【声劇台本】狭い個室での会議

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■概要
人数:5人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、シリアス

■キャスト
ルーシャス
ビリー
ルイ
ミリア
カイル

■台本

ルーシャス「では、30……30……何回目だったかな?」

ビリー「別に数なんてどうでもいいんじゃないか?」

ミリア「37回目よ」

ルーシャス「では37回目の選出会議を始める。まずは立候補を確認する。誰かやりたい者はいないか?」

ビリー「いるわけーだろ。大体、立候補する奴がいれば、こんな会議やる必要ねえ」

ルイ「確かにそうだね」

ルーシャス「では、推薦にするか。誰か相応しいと思う者はいないか?」

ビリー「ルーシャスでいいんじゃねーの?」

ルーシャス「冗談ではない! もうかれこれ、一ヶ月は出ずっぱりだぞ。そろそろ、休ませてくれてもいいだろ」

ミリア「それなら、ビリーにしたら? 今までで一番少ないんだし」

ビリー「冗談じゃねー。面倒だし、嫌だよ」

ルーシャス「うむ。ビリーは前科があるからな。またあんな事件を起こされたらたまらん」

ビリー「ルイでいいんじゃね? 無難に」

ルイ「え? 僕? ……僕はその……」

ミリア「ちょっと。また、ストレスで胃に穴を開けたらどうするつもりよ」

ビリー「けっ! 一週間何かで開くかよ」

ルーシャス「そうとも言えんぞ。それにまた、変な奴に絡まれでもしたら……」

ビリー「そんときゃ、俺が助けてやるって」

ミリア「そう言って、事件になったじゃない。少しは成長してよね」

ビリー「うっせーな。力の加減が難しいんだよ」

ミリア「だから、普段から慣れておけばいいじゃない」

ビリー「いや、だから、それがダリ―んだって」

ルーシャス「はあ……。仕方ない。また私が出るとするか」

ルイ「ダメだよ。少しはルーシャスさんも休まないと。……だから、僕が出るよ」

ミリア「それこそダメよ。ルイはすぐ不良とかに目を付けられるんだから。怪我することもあるけど、お金だって取られたら困るのよ」

ビリー「じゃあ、ミリアが出ろよ」

ミリア「いやよ。可愛い服が着れないもの。それじゃ出る意味なんてないわよ」

ビリー「別に着りゃいいじゃん」

ミリア「いいの? 変態だと思われるわよ?」

ビリー「けっ! 俺は別に構わねーよ」

ルーシャス「私は……困るな」

ルイ「ぼ、僕も……」

ビリー「んだよ! これじゃ、堂々巡りじゃねーか。結局、誰が出るか決まらねーぞ」

ルイ「……」

ミリア「……」

ルーシャス「……」

ビリー「しゃーない。新しい奴でも作るか?」

ミリア「そんな簡単にできるわけないじゃない」

ルーシャス「そうだな。これ以上増やすことはリスクが高すぎる」

ルイ「そ、それに、その人も出たがらなかったらどうするの?」

ビリー「じゃ、どうすんだよ?」

ルーシャス「仕方ない。ここは本人に出て貰うしかないだろう」

ビリー「あっ!」

ミリア「その手があったわね」

ルイ「ぼ、僕もそれがいいと思う」

ルーシャス「よし。では、全員一致ということで……。おい、カイル。聞いていたな? 今週はお前が出るんだ」

カイル「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 僕は絶対に出ないぞ! これじゃ、なんのためにお前らを作ったかわからないじゃないか!」

ルーシャス「いい加減、我がままを言うのは……」

カイル「ぜーーーったいに! 出ないからな!」

ビリー「はあ……」

ルーシャス「……全く。多重人格というものは面倒だな……」

ミリア「普通は、主人格を巡って争うみたいだけどね……」

終わり。

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