誰にも言えない

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■概要
人数:5人以上
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
イッチー
タカシ
教師
アカシタ
アリエ
イシガニ
ドウメキ
ツネチン
マッキー
ユッキー
子供

■台本

公園で子供が遊んでいる。

子供「じゃあな、タカシ」

タカシ「ああ、またな」

その様子を遠くで見ているイッチー。

イッチー(N)「僕は知ってしまったんだ。タカシくんが普通じゃないことを……。タカシくんが僕たちと違うんだってことに……」

場面転換。

学校のチャイムの音。

教室内が騒がしい。

ガラガラとドアが開いて、教師が入って来る。

教師「はいはい。静かにして。授業始めるわよー」

生徒たち「はーい」

各々が席に着く。

教師「じゃあ、まずは先週のテスト返すわよ。アカシタくん」

アカシタ「はい」

アカシタが立ち上がって、テストを取りに行く。

アカシタ「うげっ。30点かよ」

教師「アリエくん」

アリエ「はい」

教師「イシガニくん」

イシガニ「はい」

教師「ヒトツメくん」

イッチー「……」

ドウメキ「おい、イッチー。呼ばれてるぞ」

イッチー「え? あ、はい……」

立ち上がるイッチー。

場面転換。

グラウンドで生徒たちがサッカーをしている。

ツネチン「パスパスパス!」

イシガニ「ツネチン、頼んだ!」

イシガニがパスをする。

ツネチン「うおお! 火の玉シュート!」

シュートがゴールに突き刺さる。

ツネチン「うおおお! ゴール!」

マッキー「おい、それは反則だろー」

周りがぎゃははと笑う。

プレイ開始の笛が鳴る。

アカシタ「おいおい。ゴールネットどーすんだよ。ツネチン、あとで直しておけよ」

ツネチン「えー」

ユッキー「タカシくん、パス!」

ユッキーがボールをタカシにパスする。

ツネチン「おおい! 勝手に始めるなよ」

ユッキー「へへん。笛鳴ってたもんねー」

ツネチン「やべえ、戻れ戻れ!」

イシガニ「大丈夫。キーパーはヌリオだもん」

タカシ「えい!」

タカシがシュートする。

すると、パサッとゴールネットに入る。

タカシ「やったー!」

イシガニ「マジかー。あの隙間を通すか、普通」

ツネチン「くっそー。やられた」

それをじっと見ているイッチー。

イッチー「……」

ドウメキ「……どうした、イッチー。今日、なんか変だぞ?」

イッチー「あ、いや、その……なんでもないよ」

イッチー(N)「どうしよう。言うべきなのかな? でも……」

場面転換。

学校のチャイム。

生徒たちが下校している。

教師「みんなー、寄り道しないで、明るくなる前に帰るのよー」

そこにイッチーがやってくる。

イッチー「あ、あの、先生……」

教師「ん? どうかしたの?」

イッチー「あの、その……」

教師「ん? なに?」

イッチー「う、うう……。やっぱり言えない!」

イッチーが走り出す。

イッチー(N)「言えない。こんなこと、誰にも言えないよ。タカシくんが人間だなんて、誰にも言えないよーーー」

終わり。

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