狼男

狼男

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■概要
人数:2人
時間:3分

■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、コメディ

■キャスト
ライアン 20歳くらい
ミーシャ 20歳くらい

■台本

夜の街中。

ライアン「う、うおおおおおおおお! ……オオーン!」
ミーシャ「ライアン、落ち着いて!」
ライアン「ウガアアアア!」
ミーシャ「きゃあああああ!」

場面転換。
大学内。

ミーシャ「……」
ライアン「あ、あの……。ごめん、ミーシャ」
ミーシャ「あのねえ。私はサキュバスだから、まだ平気だったけど、普通の人間だったら死んでるだからね!」
ライアン「……はい」
ミーシャ「もう、何回も言ってるでしょ! 満月になるのはいつか、しっかり把握しておけって! あんた、ライカンスロープの自覚あるの?」
ライアン「う、うう……」
ミーシャ「まったく。お気に入りの服、ビリビリにしてくれちゃってさ」
ライアン「だから、ごめんって。ちゃんと弁償するからさ」
ミーシャ「弁償すればいいってもんじゃないの!」
ライアン「……は、はい」
ミーシャ「それはそうとさ」
ライアン「なに?」
ミーシャ「あんた、力の暴走を抑えられないの? 前に、会ったライカンスロープは、少し狂暴になってたけど、暴れるまではしてなかったわよ」
ライアン「そ、そう言われても……。満月を見ると、理性が飛んじゃうんだ。どうしようもないんだよ」
ミーシャ「ふーん。まあ、そういうのは個々で違うみたいだからしょうがないけど。とにかく、今度からはしっかり、把握しておきなさいよ」
ライアン「う、うん。わかった……」

場面転換。
夜の街中。
ミーシャとライアンが歩いている。

ミーシャ「悪いわね、買い物付き合ってもらっちゃって」
ライアン「ううん。いいんだよ。これくらい」
ミーシャ「いやー。あんたがいると楽でいいわー。荷物の心配しなくていいからね」
ライアン「あははは。役に立てて嬉しいよ」
ミーシャ「ふう。それにしても、今夜は蒸し暑いわねー」
ライアン「そ、そうかな?」
ミーシャ「あれ? ライアンはそんなことない?」
ライアン「う、うん……」
ミーシャ「そっか。……じゃあ、私の体が火照ってるのかな? 精力を吸いたいって……」
ライアン「(ゴクリ)……」
ミーシャ「あ、ダメね。今月分の摂取回数は使い切ってるんだった。あーあ。今日は早く寝るかー」
ライアン「……」
ミーシャ「あれ? ライアン、どうかした? 顔が赤いわよ?」
ライアン「な、なんでもない」
ミーシャ「ふーん。もしかして、私の力で興奮しちゃった、かなぁ?」
ライアン「ちょ、ちょっと! やめてよ!」
ミーシャ「あはははは。ごめんごめん」
ライアン「はあ、はあ、はあ……」
ミーシャ「さてと。ありがと。ここでいいわ。……って、あれ?」
ライアン「ど、どうしたの?」
ミーシャ「え? え? なんで?」
ライアン「なに? なんかあった?」
ミーシャ「あ、振り向いちゃダメ!」
ライアン「……」
ミーシャ「落ち着いて! ライアン! ダメよ! 変身しないで」
ライアン「はあ、はあ、はあ……」
ミーシャ「ライアン、深呼吸よ、深呼吸。すーはー、すーはー。ね?」
ライアン「う、うおおおおおおおお! ……オオーン!」
ミーシャ「ああ、もう! 変身しちゃった!」
ライアン「があああああ!」

ビリビリビリと服が破れる音。

ミーシャ「きゃああああ!」
ライアン「ガアアアアアア!」

ミーシャが逃げ出す。

ミーシャ「なんで、こうなるのよ!」
ライアン「ウガアアアア!」

ライアンが追ってくる。

ミーシャ「あーん、もう! なんなのよー!」
ライアン「ウガアアアア!」
ミーシャ「バカ! 満月の日はちゃんと把握しておけって言ったのに!」
ライアン「ガアアア!」
ミーシャ「きゃあ!」

ライアンがミーシャを押し倒す。

ライアン「はあ、はあ、はあ……」
ミーシャ「お、落ち着いて。ね?」
ライアン「ウガアアア!」
ミーシャ「きゃああああ! ……って、あれ? ライアン、ストップ!」
ライアン「ウガ!?」

動きを止めるライアン。

ミーシャ「……あんた、やっぱり、雰囲気に流されたわね?」
ライアン「……」
ミーシャ「あれ、満月じゃなくて、バルーンだよ」
ライアン「え?」

振り向くライアン。

ライアン「……」
ミーシャ「あんたねぇ。力、コントロールできるんじゃない!」
ライアン「あ、いや、それは……」
ミーシャ「単に、私の服を破りたかっただけでしょ!」
ライアン「ち、違う……」
ミーシャ「問答無用―!」
ライアン「うわああああああ!」

終わり。