百物語

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:5人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
遥人(はると) 17歳
凌空(りく) 17歳
宗太(そうた) 17歳
蓮(れん) 17歳
壮介(そうすけ) 17歳

■台本

遥人の部屋。
そこには遥人、凌空、宗太、蓮、壮介の5人がいる。

遥人「ふっふっふ。諸君。今日はよくぞうちに集まってくれた」
宗太「なんだよ、急に家に泊まりに来いってさ。何する気なんだ?」
遥人「いやあ、本格的に夏になってきたからさ」
蓮「それが?」
遥人「いやいや。夏の日の夜。男が5人集まったとなればやることは一つだろ」
壮介「恋バナ?」
遥人「ちげーよ! お前は女子かっ!」
宗太「あー、もしかして怖い話か?」
遥人「そう! それそれ!」
凌空「んー。ただ、怖い話をするってだけで俺たちを集めたのか?」
遥人「いや、単なる怖い話だけじゃない」
蓮「っていうと?」
遥人「百物語だ!」
壮介「あー、なるほど」
遥人「一度、やってみたいと思ってたんだよ」
宗太「百物語はいいけどさ。ここにいるのは5人だろ。ってことは1人、20個の怪談だぞ? そんなに知ってる奴いねーだろ」
凌空「確かに」
遥人「ふふふ。そこは抜かりはない。このサイトを使う」

遥人がスマホを操作して、画面を見せる。

蓮「百物語支援サイト?」
遥人「そうそう。ここに怖い話が100個載ってるんだよ。だから、みんな20個ずつ話すんだよ」
壮介「なるほど」
宗太「面白そうだな」
蓮「よし、やろうぜ」
遥人「本当はろうそくを立ててやるのがいいんだろうけど、さすがに危ないからな」
壮介「まあ、部屋の中を暗くすれば雰囲気出るだろ」
遥人「よし、今、23時45分だから、ちょうど0時から始めようぜ」

場面転換。※時間経過

遥人「0時だ。じゃあ、俺からな。……これは本当にあった話なんだけど……」

場面転換。※時間経過(ここに知っている怖い話を入れても可)

遥人「……それからその人の姿を見た人はいないんだってさ」
壮介「おおー。怖い怖い」
蓮「じゃあ、次、俺な」

場面転換。※時間経過(ここに知っている怖い話を入れても可)

蓮「あれはなんだったんだろうか。終わり」
壮介「おおー!」

場面転換。※時間経過(ここに知っている怖い話を入れても可)

凌空「……終わり」
遥人「おおー。やっぱり、このサイトの話はいいな。怖いものばっかりだ」
蓮「これで何個目?」
遥人「えーっと、93だな」
壮介「……なんか疲れてきた」
遥人「もう少しなんだから頑張れって」
宗太「じゃあ、次は俺な」

場面転換。※時間経過(ここに知っている怖い話を入れても可)

壮介「……おわり」
凌空「……」
遥人「おい、寝るなって」
凌空「あ、ごめんごめん」
遥人「じゃあ、最後は俺だ。ついに100個目だぞ」

場面転換。※時間経過(ここに知っている怖い話を入れても可)

遥人「……終わり」
凌空「これで100個目か」
壮介「ああ……」
蓮「……長かったな」
遥人「百物語、達成だ」
宗太「何か起こるかな……」
遥人「ドキドキするな」

5人が少し沈黙する。
しかし何も起きない。

蓮「何も起きないな」
遥人「もう少し待ってみようぜ」

そのとき、外から雀の鳴き声が聞こえてくる。

宗太「あっ!」
遥人「どうした?」
宗太「……なにか起こるわけねーよ」
遥人「なんでだよ?」

宗太がカーテンをシャーっと開ける。

宗太「だって、朝だもん」
凌空「あ、そっか」
遥人「なんだ?」
凌空「だって、100話でしょ? 1話、5分でも、8時間かかるって」
遥人「今、何時だ?」
壮介「9時」
遥人「くそー! 時間のこと、考えてなかったー」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉