夏祭りにて
- 2023.08.08
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:4人
時間:10分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
蓮(れん) 小学6年生
崇(たかし) 小学6年生
詩音(しおん) 小学6年生
粧裕(さゆ) 小学6年生
■台本
蓮の家のリビング。
着替えている蓮と崇。
崇「おーい、蓮、着替え終わったかー?」
蓮がやってくる。
蓮「うん。どうかな?」
崇「おおー。いいじゃん」
蓮「崇くんも似合ってるよ」
崇「はは。俺なんかは、少し腹が出てる分、こういう浴衣なんかは良く見えるらしいぞ。親父が言ってた」
蓮「へー。だから、僕はなんか変な感じなのかな?」
崇「変ってわけじゃねーけど、蓮は痩せすぎだな。もう少し肉付けた方がいいぞ」
蓮「うーん。結構、ご飯食べてるんだけどなぁ」
崇「っと、そろそろ来る頃かな?」
蓮「そうだね」
インターフォンの音が響く。
崇「お? 噂をすれば、か?」
蓮「はーい」
蓮が歩いていく。
場面転換。
ドアを開ける音。
蓮「はーい」
粧裕「やっほー!」
詩音「こんにちはー。……あ、こんばんは、かな?」
蓮「いらっしゃい、粧裕ちゃん、詩音ちゃん」
崇もやってくる。
崇「おおー。いいじゃんいいじゃん。二人ともスゲー似合ってるよ」
粧裕「へへ。そーでしょ?」
詩音「あれれ? 蓮くんはそういうの、なかったなぁ」
蓮「あっ! うん! 二人とも浴衣、凄い似合ってるよ。可愛い」
詩音「っ!?」
粧裕「あはは。詩音、顔真っ赤にしてるー。可愛いって言われて、照れちゃった?」
詩音「ちょっと、粧裕っ!」
粧裕「そっちも準備できてるっぽいけど、どう?」
崇「おう! ばっちりだ。もう、始まってるだろうから、行こうぜ」
粧裕「うん」
場面転換。
お祭りの会場。
4人で歩いている。
粧裕「うわー。混んでるね」
崇「2年ぶりくらいだからなぁ」
蓮「そっか。ずっとお休みだったもんね、お祭り」
詩音「そうだよ。せっかく、2年前に買ってもらったのにさ、結局、1回も着ないで終わっちゃった」
粧裕「わかるー。1年もすると、胸とかキツクなっちゃって、着れなくなったりするよね」
崇「胸を寄せるなっ!」
粧裕「そんなこと言って、嬉しいくせに。ほれほれ」
崇「や、やめろって」
詩音「あはは。粧裕、やめてあげなよ。蓮くん、物凄い顔真っ赤になってるから」
蓮「いや、それは、その……」
粧裕「お? 純情少年め。ほれほれ」
蓮「ううー……」
崇「マジでやめてやってくれ。蓮はそういうの、マジで弱いから。この前なんか、女子の水着見ただけで鼻血出したんだからな」
粧裕「ええー! うそー! 純情過ぎー」
蓮「崇くん! あれは偶然だって言ったでしょ」
崇「はいはい。とにかく、やめてやれ」
粧裕「はいはい。こういうのは詩音の役目だもんね」
詩音「……なんで、私の名前が出るのよ」
崇「とにかく、店回ろうぜ」
粧裕「さんせー! ちょっとお腹減ったし」
詩音「私、綿あめ食べたい」
崇「いきなり甘いもんかよ……」
場面転換。
射的をやっている4人。
バシュッと撃つ音。
崇「うわー。外した」
蓮「じゃあ、次は僕だね」
バシュッと撃つ音と、物が落ちる音。
蓮「やったぁー!」
詩音「すごいー! 当たったー」
蓮「あはは」
場面転換。
クジを引いている4人。
粧裕「ううー。5等しか出ない―」
崇「……こういうの当たり入ってないって話だぞ」
詩音「そうなの? 詐欺じゃん」
蓮「全部じゃないと思うけどね」
場面転換。
4人が歩いている。
粧裕「あははは。遊んだ、遊んだー」
詩音「楽しかったねー」
崇「この後どうする? 蓮の家にでも行くか?」
粧裕「さんせー!」
詩音「うん。少しなら私も大丈夫」
蓮「じゃあ、行こっか」
そのとき、ポツポツと雨が降って来る。
崇「げっ! 雨だ」
粧裕「うわー。最悪」
蓮「小降りだけど、急ごう!」
詩音「いつもの靴じゃないから走りづらいー」
場面転換。
小雨が降る中、歩く4人。
蓮「もうすぐだから」
崇「ううー。浴衣がびちゃびちゃだ……」
粧裕「ねえねえ。そういえばさ。女の子って、浴衣の下、何も着てないって知ってる?」
蓮「え?」
崇「お、おい……。急になんの話だよ?」
粧裕「そう言って、気になるでしょ? 今なら、濡れてるから透けてるよー?」
崇「ば、バカ言うな……。き、気になんかならないよな? 蓮」
蓮「う、うん……」
粧裕「そう言いながら、崇、こっちチラチラ見てんじゃん」
崇「みみみ見てねーよ」
詩音「ねえ、蓮くんは? 興味ない?」
蓮「へ?」
詩音「私の浴衣の下……。裸かもしれないんだよ?」
蓮「……あ、あの……その……」
崇「お、おい、詩音やめろって」
詩音「見たい?」
蓮「いや、その……」
詩音「見てもいいよ。蓮くんなら」
蓮「っ! み、見ないよ! ダメだよ、そんなの」
詩音「うふふ。えいっ! こっち向けっ!」
蓮「わわっ!」
崇「お、おい!」
蓮「……」
詩音「あはははー。残念でしたー。ちゃんと下着、着てます―!」
蓮「……」
ブッ! と鼻血を吹く蓮。
蓮「はうっ!」
詩音「うわー! 蓮くんが鼻血吹いた!」
倒れる蓮。
崇「ああー、蓮! しっかりしろー!」
詩音「蓮くーん!」
粧裕「……まあ、水着でもダメなんだから、裸じゃなくても下着なら、鼻血出ちゃうよね……」
詩音「蓮くーん!」
終わり。
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