【声劇台本】因果応報

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■概要
人数:4人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
勝巳(かつみ)
陽菜(はるな)
美玲(みれい)
真(まこと)

■台本

勝巳(N)「イケメンは不幸になればいい。大した努力もしないで、女の子にモテる。そんなのは理不尽だ。俺は今まで、物凄く努力してきた。髪型、服装、話術、行動の仕方などなど、例をあげたらきりがないほどゲームや漫画で勉強してきた。それなのに、女の子から告白されたことなんてない。許せねえ……。イケメンを不幸にするためなら、俺はどんな苦労だってできる」

ザックザックザックと土を掘る音。

勝巳「ふう。完成だ。あとは用意した看板を立ててっと。……おっ! さっそく来たぞ」

二つの足音が近づいて来る。

男「ここからの風景が凄い綺麗でさ。君に観てもらいたいって思ってたんだ」

女「えー、ホント? 嬉しい!」

男「君だから教えるんだよ。ここを知ってるのは俺と君だけだから、みんなには内緒だよ」

女「うん!」

男「おっと、こっち側の道は工事中か。しかたない、こっちから行こう」

二人が歩いていると、ズドっと落とし穴にはまる。

男「うわあああ!」

女「きゃああ!」

男「なんで、こんなところに落とし穴があるんだよ!」

勝巳(N)「くっくっく。大成功。やっぱりな。ここの丘は夜景が綺麗だから、ナンパ野郎がよく来るんだよな。また一人、ナンパなイケメン野郎を成敗してやった。……ここは使えるな。あとで、落とし穴を仕掛け直しておこう」

場面転換。

学校のチャイム。

美玲「ねえ、陽菜、明日の休みだけど、暇? どこか遊びに行かない?」

陽菜「うん、いいよ。一日、予定ないし。美玲はどこか行きたいとこある?」

美玲「んーっとねぇ……」

勝巳「あっ! なんだよー。約束、断られたよ。あーあー、明日は暇になっちゃったなぁ」

美玲「……」

陽菜「……」

美玲「ね、ねえ、陽菜。今の、勝巳くんの独り言だよね?」

陽菜「う、うん。そうだと思うけど……」

勝巳「……明日は、家にいたくなかったんだけどなぁー。どうしようかな。誰か、誘ってくれいないかなー」

陽菜「……」

美玲「……」

陽菜「さ、誘って欲しいのかな? チラチラこっち見てるし」

美玲「いやよ、私。勝巳くんと友達ってわけじゃないし。誘っても、なに話していいかわかんないもん」

陽菜「そ、そうだよね……」

勝巳「……あー、そうだ。あいつを誘おうかな。これから連絡してみようかな。今なら、まだ連絡する前だから、誘ってくれたら、そっちに行くんだけどなー」

陽菜「……」

美玲「……」

陽菜「ね、ねえ、美玲。明日、映画行かない?」

美玲「映画? ああ、いいね。行こう行こう」

勝巳「あー、そういえば、俺、結構、映画詳しいんだよね。映画ランキングとか毎週チェックしてるし」

美玲「……」

陽菜「……」

美玲「絶対、こっちの話してる会話聞いてるよね?」

陽菜「……後で、話そうよ」

美玲「そ、そうだね……」

真「え? なになに? 明日、映画行くの?」

美玲「あ、真くん」

真「もしさ、デッドスペース観に行くなら一緒に行かない? 見たいと思ってたんだけど、一人じゃちょっとさー」

美玲「あー、わかるわかる。映画って一人だとちょっと行くの面倒になるよね」

真「そうそう。こういうきっかけがないとさ。……陽菜さんは、いや、かな? 俺が一緒だと」

陽菜「ううん。そんなことないよ」

真「ありがとう! じゃあ、お礼に明日はポップコーン奢るよ」

美玲「えー、そこは映画代でしょ!」

真「いやいやいや。それは勘弁してよ! 俺が映画観れなくなる」

美玲「あはははは」

陽菜「ふふふふ」

ギリっと歯ぎしりの音。

勝巳「あの野郎……。俺が先に誘ってもらうはずだったのに! 邪魔しやがって! 俺なら映画代くらい奢れるのに! くそ! くそ! くそ! これだからイケメン野郎は許せねえんだ! こうなったら、俺もあいつらの邪魔をしてやる……」

場面転換。

映画館から3人が出てくる。

真「うん、やっぱり面白かったね、デッドスペース」

美玲「うんうん。最後はやられたよねー。まさか、あそこで主人公が出て来るなんてさ」

真「映画観た後の感想を言い合えるっていいよね。また、誘っていいかな?」

美玲「うん! もちろん! ね? 陽菜」

陽菜「うん……。また真くんと行きたいな」

美玲「だってさー、よかったね、真」

真「ありがとう。そう言って貰えて嬉しいよ」

陽菜「……」

ギリっと歯ぎしりをする勝巳。

勝巳「ふざけんな! ふざけんな! 陽菜ちゃんを先に好きになったのは俺だし、話したのも俺の方が先だぞ! ……絶対に許せねえ。どっかでペイント弾を当てて、恥かかせてやる!」

場面転換。

3人が並んで歩いている。

真「2人はまだ時間は余裕あるの? よかったら、もう少し3人で遊ばない?」

美玲「ふふふふ。3人でいいの?」

真「な、なんだよ、美玲」

美玲「ごめん、陽菜。私、用事あるから、もう帰るね。陽菜はもう少し真くんと遊んでいきなよ」

陽菜「え? あ、う、うん……。いいの?」

美玲「いいのいいの。明日、色々話聞かせて。じゃあね」

美玲が走って行く。

真「行っちゃった……」

陽菜「あ、あの。私は……その、まだ大丈夫だけど」

真「そう? それじゃどうしようかな。ねえ、よかったら、陽菜さんのこと色々知りたいから、おしゃべりできるところがいいんだけどいいかな?」

陽菜「う、うん」

真「あ、そうだ。町が綺麗に見えるところがあるんだけど、そこに行かない?」

陽菜「うん、行く」

勝巳「よし、人気の無さそうなところに行くんだな。チャンス!」

場面転換。

勝巳が走っている。

勝巳「くそっ! 見失った! どこ行った? こっちの方に来たのはわかってるんだけど……。あー、もう! イライラするなぁ!」

立ち止まって。

勝巳「ん? 工事中? なんだよ! 面倒くさいな! こっちに行けってか!」

走り出す勝巳。

勝巳「う、うわーー!」

落とし穴にはまる勝巳。

勝巳「あー! もう! なんで、こんなところに落とし穴があるんだよ! なんなんだよ、もう! くそ! くそ! くそ! ついてねえ! 女の子に誘ってもらうのも邪魔されて、俺が先に好きになった子も取られて、落とし穴にもはまるなんて……。人生、不公平だ!」

終わり。

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