【声劇台本】夜間学校

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■概要
人数:6人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代ファンタジー、シリアス

■キャスト
イリア
レイラ
ヴィンセント
ミラ
ギン
ボブ

■台本

イリア(N)「この国では、他の人と違うととても生きづらい。マイノリティは排除されやすいという雰囲気がある。だから俺は、小さい頃から、結構、仲間外れにされてきた。ハーフで、金髪で、オッドアイ。目を付けられるには十分だ。だから、不良になるのは自然な流れだった。元々、腕っぷしは強かったから、喧嘩でも負けなしで、中学を卒業する頃には、町に住む不良たちは俺を避けるようになった。俺としては別にこれでよかったが、母さんがとても気にしていた。俺がこうなったのは、自分のせいだ、と。だから俺は、高校に行ったら、真面目になろうと決めた。幸い、今日から行くことになった夜間高校は、何があっても差別はしないこと、という厳しい校則がある。どうやらわけありの人間が集まる学校らしい。それは俺にとって、うってつけの学校だった。……と、そのときは、そう思っていたのだ」

学校のチャイムが鳴り響く。

レイラ「みなさん、こんばんは。私はこのクラスの担任を受け持つ、レイラです。よろしくお願いします。さて、この学校を受験する際に説明されたと思いますが、この学校では差別は一切、認められません。もし、そんな行為があった場合は、退学を覚悟してください」

少しの沈黙。

レイラ「でも、まあ、ここにいるみんなは、差別される辛さは誰よりも、身をもってしっているはずですね。そんなあなた達が差別なんかするとは、私は思っていません。でも、みなさんは、それぞれ本能や生活習慣などが違っていると思います。ですので、それを拒絶するのではなく、受け入れていってほしいです」

イリア(N)「……なんて、大げさなことを言うから、変わった奴が多いのかと思ったんだが。みんな、物凄く普通だ。おそらく、この教室の中で、俺が一番、異質な存在なんじゃないだろうか。……ちょっとは期待したんだけどな。変わった奴がいるって。でも、まあ、俺以外が普通だったとしても、俺は真面目に通うまでだ」

レイラ「……どうしようかな。まだ2人ほど来てないけど、先に、みんなには自己紹介でもしてもらおうかしら。……えっと、君から。名前と種族と、得意なこととか言っていってくれる?」

イリア「……はい」

イリアが立ち上がる。

イリア「名前はイリアです。見ての通り、ハーフです。得意なことは……喧嘩、かな」

レイラ「ありがとう、イリアくん。でも、ここじゃ、喧嘩はダメよ?」

イリア「はい。わかってます」

レイラ「それじゃ、次は君」

ヴィンセント「はい。名前はヴィンセントと言います。種族は……」

そのとき、廊下から悲鳴が響く。

ミラ「きゃあああああ!」

レイラ「え? なに? なに?」

イリア「なんだ?」

ヴィンセント「……」

レイラ「どうしたの?」

レイラがドアを開けて、廊下を見る。

ミラ「し、死んでる……」

イリア「……え?」

教室内がいっきに騒がしくなり、みんなが立ち上がり、廊下に出る。

場面転換。

廊下で、みんながざわざわしている。

ヴィンセント「……確かに、脈はないし、体温も感じられない」

イリア「お、お前……よく触れるな」

ヴィンセント「ん? なにか、おかしいか?」

イリア(N)「死体に平気で触るなんて……。しかも慣れた手つきだ。もしかして、殺人犯とか言うんじゃないだろうな」

レイラ「い、一体誰が、こんなことを……?」

ギン「そんなのは決まってるんじゃねーの? だって、俺らは教室内にいたんだからさ。犯行を行えるのは一人しかいないだろ」

ミラ「ちょっ! ちょっと! 私がやったって言いたいの!?」

ギン「お前しかいないだろ」

ミラ「違うわよ! 私じゃない!」

ギン「どうだか」

ミラ「死体の首を見てみてよ! 傷なんてないでしょ?」

ヴィンセント「確かに、首には外傷はないな」

ミラ「ほら見なさい!」

ギン「ちっ!」

ミラ「実は、あんたが犯人だったりして。今日は満月だし?」

ギン「はあ!? ふざけたこと、言ってんじゃねえよ! 俺がやったって、証拠を出せよ、証拠を!?」

ミラ「必死なのが、余計に怪しいわね」

ギン「てめえ……」

レイラ「はい。ストップ! 喧嘩しない!」

イリア「な、なあ。そいつ、死んでるんだよな?」

ヴィンセント「ああ。間違いない」

イリア「なら、早く、警察呼ぼうぜ」

ヴィンセント「警察……? なぜだ?」

イリア「いや、なんでって……」

イリア(N)「このヴィンセントって奴はかなり危ない奴だって確定したな。いくらなんでも、場慣れし過ぎだ」

レイラ「と、とにかく、もう少し、私達で状況を把握しましょう。軽率に人に迷惑はかけられないわ」

イリア「いや、それはまずいんじゃ……」

イリア(N)「担任もヤバそうだ。この期に及んで、警察を呼ばないとか……。絶対にダメだろ」

レイラ「まずは、みんなのアリバイを教えて。それで、少しは犯人を絞れるかもしれないわ」

ボブ「う、ううーん……」

ミラ「きゃああ! 死体が動いた!」

ボブ「へ?」

ヴィンセント「馬鹿な……。完全に死んでいたはずだ」

ボブ「あ、ああ。すまんすまん。ワイ、ゾンビなんだ」

イリア「……は?」

すると、廊下にいるイリア以外がドッと笑う。

ミラ「やられたわ。まさか、ゾンビだなんて」

イリア「……」

レイラ「はい、じゃあ、みんな。教室に戻って。さっきに続きやるわよ」

場面転換。

ミラ「ミラよ。種族はヴァンパイア。好きな物は血……じゃなかった。トマトジュースでーす!」

ギン「ギンだ。種族はワーウルフ。得意なことは、変身してれば、100メートルを3秒で走れる」

ボブ「ワイはボブだ。さっきも言った通り、種族はゾンビ。得意なことは……」

イリア(N)「ど、どうやら、このクラスは人間じゃない奴ばかりのようだ。……前言撤回。このクラスじゃ、俺が一番、地味だった。……それにしても、俺は無事に高校生活を送れるんだろうか……」

終わり。

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