【声劇台本】俺の論理

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
浩太(こうた)
美玖(みく)

■台本

浩太「いいかい? 常識っていうのは、時代や国によって変わっていくものなんだ。今では当たり前にやっていることでも、昔は禁止されていた、なんてことも珍しくないんだよ」

浩太「例えば、お酒。今じゃ、18歳以下の人が飲んだらダメという法律があるよね。でも、この法律は1922年の大正11年に、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律というものが制定されて、初めて禁止になったんだ」

浩太「つまり、大正11年の前までは、未成年がお酒を飲んでも問題がなかったってこと」

浩太「だけど、反対にお酒自体を飲むことが禁止となった国があるんだ」

浩太「1920年、アメリカでのこと。アメリカ合衆国憲法修正第18条によって、アルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されたんだ」

浩太「アル・カポネって聞いたことないかな? かなり有名なアメリカのギャングだよ。そのアル・カポネは禁酒法を逆手に取ってお酒を製造してお金を儲けたんだ」

浩太「アンタッチャブルって映画、知らない? そのアル・カポネと捜査官との戦いを描いた作品。面白いから、お勧めだよ」

浩太「おっと、ごめんごめん。話が逸れてしまったね。えっと、つまり、今じゃ、18歳になったらお酒が飲めるっていうのが常識だけど、時代や国で解釈が違うってこと」

浩太「……ん? わからないって顔してるね。オーケー、オーケー。じゃあ、違うアプローチでいくね」

浩太「アフリカには、上半身裸で過ごしている部族がいるんだ。男性はもちろん、女性もね」

浩太「でも、その部族の女性は上半身が裸ということを恥ずかしがらない。なぜなら、それが当然で、常識だからさ。逆に服を着ていた方が、違和感があるんじゃないかな」

浩太「逆に、江戸時代の日本じゃ、しっかりと着物を着こんで肌の露出は少なかった。今みたいな、二の腕や胸元、太ももなんか露出していたら大騒ぎになっていただろうね」

浩太「そうそう。江戸時代と言えば、その頃のお風呂は混浴だったって知っているかい? 漫画とかでも出てきたりして、結構、有名になったトリビアだよね」

浩太「その頃の混浴のお風呂は入込湯(いりこみゆ)と呼ばれていたみたいだね。男性も女性も入り込んで入ってたってこと。で、この入込湯(いりこみゆ)は、すごく人気で、吉原の遊廓がさびれるほどだったみたいだからね。幕府も、男女を分けるようにと御触れを出したらしいけど、なかなかなくならなかったみたい。それくらい人気だったってことだね」

浩太「この後、日本にやってきた、ペリーも、これを見てビックリしたみたいだ。男女が裸で一緒の場所にいるってね」

浩太「で、混浴じゃなくなったのは、明治に入ってからみたいだよ」

浩太「つまり、何が言いたいかと言うと、常識なんてものは、時代によって変わる、実に曖昧なものなんだ」

浩太「常識なんて、言ってしまえば勝手に作られたルールなのさ。当たり前ではあるけど、絶対ではない。法律だってそうだよ。政府が勝手に作って、それをみんなに強要しているだけさ」

浩太「どうだい? 考えてみてくれよ。そんな押し付けられたものを、後生大事に守っているのって、滑稽だと思わないかい?」

浩太「俺たちがやるべきこと。それは常識という、押し付けられたルールなんかに流されず、自由な発想を持って考えることだと思うだ」

浩太「それこそが本当の自由ってものだろ?」

浩太「いいかい? 例え、裸を見られたとしても、決して、恥ずかしいことなんかじゃない。だって、江戸時代は混浴だったんだよ? それにアフリカの部族のことも思い出して欲しい」

浩太「見られることを当然と考えれば、俺がやったことなんて、些細なことだ。風呂を覗くなんて行為は、実は気にすることなんて、全くないってこと。わかったかい?」

美玖「うん。今から、あんたをぶん殴るけど、文句ある?」

浩太「……ないです」

美玖「ふん!」

浩太をぶん殴る美玖。

浩太「ぶべっ!」

終わり。

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