【声劇台本】嘘のサイン

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■概要
主要人数：2人
時間：10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
知也（ともや）
結衣（ゆい）

■台本

知也（Ｎ）「それは突然で、何気ない一言から始まった」

結衣「ねえ、知也。昨日、テレビでやってたんだけど、人って、嘘を付くとき、サインが出るんだって。刑事はそれを見て、嘘を見抜くんだってさ」

知也「へ、へー。……結衣ちゃん、大人っぽい番組見るんだね」

結衣「知也にも、出るのかな？」

知也「ど、どうだろう？」

結衣「やってみよっか」

知也「え？」

結衣「なにか、嘘ついてみてよ」

知也「急に言われても……」

結衣「じゃあ、私の質問に答えて」

知也「う、うん」

結衣「レーズン好き？」

知也「好き……」

結衣「将来の夢は？」

知也「ゆ、ユーチューバー」

結衣「好きな子、いる？」

知也「いないよ」

結衣「うーん……。わかんないなぁ」

知也「ほっ……。そりゃ、そうだよね。簡単にわかったら、苦労しないもん」

結衣「そうよねー。残念。じゃあ、私は？　私のサイン、知也ならわかるかな？」

知也「どうだろう？」

結衣「なんか質問してみて」

知也「えっと、りんごといちご、どっちが好き？」

結衣「りんご」

知也「猫と犬だと、猫の方が好き？」

結衣「うん」

知也（Ｎ）「あれ？　結衣ちゃん、嘘付くとき、鼻がぴくぴく動く？」

知也「じゃ、じゃあ、結衣ちゃんは少年漫画と少女漫画、どっちが好き？」

結衣「少年漫画」

知也（Ｎ）「やっぱりだ！　今の質問は鼻が動かなかった！　……結衣ちゃんの嘘のサインは鼻がぴくぴく動くんだ」

結衣「どう？　わかった？　私のサイン」

知也「う、ううん。わかんなかった」

結衣「そっかー。やっぱり、そう簡単にはいかないよね」

知也「うん。そうだよ」

結衣「あーあ、つまんないの」

知也「ね、ねえ、結衣ちゃん……」

結衣「なーに？」

知也「結衣ちゃんって、好きな人、いる？」

結衣「なーに？　急に？」

知也「ほら、さっき、僕にその質問したでしょ？　結衣ちゃんはどうなのかなって」

結衣「んー。いるよ」

知也「……」

知也（Ｎ）「鼻は動かなかった。それじゃ、ホントってことだよね？」

知也「だ、誰なの？」

結衣「知也だよ！」

知也「え？」

知也（Ｎ）「え？　え？　え？　今、鼻、動かなかった！　じゃ、じゃあ……」

結衣「なーんて！　う、そ！　残念でしたー！　がっかりした？」

知也「う、うん……」

知也（Ｎ）「い、今、鼻が動いた！　えっと、嘘って言うのが、嘘だから……。じゃあ、結衣ちゃんは、僕のこと……。よ、よし！　今度、結衣ちゃんに、告白しよう！　僕も好きだって！」

場面転換。

結衣（Ｎ）「きっかけは、テレビ番組。刑事が嘘を見抜くときに、サインを見つけるっていうのだった。それを見て、私は、ピーンときたの」

結衣「ねえ、知也。昨日、テレビでやってたんだけど、人って、嘘を付くとき、サインが出るんだって。刑事はそれを見て、嘘を見抜くんだってさ」

知也「へ、へー。……結衣ちゃん、大人っぽい番組見るんだね」

結衣「知也にも、出るのかな？」

知也「ど、どうだろう？」

結衣「やってみよっか」

知也「え？」

結衣「なにか、嘘ついてみてよ」

知也「急に言われても……」

結衣「じゃあ、私の質問に答えて」

知也「う、うん」

結衣「レーズン好き？」

知也「好き……」

結衣「将来の夢は？」

知也「ゆ、ユーチューバー」

結衣「好きな子、いる？」

知也「いないよ」

結衣（Ｎ）「うぷぷぷ。わかりやすい。知也、嘘付くとき、左上を見るのね」

結衣「うーん……。わかんないなぁ」

知也「ほっ……。そりゃ、そうだよね。簡単にわかったら、苦労しないもん」

結衣「そうよねー。残念。じゃあ、私は？　私のサイン、知也ならわかるかな？」

知也「どうだろう？」

結衣「なんか質問してみて」

知也「えっと、りんごといちご、どっちが好き？」

結衣（Ｎ）「えーっと、知也にもわかるようなサインの方がいいわよね。鼻を動かせば、気付くかしら？」

結衣「りんご」

知也「猫と犬だと、猫の方が好き？」

結衣「うん」

結衣（Ｎ）「見てる、見てる。私の鼻。ちゃんと気付いたみたいね」

知也「じゃ、じゃあ、結衣ちゃんは少年漫画と少女漫画、どっちが好き？」

結衣「少年漫画」

結衣「どう？　わかった？　私のサイン」

知也「う、ううん。わかんなかった」

結衣（Ｎ）「やっぱり、ちゃんと気付いたようね。今、左上を見たわ」

結衣「そっかー。やっぱり、そう簡単にはいかないよね」

知也「うん。そうだよ」

結衣「あーあ、つまんないの」

知也「ね、ねえ、結衣ちゃん……」

結衣「なーに？」

知也「結衣ちゃんって、好きな人、いる？」

結衣（Ｎ）「来た！　やっぱりね。そう来ると思ったわ。だから、気付かなかったフリをしたのよね？」

結衣「なーに？　急に？」

知也「ほら、さっき、僕にその質問したでしょ？　結衣ちゃんはどうなのかなって」

結衣「んー。いるよ」

知也「……」

知也「だ、誰なの？」

結衣「知也だよ！」

知也「え？」

結衣「なーんて！　う、そ！　残念でしたー！　がっかりした？」

知也「う、うん……」

結衣（Ｎ）「ふふふ。左上を見たわね。ってことは、ガッカリしてないってこと。……知也、今度、告白してくれるかな？」

終わり。

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