浩人(N)「お前、なにやってんだよー!」

蒼真(N)「え? なんで? どうなってんだ?」

浩人(N)「お前……。裏に細工するとき、逆さの状態で書いたな?」

蒼真(N)「あっ……」

浩人(N)「バカ野郎、どうすんだよ!」

神奈「王様の命令は絶対なのよねー? ねえ、王様」

蒼真「くっ!」

男1「ほい、ポッキー」

浩人「うっ!」

神奈「言っとくけど、わざと折るのは禁止ね」

蒼真「わ、わかってるよ」

紗良「蒼真くん、頑張ってー」

蒼真「……そこは応援、いらないよ……」

男1「それじゃー、ポッキーゲーム開始!」

蒼真「うう……」

浩人「うう……」

ポッキーを齧る音が響く。

そして――。

ブチュっとキスの音がする。

蒼真・浩人「ぎゃああああああ!」

二人の悲鳴が響き渡る。

終わり。

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