【声劇台本】日常に潜む怪人
- 2020.12.28
- ボイスドラマ(10分)
■関連シナリオ
〈モンスターペアレンツ〉
■概要
人数:5人
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
健斗
圭太
相沢 樹
母親
その他
■台本
戦隊もののヒーロー番組の音楽。
ガオレイン「姿を見せろ、怪人! お前が人間に化けているのはわかっているんだ!」
怪人「ギイイイイ!」
ガオレイン「やっぱりな。どんなに上手く化けても、このガオレインの目はごまかせない!」
テレビを見ている健斗。
健斗「うおお! ガオレイン格好いい!」
母親「健斗、早く出ないと遅刻するわよ」
健斗「はーい!」
場面転換。
学校の授業。
樹「よし、次、圭太」
圭太「はい!」
樹「いくぞ、よーい、ドン!」
圭太が走る。
樹「おお! 早いぞ、最後まで気を抜くな」
圭太が走り抜ける。
樹「すごい! 18秒5だ。健斗より早いぞ」
健斗「うわ……抜かれちゃった……」
圭太「へへへ……」
男子生徒1「おおー、すげー!」
男子生徒2「人間じゃねー」
健斗「……人間じゃない?」
回想
ガオレイン「姿を見せろ、怪人! お前が人間に化けているのはわかっているんだ!」
回想終わり。
健斗「ま、まさか……」
昼休みの教室。
男子生徒1「圭太さー、前の学校でクラブとかやってたのか?」
圭太「うん、クリケットっていうのをやってたんだ」
男子生徒1「くりけっと? なにそれ?」
圭太「えへへ。やっぱり、知らないか。珍しいスポーツだからね」
健斗「珍しい……」
学校のチャイム。
みんなが下校している。
男子生徒1「センセ―さよならー」
樹「気を付けて帰れよ」
男子生徒2「相沢先生、さようなら」
樹「おう、また明日な」
健斗「樹先生。あいつは?」
樹「あいつ?」
健斗「転校生」
樹「……ああ、圭太か。もう帰ったぞ」
健斗「え? しまった」
樹「おい、健斗。圭太はもうクラスメイトなんだ。あんまり転校生とか言うんじゃない」
健斗「はーい」
樹「ん? お前、帰るのか? クラブはどうした?」
健斗「今日はお腹痛いから休む!」
樹「そんな元気いっぱいに言われてもな。まあ、お前しかいないからいいけど」
健斗「じゃあ、樹先生、さよなら」
樹「ああ、気を付けて帰れよ」
走っていく健斗。
場面転換。
健斗が走ってくる。
健斗「おーい!」
圭太「ん? ああ、えーっと、健斗くん」
健斗が立ち止まって、圭太の横に並ぶ。
健斗「ねえ、一緒に帰っていい?」
圭太「うん、いいよ」
並んで歩く、健斗と圭太。
健斗「圭太くんさー、卵かけごはん好き?」
圭太「うん、好きだよ」
健斗「何かけて食べる?」
圭太「塩だよ」
健斗「塩? うっそー……変わってるね」
圭太「そうかな? お父さんやお母さんも塩だよ」
健斗「そ、そうなんだ……。じゃあ、家族みんなってことか……」
圭太「ん? なんの話?」
健斗「ううん。なんでもない。それよりさ、圭太くん、ゲーム、持ってる?」
圭太「持ってるよ」
健斗「どんなゲーム好き?」
圭太「今は、囲碁にはまってるんだ」
健斗「いご?」
圭太「あ、やっぱり珍しいかな。よく、変わってるねって言われるよ」
健斗「やっぱり……」
圭太「ねえ、健斗くんってさ、ガオレイン好き?」
健斗「え? う、うん。大好きだよ」
圭太「ホント? 僕も大好きなんだ。うちにフィギュアがあるんだけど、見に来る?」
健斗「フィギア?」
圭太「ああ、人形だよ」
健斗「見に行きたい!」
場面転換。
健斗「おじゃましまーす」
圭太「健斗くん、こっち、こっち! ほら、これ、僕のガオレインのコレクション」
健斗「どれどれ……え?」
圭太「すっごいでしょ! 集めるの、苦労したんだ」
健斗「えっと……これって……怪人だよね?」
圭太「そうだよ! 僕、怪人が好きでさ! 一話から20話までに出て来た怪人のフィギュアはそろってるんだけどさ、それ以降のはまだ持ってないんだ……」
健斗「あ、あのさ……。ガオレインの方の人形はないの?」
圭太「うん。ガオレインのはないよ」
健斗「……やっぱり」
場面転換。
ガラガラとドアを閉める樹。
樹「なんだ、健斗。秘密の話って」
健斗「樹先生。これ、絶対に内緒にしてほしんだけど……」
樹「あ、ああ……。わかった。親のこと以外なら何でも相談してくれ」
健斗「……圭太のことなんだけど」
樹「……うん」
健斗「怪人なんだ」
樹「は?」
健斗「あいつ、人間に化けた、怪人なんだよ」
樹「いや……健斗。そういうことは、イジメになるから、言わないでほしいな……」
健斗「真面目に聞いて!」
樹「……なんで、そう思うんだ?」
健斗「あいつ、変わってるんだ。まず、人間じゃないくらい足が速い!」
樹「……お前、自分の記録を抜かれたのを根に持ってるだけじゃないのか?」
健斗「違うよ! 他にも、なんか、クリケットっていう変わったことしてるし、卵かけごはんは塩をかけるんだよ? ゲームだって、いごっていうのをやってるし、それにね! ガオレインが好きっていいながら、怪人が好きなんだよ!」
樹「……」
健斗「どう? あいつ、怪人でしょ?」
樹「なあ、健斗。今から先生の質問に答えてくれるか?」
健斗「え? う、うん。いいよ」
樹「お前、クラブは何部だ?」
健斗「カバディ」
樹「卵かけごはんには何をかける?」
健斗「みそ」
樹「どんなゲームが好きだ?」
健斗「超能力覚醒ゲーム」
樹「ガオレインで一番好きなのは?」
健斗「ガオレインパープル」
樹「……お前も十分、変わってるぞ」
健斗「……え?」
終わり。
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