悲惨なポッキーゲーム
- 2023.11.08
- ボイスドラマ(10分) 退避

■概要
人数:5人以上
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
蒼真(そうま)
浩人(ひろと)
紗良(さら)
神奈(かんな)
男
女
■台本
蒼真の部屋。
男女7人くらいが集まって、ワイワイとパーティーを開いている。
蒼真「……」
浩人「……」
アイコンタクトをする2人。
蒼真(N)「浩人、そろそろ、始めるぞ。わかってるな?」
浩人(N)「ああ。わかってるって、蒼真。俺たちで考えた作戦は完璧だ」
蒼真がいきなりパンパンパンと手を叩く。
蒼真「えー、盛り上がってきたところでー! 王様ゲーム行ってみよー!」
女1「えー、王様ゲーム? やだー、きゃはは」
男1「おー、いいじゃんいいじゃん!」
浩人「王様の命令は絶対だからな―」
神奈「やだー、何させる気?」
その場は大盛り上がり。
蒼真「じゃあ、ここに1から7までの数字を書いたカードがあるから、みんな、1枚ずつ引いて」
男1「じゃあ、俺、これ」
女1「私はこれにしようかな」
神奈「なら、私はこれ」
紗良「えっと……。これにしようかな」
みんながカードを引いていく。
蒼真(N)「ふっふっふ。そのカードは裏に細工してあって、誰が、何番を引いたかわかるようになっているのだ」
浩人「次に、この中の棒を一本取って。それに数字が書いてあるから、その数字の人が王様ってことで」
蒼真「じゃあ、紗良ちゃん、引いてくれる?」
紗良「え? 私? わかった。えーっと、じゃあ、これ」
紗良が棒を引く。
浩人「何番?」
紗良「えっと、5番」
蒼真「よし! 俺、5番!」
浩人(N)「ふふふ。ここまでは計画通り。蒼真。お前は存分に紗良ちゃんといちゃつくがいい。その代わり、次はわかってるな?」
蒼真(N)「ああ。浩人。お前は神奈ちゃん目当てだろ?」
浩人(N)「うおおお! 楽しくなって来たぜー」
蒼真「ごほんっ! えー、それじゃ、王様とー、6番がポッキーゲーム!」
浩人「え?」
女1「えーー! 王様とー? そんなのありなの?」
男1「あははは。まあ、面白くていいんじゃね? 王様だって、他のやつの数字わかんないんだし」
女1「あー、そっか」
蒼真「じゃあ、紗良ちゃん、はい。ポッキー」
紗良「え?」
蒼真「え?」
紗良「私、9番……」
蒼真「へ?」
男1「じゃあ、6番誰?」
浩人「……」
蒼真「お、お前、なのか?」
浩人(N)「お前、なにやってんだよー!」
蒼真(N)「え? なんで? どうなってんだ?」
浩人(N)「お前……。裏に細工するとき、逆さの状態で書いたな?」
蒼真(N)「あっ……」
浩人(N)「バカ野郎、どうすんだよ!」
神奈「王様の命令は絶対なのよねー? ねえ、王様」
蒼真「くっ!」
男1「ほい、ポッキー」
浩人「うっ!」
神奈「言っとくけど、わざと折るのは禁止ね」
蒼真「わ、わかってるよ」
紗良「蒼真くん、頑張ってー」
蒼真「……そこは応援、いらないよ……」
男1「それじゃー、ポッキーゲーム開始!」
蒼真「うう……」
浩人「うう……」
ポッキーを齧る音が響く。
そして――。
ブチュっとキスの音がする。
蒼真・浩人「ぎゃああああああ!」
二人の悲鳴が響き渡る。
終わり。