勘違い

勘違い

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■概要
人数:3人
時間:3分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
七緒(ななお)
健吾(けんご)
武明(たけあき)

■台本

町を颯爽と歩く七緒。

七緒(N)「ふふふ。通る人たちがみんな私を見てる。きっと、立ち止まって振り返ってる人も多いんだろうな。それもそのはず。だって、今日の私はばっちりメイクも決めて、お店の人にコーデしてもらった服を着て、まさに女優並みのオーラを放っている。だって、店員の人が服を買うとき、そう言ってたから。さあ、今日こそはイケメンの彼氏を捕まえてやるんだから!」

そこに、健吾が通りかかる。

健吾「あれ? 幸田さん?」

七緒が立ち止まる。

七緒「え?」

健吾「俺だよ、俺! 健吾! 久しぶり!」

七緒(N)「きたーーー! ナンパだ、これ! うわー! 初めてナンパされちゃった! しかもイケメンに! うわー! うわー! やっぱり、今日の私、イケてるんだ!」

健吾「いやー、懐かしいな。今って何してるの?」

七緒「えーっと……」

健吾「ああ。こんなところで立ち話もなんだからさ、どっか喫茶店に行かない?」

七緒(N)「へー。ナンパってこうやってするんだ? 多少強引だけど、こうやって女の子を誘ってお茶するんだね。ふふふ。いいじゃん! 今日は乗ってあげる!」

七緒「そうだね。行こっか」

健吾「あ、あそこのオープンテラスにしない? あのお店って、結構、人気らしいんだ」

七緒(N)「さりげなく、人気店に誘う。さすが、イケメンのナンパはポイントが高いね」

場面転換。

テラスで向かい合って座っている健吾と七緒。

七緒が紅茶を啜る。

七緒「うわあ、おいしー」

健吾「でしょ? ここの紅茶は女の子に人気らしいよ」

七緒「へー」

健吾「それにしてもさ、何年振りかな? 高校卒業してからだから……6年くらい? ホント、懐かしいよね」

七緒「あはは……」

七緒(N)「うーん。まだ、その話、引っ張るの? こうやって、誘いに乗ったんだから、もういいでしょ? それより、もっと楽しい、話をしてほしいんだけど……」

健吾「あっ! 知ってる? 担任だった、真崎先生、結婚したんだってさ」

七緒「へー……」

七緒(N)「誰だよ!? 知らないよ! 呼び止めるための切っ掛けの話をあんまり、引っ張らないで欲しいんだってば! こっちも辛いからさ」

健吾「真崎先生にはよく怒られたよなー。今考えると、俺たちのこと思ってくれてたんだって思うよ」

七緒「……」

そこに武明が通りかかる。

武明「あれ? 健吾?」

健吾「へ? あー、タケか!」

武明「おおー、懐かしいな。こんなとこで、何してんの? 彼女?」

七緒(N)「うわーうわー! 新たなイケメンの登場だー! なになに? 私のこと、取り合っちゃう? 取り合っちゃうの!?」

健吾「ちげーって。ほら、幸田さんだよ。高校一緒だっただろ? 偶然、そこで会ってさ」

武明「あー! 幸田さんね、懐かしいな―」

七緒(N)「……そのネタはあんまり引っ張らないで欲しいんだけど」

武明「……ん? あれ?」

健吾「どうした?」

武明「この人、幸田さんじゃねーだろ」

健吾・七緒「へ?」

武臣「幸田さんは、目の下に泣きボクロあっただろ、っていうか、顔、違うだろ」

健吾「……」

七緒「……」

健吾「あ、ホントだ。ごめん。人違いだった」

七緒「え? え?」

健吾「タケ、これから時間あるなら、飯食いにいかね?」

武明「おう、いいぞ」

健吾と武明が行ってしまう。

七緒「……ただの勘違いかよ!」

終わり。

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