【声劇台本】怪盗シャムルと探偵マーカス

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■概要
主要人数:5人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
シャムル
マーカス
警部
その他

■台本

シャルム「ふふふ。諸君、予告通り、この宝石はこの、怪盗シャルムいただいていく」

警部「く、くそ! 待て!」

シャルム「ふはははははははは」

警部「おのれ、怪盗シャムル! 次は必ず捕まえてやるからな!」

場面転換。

シャムル(N)「私の名前はシャムル。これでも世界的に有名な怪盗だ。今までも、100回以上の盗みに成功している。ここで勘違いして欲しくないのは、私の盗みは芸術ということだ。誰一人傷つけることなく、鮮やかにターゲットをゲットする。これこそが、私の美学だ。どんなに強固な警備でも鮮やかに盗みを成功させる。そう、今まで私はたった一度でも盗みを失敗したことがないのだ」

場面転換。

警部「いいか! この予告状に書かれている暁の雫を、あの怪盗からなんとしてでも、守ってみせる! ……いや、今度こそ、必ず捕まえるぞ! 全員、気合を入れろよ!」

警察官たち「はい!」

警部「予告では明日の11時にやってくる。当日の警備の方針や、シミュレーションを完璧に決めておくぞ!」

警察官たち「はい!」

シャムル(N)「ふふふ。警部。犯行は明日の11時と書いたが、その前に下見に来ないとは書いてない。こうやって、事前に忍び込んでおくことで、明日の警備を完璧に知ることができる。……これで明日は裏を付けるはずだ」

その時、マーカスが走って来る。

マーカス「す、すいません! 遅れました!」

警部「……なんだ、貴様! ここは立ち入り禁止だぞ!」

マーカス「あ、いえ……その……」

警部「おい! 誰か、この若造をつまみ出せ」

警察官「あ、あの警部……それが……」

警部「なんだ?」

警察官「今回から探偵を付けるとの通達が」

警部「はあ? 探偵などいらん! 我々だけで十分だ!」

警察官「……それが、あの探偵、上層部の息子らしくて」

警部「ふん! コネか。気に入らんな。……で? 実力の方はどうなんだ? どのくらい、事件を解決してるんだ?」

警察官「それが……解決数はゼロです」

警部「ゼロ?」

警察官「はい。これまで50件以上の事件に呼ばれたらしいですが、解決できた事件はないみたいです」

警部「……親の名前だけで食っていってるって感じか……まあ、愚痴っても始まらんか。……おい、お前!」

マーカス「あー、自分、マーカスと言います」

警部「どうでもいいが、邪魔だけはするなよ。隅っこで大人しくしていろ」

マーカス「いやー。さすがにそれはまずいですよ。探偵として呼ばれましたので」

警部「くう……。貴様! 捜査の現場にいたいなら、そのチャラチャラした格好を何とかしろ!」

マーカス「いやー、急にそう言われましても……。そうだ、君、帽子だけでも貸してくれませんかね?」

マーカスが帽子を取る。

シャルム「あっ!」

警部「ん?」

マーカス「え?」

警部「な、な、な! 貴様! シャルム! なんでこんなところにいるんだ!」

シャムル「くそ!」

マーカス「え? え? え? どうしたんですか?」

警部「捕まえろ!」

シャムル「おっと、捕まるわけにはいかないね」

シャムルが走り出す。

警部「追え! 追えー!」

場面転換。

シャムル(N)「……まさか、あんな間抜けなことで正体がバレるとはな。あの探偵、悪運だけは強いらしい」

場面転換。

警察官「ふわあ……。あー、暇だな」

シャムル(N)「ふふふ。予告状に書いた11時という文字。怪盗は夜に現れるという固定概念にとらわれ過ぎだ。昼なら、油断しているから簡単に盗める」

プシュとガスをかがせて警察官を眠らせるシャムル。

警察官「う……」

ドサリと倒れる警察官。

シャムル「ふふ。せめていい夢を見てくれよ」

そこにマーカスが走って来る。

マーカス「遅くなってしまって、すいませんでした!」

シャムル「え?」

マーカス「あああー! えっと、怪盗ですよね?」

シャムル「貴様、なぜ、この時間に来たんだ?」

マーカス「え? だって、予告状に11時って書いてあったので……」

シャムル「いや、普通、盗みをするなら夜だろ、夜!」

マーカス「……あっ! 11時って夜の11時のことだったんですか。なるほど。道理で警備の人数が少ないわけですね」

シャムル「……お前、よくそんなんで、探偵を名乗れるな」

マーカス「へへへ。お恥ずかしい限りで」

シャムル「ったく。とんだ無能だな」

マーカス「すいません……。って! 違いますよ! あなたを捕まえます!」

カチとボタンを押すと警報が鳴り響く。

シャムル「くそ! 次だ! 次こそ、盗みは成功させるからな」

シャムルが走り去っていく。

シャムル「くそ! なんなんだ、あの探偵は? 考えがズレすぎてて、読みづらいな」

場面転換。

警部「いいか! もうすぐ23時だ! 奴は必ず来る! 全員、この部屋に集まれ! 奴がきたら数で押す!」

警察官たち「はい!」

シャムル(N)「ふふふ。警部。防御を完璧にしようとすれば、返って隙ができるものだ。この部屋に警備が集まってるなら……」

カランカランとカンが落ち来る。

警部「ん? なんだ?」

シューと煙が出始める」

警部「煙? ま、まさか、催眠ガス……うう」

どさりと倒れる警部と警察官たち。

シャムル「ふふふ。それでは、さっそくいただこう……って、どういうことだ? なぜ、暁の雫がないんだ!?」

そこにマーカスがやってくる。

マーカス「いやー、スッキリした……って、ええ!? みんな寝てる!」

シャムル「また、お前か……」

マーカス「あ、怪盗!」

シャムル「……暁の雫をどこへやったんだ?」

マーカス「え? ああ、あの宝石のことですか? そこに置いておくより、僕が持ってた方が安全かなーって思って、預かってました」

シャムル「はあ? いやいやいや。最新の防犯システムの方がよっぽど安全だろ」

マーカス「ええ? そうですか?」

シャムル「そうですかって……。お前が気づかないうちにスラれたりしたらどうするんだよ?」

マーカス「大丈夫ですよ。片時も目を離さない……あれ? あれ? あれぇ?」

シャムル「どうしたんだ?」

マーカス「ポケットに穴が開いてて……どこかに落としたみたいです」

シャムル「はああああ? おまっ! それ、絶対ヤバいって!」

マーカス「ですよね……どうしましょう?」

シャムル「いや、どうしましょうって言われても……」

そこに警察官が走って来る。

警察官「け、警部! なぜか、トイレに暁の雫が落ちて……あっ! お前は怪盗シャムル! た、逮捕だ!」

シャムル「くそ! マーカスと言ったな?覚えてろよ!」

マーカス「え?」

走り出すシャムル。

警察官「何してるんですか! 追いますよ!」

マーカス「え? あ、はい!」

シャムル(N)「探偵マーカス。これから、奴とは随分と長い付き合になったのだった」

終わり。

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