【マンガ用シナリオ】最強を目指して

【マンガ用シナリオ】最強を目指して

■ジャンル
マンガ原作用シナリオ、現代、バトル

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  • 公園(夕方)

学生服姿の高嶋諒(17)と、空手着姿の男(18)が向かい合っている。

空手男が構えるが諒はそのままノーガードの状態。

空手男「……」

  じりっと間合いを詰めていく空手男。

  しかし、諒は余裕の笑みすら浮かべている。

空手男「はああああ!」

  一気に間合いを詰めた空手男は諒の顔面に向かって正拳突きを見舞ってくる。

  空手男の拳が諒の顔面に当たる寸前、諒が空手男の頭にハイキックを打ち込む。

空手男「!」

  そのまま前のめりに倒れ、気絶する空手男。

諒「……」

  欠伸しながら立ち去る諒。

  • 学校・屋上

6人の不良に囲まれている諒。

不良1「よう、高嶋。お前、最近、調子こいてるみたいだな」

  肩をすくめて余裕の笑みを浮かべる諒。

不良2「学校だから俺たちが手を出さないと思ってんなら、間違いだぞ」

諒「ここでやるんっすね。いいっすよ」

  諒が首を傾けて、首の骨をゴキゴキ鳴らす。

不良1「舐めやがって」

  不良1が懐からバタフライナイフを出す。

不良1「お前も知ってると思うがよー。俺は一回、これでホントに人、ぶっさしてんだよ。それでネンショー言ってたの知ってんだろ?」

  ナイフを構えたまま諒に滲みよる不良1。

  周りの不良はポケットに手を突っ込んで余裕の笑みを浮かべている。

諒「あ、待った」

不良1「(にやりと笑って)なんだよ、今更、命乞いか?」

諒「これだけっすか?」

不良1「ああ?」

諒「人数。まだ仲間が来るなら、待ちますけど」

不良1「てめえっ……」

諒「あと、他の先輩方も余裕こいてないで、一気に来てくださいよ。じゃないと、わざわざ屋上までついてきた意味がない。俺、先輩たちのダルイ話を聞くほど暇じゃないんっすよね」

不良1「上等だ!」

  不良1がナイフを諒の腹に向けて、突き刺してくる。

  だが、諒は不良1のナイフを持っている手首を掴む。

不良1「あががが……」

  諒がギュッと強く握ると、不良1の手首の骨がゴキっと音を立てて、潰れる。

不良1「うぎゃー!」

  それを見て、不良たちが慌てて諒に襲い掛かる。

  だが、余裕でパンチと蹴りで一蹴していく諒。

諒「……」

  倒れた不良たちを見下し、欠伸をしながら歩き去っていく諒。

  • 道場

  床に正座する正堂権蔵(43)とあぐらをかいている諒。

権蔵「はっはっは。まさか今どき、道場破りなんて、肝が据わった子がいるなんてね」

諒「まあ、看板なんていらないんですけどね。看板くらい賭けないと、本気で立ち会ってくれないでしょ」

権蔵「ふふふ。いいね。弟子に欲しいくらいだ」

諒「こっちは、自分より弱い人間に教わるほど、暇じゃないもんで」

権蔵「……」

  ニコリと微笑んでいた権蔵が、いきなり真剣な顔になると同時に立ち上がり、諒に向かって蹴りを放ってくる。

諒「……」

  余裕で、腕で蹴りを防ぐ諒。

  そして、逆に水面蹴りで権蔵を転ばせる。

諒「なかなかいい奇襲だったっすけどね。あんたの得意は柔術でしょ? ちゃんと組んでやりましょーや」

権蔵「……」

  立ち上がって柔道のように組む権蔵。

権蔵「骨の二、三本は覚悟しておけよ」

諒「あー、はいはい」

権蔵「ふん!」

  権蔵が投げようとするが、ビクともしない。

権蔵(N)「な、投げれん!」

諒「ま、こんなもんか」

  諒が肘打ちで、権蔵の頭を打ち抜く。

  声を上げる間もなく倒れる権蔵。

  • 町中

  諒が詰まらなさそうに歩いている。

男1「ひっ!」

諒「ん?」

  目を向けると、チンピラ風の男たちが逃げ足しているのが見える。

諒「なんだ?」

  よく見てみると、気弱そうな青年、田代浩平(18)の周りから、人がドンドンと逃げて行っている。

  さらにひそひそ話が聞こえてくる。

学生1「あ、あいつ、田代だろ。やっぱあの噂、本当だったんだ」

学生2「一人で、ヤクザの組を潰したり、100人を相手しても、無傷で勝ったんだろ」

諒「……おもしれえ」

  諒が浩平に近づこうとして、肩を掴まれる。

学生3「いくら、高嶋くんが強くても、田代くんには勝てないよ」

諒「……あいつのこと、知ってるのか?」

学生3「噂だけね。でも、噂は全て本当のことだよ」

諒「なら、ますます見逃せねえな」

学生3「それなら、一つだけ忠告しておくよ。勝つ可能性があるとするなら、田代くんにお酒を飲ませないことだね。絶対に酔わせたら駄目だ。僕は一応、忠告はしたからね」

  学生3が立ち去っていく。

諒「はは……。酔拳の使い手ってわけか。ますます面白れぇ」

  • 廃屋

壁の隅で怯えている浩平。

諒「よう、先輩。俺と立ち会ってくれませんかね?」

浩平「い、いやだ!」

諒「体を見る限り鍛えている風でもないし、逆に貧弱なくらいだ。あんた、本当に強いのか?」

浩平「止めてくれ! 僕はもう誰も傷つけたくないんだ!」

諒「心配いらないっすよ。傷つくのはあんただけだ」

  諒が浩平に歩み寄る。

浩平「ひいっ!」

諒「ちっ、面倒くせえな」

  諒が懐から一升瓶を取り出し、それで浩平の頭を殴る。

  瓶が割れ、浩平がお酒まみれになる。

浩平「うう……。これって、お酒?」

諒「さ、酔拳ってやつを見せて……っておい!」

  浩平が顔を真っ赤にして倒れる。

  そして、いびきをかいて寝始める。

諒「おいおい。酒、弱ぇんじゃねえか。こんなんで酔拳、使えるのか……?」

  依然、いびきをかきながら眠り続ける浩平。

  だが、そのいびきがドンドン大きくなる。

諒「……」

  まだまだ大きくなる。

諒「ま、まさか!」

  大音量のいびきが、廃屋の中に響き渡る。

諒「ヤバぇ!」

  慌てて耳を塞ごうとするが、大音量のいびきが諒の耳奥に突き刺さる。

諒「!」

  白目を剥いて倒れる諒。

諒(N)「これが、俺にとっての初めての敗北となったのだった……」

終わり

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