バカは風邪ひかない

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■概要
人数:4人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
仁也(まさや)
千尋(ちひろ)
教師
男の子

■台本

教室内。

走り回っている仁也と2、3人の男の子。

仁也「あははは! 待てー!」

男の子「待てって言われて、待つ奴がいるかー。きゃはははは」

千尋「仁也、うるさい! もうすぐ先生来るんだから、席に座ってなさいよね!」

仁也「なんだよ、千尋。なんで、俺だけに言うんだよ!? 他の奴らだって、うるさくしてただろ!?」

千尋「あんたが一番うるさいし、あんたが最初にやりだしたんでしょ!」

仁也「ちぇっ! わかったよ! 座ればいいんだろ、座れば」

ドカッと椅子に座る仁也。

仁也「……なんか暑いな」

いきなり立ち上がり、教室の窓を開け始める仁也。

するとビューと冷たい風が教室内に吹き荒れる。

仁也「あー、涼しいー」

千尋「ちょっと! 仁也! 今、何月だと思ってるのよ!?」

仁也「え? えーっと、え? 何月だっけ?」

千尋「12月よ、12月! バカっ! 寒いから窓閉めなさい!」

仁也「えー、でも、俺、暑いし」

千尋「あんたが脱げばいいでしょ! あんた一人の為に、みんなを巻き込まないで!」

仁也「あ、そっか。俺が脱げばいいのか」

服を脱ぎだす仁也。

そのとき、ガラガラと教室のドアが開き、教師が入って来る。

教師「はい、みんな席について―。って、仁也くん、なんで裸なの!?」

仁也「千尋が脱げって言った」

千尋「全部脱げなんて言ってないわよ!」

場面転換。

通学路。

雪の上を歩く、仁也と千尋。

ビューっと冷たい風が吹く。

千尋「うう……寒い」

仁也「おいおい、千尋、お前、情けないな。こんな寒さ程度で。俺なんか、セーター一枚だぞ!」

千尋「はいはい。ったく、バカは風邪ひかないってホントね」

仁也「ん? なんだ? そのバカは風邪ひかないって?」

千尋「あんたは風邪ひかないってことよ」

仁也「マジか! すげー! 俺、スゲーな」

千尋「……いや、ただのことわざだから」

仁也「俺、無敵じゃん! よーし!」

いきなり、セーターを脱ぎだす仁也。

仁也「セーターもいらん!」

千尋「ちょ! あんた、Tシャツ一枚になってどうする気よ?」

仁也「わははははは。俺は最強なのだー」

いきなり走り出してしまう仁也。

千尋「仁也! ちょっと待ちなさい! ……って、あーあ、行っちゃった。……ま、いっか。仁也だし」

場面転換。

教室内。

教師「えーっと、今日は仁也くん、お休みです」

教室内がザワッとする。

千尋「……え?」

場面転換。

仁也の部屋。

仁也「ごほっ! ごほっ! ……へーっくしょん!」

ガチャリとドアが開く。

千尋「……大丈夫?」

仁也「うう……。千尋。俺、風邪ひいた」

千尋「見りゃ、わかるわよ」

仁也「なんでだー! 俺、風邪ひかないはずなのにー! 無敵のはずなのに―!」

千尋「……バカ」

仁也「なんでだーーー! へーっくしょん!」

終わり。

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