【声劇台本】かりそめのイケメン

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■概要
人数:5人以上
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、ラブコメ

■キャスト
エリヤ
ミリア
キース
その他

■台本

エリヤ(N)「世の中、結局、男は顔で決まってしまう。たとえ、同じことをしたとしても、イケメンなら許されることでも、普通の男がやると猛烈に攻められる。……ホント、世の中は理不尽だ……」

教師「よし、キース。お前の番だ」

キース「はい」

女子1「きゃー! キース君頑張って!」

黄色い歓声が沸き上がる。

キース「いきます。はああー! ファイヤーピラー!」

ゴウっと炎の柱が上がる。

女子2「さすがキース君! すごい!」

黄色い歓声が沸き上がる。

エリヤ(N)「いや、そんな騒ぐレベルの魔法じゃないだろ……」

教師「うん。まあまあだな。次はエリヤ、いけるか?」

エリヤ「はーい!」

立ち上がって構える。

エリヤ(N)「よーし、いっちょ、ビビらせてやるか」

エリヤ「はあああああ! メテオバースト!」

教師「なっ! バカ、そんな上位魔法なんか使ったら、危険だ……」

ゴオオオっと巨大な炎が出現する。

エリヤ「うおおおお!」

炎の弾が轟音を上げる。

教師「み、みんな、逃げろ!」

キャーという悲鳴が響く。

エリヤ「はああああ!」

しかし、ポンと軽い音を立てて消える。

エリヤ「……なんちゃって」

教師「エリヤ……。お前、後で教員室に来い」

女子1「サイテー!」

女子2「ホント、見栄っ張りの魔法ばっかり! 少しはキース君を見習いなさいよね」

エリヤ「……」

場面転換。

ガラガラとドアが開き、エリヤが出てくる。

エリヤ「はあ……」

ミリア「こってり絞られたようね」

エリヤ「ああ、ミリアか。なんだよ、笑いに来たのか?」

歩き出すエリヤとミリア。

ミリア「……あんたねえ、なんでいっつも悪戯ばっかりするのよ。ちゃんとやればできるのに」

エリヤ「うるせーな」

ミリア「どうせ、キース君に張り合おうとしたんでしょ?」

エリヤ「別に」

ミリア「キース君はキース君。あんたはあんたなんだから。気にしても意味ないわよ」

エリヤ「……」

前からワイワイと賑やかな声。

女子1「ねえねえ、キース君。明日の休みなんだけど、どこかに遊びに行かない?」

女子2「あ、あんた、ズルいわよ! 私も行くわ」

女子1「あんたは黙ってなさいよ!」

キース「ははは。うん。みんなで行こう」

女子2「やったー!」

エリヤ「……」

ミリア「相変わらず人気ね」

エリヤ「ふん」

キース「ん? あ、ミリアさん。君もどう? 明日、一緒に出掛けないかい?」

エリヤ「……」

ミリア「え? あ、うん。行きたいけど……明日は用事があって」

キース「そうか。残念だな。じゃあ、また今度ね」

ミリア「うん。ありがとう。また誘って」

ずかずかと歩くエリヤに並んで歩くミリア。

ミリア「あー、ドキドキした。やっぱり、キース君は格好いいよね」

エリヤ「……けっ!」

場面転換。

ペラペラと本をめくるエリヤ。

エリヤ「やった……。ついに完成したぞ。顔面、再構築魔法……。これがあれば、俺はイケメンになれる!」

場面転換。

町を歩くエリヤ。

ひそひそと声が聞こえてくる。

女子3「ねえ、あの人、格好良くない?」

女子4「ホントだ? あんなイケメン、この町にいたっけ?」

スタスタと歩くエリヤ。

エリヤ(N)「ふっふっふ。これだよ、これ。やっぱ、男は顔だよな。歩くだけで女子に注目されるなんて初めてだ」

ピタリと立ち止まるエリヤ。

エリヤ「……あ、あいつ。あんなところで何してるんだ? ……よし」

エリヤが歩き出す。

エリヤ「何か、困ったことでもあるのかい?」

ミリア「え? ……あ、い、いえ……別に」

エリヤ(N)「ミリアのやつ、顔を赤らめてるな。ふふふ。俺のイケメンに一目惚れか?」

エリヤ「実は俺、今日、引っ越してきたばかりなんだ。暇だったら、町を案内してほしんだけど」

ミリア「……え、えーと」

エリヤ「ああ、そういえば、予定があるって言ってたな。悪い、それならいいや」

ミリア「……いえ。今日は暇なので、してもいいですよ、案内」

エリヤ「そうなんだ? じゃあ、お願いしようかな」

ミリア「それじゃ、行きましょう」

場面転換。

エリヤとミリアが並んで歩く。

エリヤ「……なあ、ミリア……さん。一つ聞きたいんだけど、いいかな?」

ミリア「なに?」

エリヤ「やっぱりさ、男って顔だと思うか?」

ミリア「んー。そうね。そりゃ、まあ、格好いい方がいいんじゃない?」

エリヤ「……だよな」

ミリア「でも……あんたが思ってるより、女の子は顔だけじゃないって。内面だって大事だよ」

エリヤ「そうかぁ? そんなの建前だろ」

ミリア「んー。そうね。まあ、女の子は見栄っ張りのところもあるから、格好いい男の子と付き合ったりすることに満足感を覚える子も多いんじゃないかな」

エリヤ「……他人事のように言ってるけど、お前だって同じだろ?」

ミリア「んー。そうかも、ね。あんまり放っておかれると、格好いい男の子にコロッと行っちゃうかも」

エリヤ「……」

エリヤ(N)「くそ! 結局、なんだかんだ言って、こいつも顔なんじゃねーかよ! どうせ俺なんか……って、あ、そうだ! 今の俺、イケメンなんじゃん! よし!」

エリヤ「う、ううんっ! なあ、ミリア」

ミリア「なに? 改まって」

エリヤ「俺と付き合わないか?」

ミリア「え?」

エリヤ「こんなイケメンと付き合えば、お前もみんなに自慢できるだろ?」

ミリア「……断るわ」

エリヤ「え? なんでだよ?」

ミリア「……さっき会ったばかりの人と付き合うんて無理よ」

エリヤ「あ、……そっか。そうだよな。会ったばっかりだもんな……」

場面転換。

学校の教室。黄色い声が飛び交っている。

女子1「昨日は楽しかったね、キース君」

女子2「キース君、またあのお店行こうね」

キース「ああ、楽しみにしてるよ」

エリヤ「……けっ!」

バンと背中を叩かれるエリヤ。

エリヤ「いたっ!」

ミリア「なーに、しょぼくれた顔してるのよ。また、キース君に嫉妬?」

エリヤ「ちげーよ」

ミリア「だからって、変な魔法作るのはどうかと思うわよ」

エリヤ「だから、ちげーって……」

エリヤ(N)「あれ? 昨日こと、俺だってバレてたってことか?」

ミリア「それに、ああいうことを言うのは、ちゃんと元の顔でいいなさいよ!」

スタスタと歩き去っていくミリア。

エリヤ「お、おい! ……なんのことだ?」

エリヤ(N)「まったく相変わらず、何を考えてるかわからないやつだ……」

終わり。

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