誕生日プレゼント

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
静玖(しずく) 17歳
千依里(ちえり) 17歳

■台本

教室内。

千依里「ねえねえ、静玖(しずく)。健ちゃんの誕生日プレゼント、何がいいかなぁ?」
静玖「あのさ、千依里(ちえり)。それって、今まで彼氏がずっといなかった私への当てつけ?」
千依里「ち、違うよー。純粋に親友に相談してるだけじゃん」
静玖「うーん。そんなこと、相談されてもねぇ」
千依里「でも、ほら、静玖って、男子と仲いいし、人気あるじゃない? だから、男の子ってどういうものを貰ったあら嬉しいか知ってるんじゃないかって思って……」
静玖「仲がいいのと、彼氏とじゃ全然違うと思うんだけど」
千依里「そんなこと言わないでさ、お願い!」
静玖「……なんでもいいんじゃない? 彼女からのプレゼントなら、何でも嬉しいって、きっと」
千依里「もう! 静玖!」
静玖「はあ……。わかったわかった。うーん。たぶんだけど、男子って、あんまり物に執着しないと思うの」
千依里「物に執着しない?」
静玖「そう。例えば、思い出の写真とか、記念の物とか、あんまり取っておく人って少ないでしょ?」
千依里「あー、確かに健ちゃんも、そうかも」
静玖「だから、女の子みたく、アクセサリーとか、そういうのは貰っても、正直、邪魔だと思うんだよね」
千依里「……なるほど」
静玖「一番いいのは、健司くんが普段、どんなものにお金をかけてるかってところを考えるのがいいんじゃない?」
千依里「えーっと、健ちゃんは……ゲーム、かな?」
静玖「じゃあ、新作のゲームでも買ってあげれば? 喜ぶよ、きっと」
千依里「もう! それじゃ、クリスマスプレゼントみたいじゃない!」
静玖「別にいいじゃん」
千依里「いやなの! ちゃんと、プレゼント! って感じのをあげたいの!」
静玖「もう……面倒くさいなぁ」
千依里「そんなこと言わないでよー」
静玖「じゃあ、普段使うものにしたら?」
千依里「使うもの?」
静玖「そう。例えば、もうすぐ寒くなるでしょ?」
千依里「あーそうだね」
静玖「だから、手編みのマフラーなんかいいんじゃない? 気持ちもこもってるし。絶対喜ぶよ」
千依里「いいね! それ、採用! いやー、やっぱり静玖に相談してよかったよー」
静玖「はいはい」

場面転換。
教室内。チャイムの音。

千依里「……(寝息)」
静玖「千依里、そろそろ休み時間、終わるよ」
千依里「んあ? あー……。ありがとー」
静玖「随分疲れてるみたいだね。今日、ずっと寝てるんじゃない?」
千絵里「うう……。最近は寝不足なんだよね」
静玖「そっかそっか。頑張ってるんだね」
千依里「えへへへ。まあね」
静玖「体壊さないようにね」
千依里「うん。ありがと」

静玖が歩き出す。

静玖「(独り言)マフラーを夜通しで編んでるのかな? 千絵里にしては頑張ってるじゃん」

場面転換。
飲食店。ウィーンとドアが開く。

千依里「いらっしゃいませー」
静玖「あれ? 千絵里? なんで?」
千絵里「なんでって、バイトだよ?」
静玖「え? あー、そうなんだ。一人だけど、空いてる?」
千絵里「こちらになりますー」

千絵里が歩き出し、静玖がついて行く。

静玖「(独り言)……高い毛糸でも買うのかな?」

場面転換。
教室内。
千絵里が走って来る。

千絵里「静玖―! プレゼント、喜んでくれたよー」
静玖「おおー、やったじゃん。で、どんなの編んだの?」
千絵里「これこれ! これにしたの!」

スマホの画面で見せる。

静玖「これって……」
千絵里「カシモールの手編みマフラー!」
静玖「……いや、手編みってそうじゃなくて……って、はあ……。まあ、いいか。相手が喜んでるなら」

終わり。

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