未来が見える瞳

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■概要
人数：2人
時間：5分程度

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
拓篤（たくま）
優成（ゆうせい）

■台本

放課後の教室内。

拓篤「聞いてくれ。俺、未来を見通す目を手に入れたんだ」
優成「……」
拓篤「リアクションしろよ！」
優成「あー、いや、どんなリアクションすればいいのかわからんくてな」
拓篤「笑えばいいと思うよ」
優成「それ言いたいだけだろ。てか、笑うってリアクションでいいのか？」
拓篤「いや、普通にスゲーでいいんじゃねーの？」
優成「んー。本当なら驚いていいと思うんだけどな」
拓篤「だから、本当だって！」
優成「はいはい。わかったわかった。スゲー須スゲー」
拓篤「……お前。めんどくせえって思っただろ」
優成「お！　よくわかったな」
拓篤「ふふふ。どうだ？　俺の言ったこと、ホントだっただろ？」
優成「いやいや。今のはなんの証明にもなってねーだろ。未来が見えるって話だろ？」
拓篤「よし、わかった！　未来を見てやる！　はあああああ！」
優成「お、おい！　何を勝手に……」
拓篤「見えた！」
優成「え？　マジ？　どんな感じ？」
拓篤「ドブにハマるぞ」
優成「うわー！　地味。そんな内容かよ。しかも今時、ドブなんて、見つける方が難しいだろ」
拓篤「そして、明日は寝坊して遅刻する」
優成「いやいや。寝坊して遅刻って、お前じゃないんだから」
拓篤「そして、今日やったテストが０点で戻ってくる！」
優成「……あり得んな。０点なんて、某、猫型ロボットが出てくるアニメの眼鏡の男の子じゃねーんだから」
拓篤「ふっふっふ。まあ、どうなるか楽しみにしておけ」
優成「はいはい。それより、早く帰ろうぜ。もう暗くなってきた」
拓篤「そうだな」

場面転換。
拓篤と優成が歩いている。

拓篤「そういえば、お前、数学の宿題やった？」
優成「ああ。やってあるぞ。明日提出だもんな」
拓篤「マジ？　見せてくれよ」
優成「１０００円」
拓篤「ケチ！」
優成「……おっと、あぶね」

優成がぴょんと飛ぶ。

拓篤「どうした？」
優成「いや、ドブ。危なくハマるとこだった」
拓篤「おいおい！　ちゃんとハマれよ！」
優成「なんでだよ！」
拓篤「俺の予言が外れるだろ」
優成「おい、押すなって！」
拓篤「ハマれ！」
優成「うわっ！」

ばしゃっとドブにハマる音。

優成「……」
拓篤「……」
優成「ハマったな。お前が」
拓篤「うるせえ」

場面転換。
教室内。チャイムが鳴る。
ガラガラとドアが開く。

拓篤「うおおお！　あぶねえ！　セーフ！　遅刻するとこだった」
優成「……いや、アウトだよ」

場面転換。
教室内。

優成「おい、さっきテスト戻ってきたけど、俺、９５点だったぞ」
拓篤「ふっふっふ」
優成「な、なんだよ？」
拓篤「これを見ろ！」

バンと拓篤が答案用紙を出す。

拓篤「名前を書き忘れて０点だ！」
優成「……」
拓篤「どうだ？　俺が見た未来、合ってただろ？」
優成「いや、お前の未来かよ！」

終わり。

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