じゃんけん

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■概要
人数:5人以上
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、童話、コメディ

■キャスト
こうた
えんき
けんじ
教師
クラスメイト×2

■台本

教師「はい。みなさん、席について。今日は新しいお友達を紹介します」

こうた「こ、こうたって言います。よろしくお願いします」

教師「いいですか。みなさん。ここにはたくさんのお友達がいます。自分と比べて変わっている、劣っているところがあったとしても、それは個性です。意地悪せずに、みんな仲良くしてください」

教室の生徒たち「はーい」

えんき「……」

けんじ「……けっ!」

場面転換。

教師「はい。今日は体力測定を行います。いいですか。他の人と比べて落ち込んだり、得意げになったりしたらいけませんよ。あくまでも、比べるのは過去の自分とです。じゃあ、まずは50メートル走から」

場面転換。

歓声が上がる。

教師「うわ、すごい。けんじくん、新記録です。5.3秒!」

けんじ「へへっ! ざっとこんなもんよ」

教師「はい、じゃあ、次」

こうた「……」

けんじ「おい、どうしたよ、新入り? 早く走る準備しろよ」

こうた「あ、あの……」

えんき「せんせー」

教師「どうしました、えんきくん」

えんき「こうたの奴は50メートル走はいいんじゃね?」

教師「……あ、そうですね。じゃあ、こうたくんは列から外れてください」

こうた「はい」

こうたが列から抜ける。

こうた「あ、あの……」

えんき「ん?」

こうた「ありがと」

えんき「は? なんで礼を言うんだよ。俺は単にお前が遅そうだから言っただけだ」

こうた「そ、そうなんだ……」

場面転換。

歓声が上がる。

教師「うわー。こうたくん、凄い! さすがね。反復横跳びは今までで一番の記録かも」

こうた「えへへへ」

えんき「やるじゃねーか」

こうた「あ、ありがとう」

けんじ「けっ!」

場面転換。

教師「じゃあ、今日の授業はこれで終わります。では、掃除当番の方たちは後片付けをお願いします」

生徒たち「はーい」

こうた「よし、返ろうっと」

けんじ「よお、新入り」

こうた「け、けんじくん。なに?」

けんじ「ここじゃ、あるルールがあるのを知ってるか?」

こうた「ルール?」

けんじ「ここは何かと争ごとが多くなる。それはわかるな?」

こうた「う、うん」

けんじ「で、喧嘩にならないように、揉めた時はじゃんけんで決めることになってるんだ」

こうた「……じゃんけん?」

けんじ「ああ。石を表すグー。ハサミを表すチョキ。で、紙を表すパー」

こうた「……」

けんじ「チョキはグーに勝てないんだ」

こうた「え?」

けんじ「ハサミで石を切れるか?」

こうた「ううん」

けんじ「まあ、そういうことだ」

こうた「……」

けんじ「で、今日、俺、掃除当番なんだけど、代わってくれよ」

こうた「あ、あの、今日はちょっと……」

けんじ「嫌なのか?」

こうた「う、うん」

けんじ「じゃあ、じゃんけんだ」

こうた「ええ!?」

けんじ「なんだよ。揉めたらじゃんけん。ここでのルールだ。だよな?」

クラスメイト1「え? あ、うん」

けんじ「ってことで、じゃんけんだ」

こうた「……」

けんじ「じゃーんけん、ぽん!」

こうた「……」

けんじ「はい、俺の勝ち! じゃあ、掃除当番よろしくな」

こうた「そ、そんな……」

場面転換。

床を掃く音。

こうた「……はあ」

えんき「ん? こうた、何やってんだ?」

こうた「……掃除当番、代わって欲しい言われて……」

えんき「断ればいいじゃん」

こうた「じゃ、じゃんけんで決めるって言われて」

えんき「……はあ。けんじの奴だな。しょうがねーな」

ホウキを掴んで床を掃き始めるえんき。

こうた「え? えんきくん?」

えんき「……暇だから、暇つぶし。別にお前のためじゃねーから」

こうた「あ、ありがとう」

えんき「だーかーら! お前の為じゃねーっての」

場面転換。

こうたが歩いている。

そこにけんじ達がやってくる。

けんじ「よお、新入り!」

クラスメイト2「よお、新入り!」

こうた「な、なに?」

けんじ「俺達、これから遊びに行くから、荷物を俺たちの家に届けておいてくれよ」

クラスメイト2「そうそう。届けてくれよ」

こうた「え? で、でも……」

けんじ「嫌なのか? じゃあ、じゃんけんで決めようぜ」

こうた「え?」

けんじ「じゃーんけん」

クラスメイト2「ぽん!」

こうた「……」

けんじ「はい、俺たちの勝ちー。じゃあ、頼んだぞ」

クラスメイト2「頼んだぞ!」

どさどさと荷物を置く音。

こうた「……」

場面転換。

よろよろ歩く、こうた。

こうた「はあ、はあ、はあ」

えんき「ん? こうた。どうしたんだ? そんなに荷物を抱えて」

こうた「あ、えんきくん。実は……」

場面転換。

えんき「なるほど……」

こうた「……」

えんき「ほら、少し貸せよ。持ってやる」

こうた「え? いいよ。この前も掃除手伝ってもらったし」

えんき「無理すんなよ。体、壊すぞ」

こうた「だ、大丈夫だよ。丈夫だから」

えんき「……じゃあ、じゃんけんで決めようぜ」

こうた「え?」

えんき「負けた方が、勝った方の荷物を持つ。どうだ?」

こうた「う、うん……。いいよ」

えんき「じゃーんけん」

こうた「ぽん!」

えんき「あ、負けた!」

こうた「え!?」

えんき「しゃーねーな。荷物持つからよこせ」

こうた「ちょ、ちょっと待ってよ!」

えんき「なんだよ? じゃんけんで決まったんだから、従うのがルールだろ」

こうた「でも、でも……。おかしいよ」

えんき「何がだよ?」

こうた「僕はカニだよ?」

えんき「見りゃ、わかる」

こうた「僕、チョキしか出せないの、わかっててどうして、パーを出すの?」

えんき「うるせーな。何を出そうと、俺の勝手だろ」

こうた「……」

えんき「あー、そうだ。次、あいつらからじゃんけん勝負を挑まれたら、こう言ってやれ……」

場面転換。

けんじ「じゃあ、じゃんけんで勝負だな」

こうた「ちょ、ちょっと待って。これを見てほしいんだ」

けんじ「なんだよ?」

こうた「えい!」

バキという破壊音。

こうた「僕のハサミは石も砕くことができるんだ」

けんじ「……」

こうた「じゃんけん、する?」

けんじ「いや、いい」

けんじが逃げていく。

えんき「上手くいったな」

こうた「えんきくん、ありがとう」

えんき「よし、じゃあ、お前ん家行くか」

こうた「うん」

えんき「まさか、この前やった柿の種が育つなんてなー」

こうた「いっぱい、柿が成ったんだよ」

えんき「よし、じゃあ、じゃんけんだ」

こうた「え?」

えんき「負けた方が、柿の木に登って、柿を取って来る」

こうた「で、でも……」

えんき「おいおい。ここのルールを忘れたのか。ほら、いくぞ」

こうた「う、うん……」

えんき「じゃんけん」

こうた「ぽん!」

終わり。

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