勢いで乗り切れ

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■概要
人数:5人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
綾人(あやと)
一輝(いつき)
美弥子(みやこ)
男子生徒1~2

■台本

綾人の部屋。

ゲームをしている綾人。

綾人「よし! きたきたきた!」

そのとき、ふっと部屋中の電気が消える。

綾人「え? あれ? なんだ? 停電か? くそー! いいとこだったのにぃ! はあ……。なんか一気に冷めたな。寝よっと」

場面転換。

教室内。

綾人「……んー。寝すぎて体が痛いな」

遠くから話し声が聞こえる。

男子生徒1「ドリームマシマシはやっぱ、面白いんだよな」

男子生徒2「俺、テレビでそれだけは見てるよ」

男子生徒1「俺も」

ハッとする綾斗。

綾人「しまった! 昨日は水曜かー! くそ、見逃した! ……どうする? クラスの話題についていけなくなるぞ……」

そこに一輝がやってくる。

一輝「ねえねえ、綾斗!」

綾人「お、おう! 一輝か。どうした?」

一輝「昨日のドリモリ見た?」

綾人「……あ、ああ。もちろんだよ。見ない奴なんていないだろ」

一輝「だよねー。綾人はどのコントが好きだった?」

綾人「あー、えっと、二番目のやつかな」

一輝「ああ! 犬とお巡りさん?」

綾人「そ、そうそうそれそれ!」

一輝「オチが秀逸だったよねー」

綾人「あれは、ゲラゲラ笑ったね。そのせいで、腹が筋肉痛だよ」

一輝「3番目のは? ファミレスのやつ」

綾人「ああー。あれはちょっと、いまいちだったかなぁ」

一輝「そっか。綾人の好きそうなコントだったのにね」

綾人「……た、たまたまだよ。ほら、2番目のが面白かったから、それと比べるとって話。普通に面白かったよ」

一輝「だよねー。あとさ、玲奈ちゃんも可愛かったよね」

綾人「っ!?」

ガバっと立ち上がる綾人。

綾人「え!? 玲奈ちゃん出てたの!? マジで!?」

一輝「そ、そうだけど……。綾人、見たんだよね?」

綾人「へ? あー、いや、あれだよ。そのとき、ちょうどトイレ行ってたかも」

一輝「そうなんだ? でも、さっき、3番目のコントは普通に面白かったって言ってたのに……」

綾人「だから、最初と最後の方を見たんだよ。掴みとオチは面白かったからさ」

一輝「ふーん。玲奈ちゃんは最初から出てたんだけどなぁ」

綾人「……ちょっと、スマホ見てて、見逃したかも」

一輝「そっか。勿体ないね」

綾人「ちなみにさ、その……玲奈ちゃん、どんな格好の役だった?」

一輝「メイド喫茶のメイドだよ」

綾人「マジでー! マジでー!? うっそだろ! くそー! 見たかったぁ!」

一輝「玲奈ちゃんはああいう格好はなかなかしないからねぇ」

綾人「誰か、録画したやついないかな。……一輝は録画してない?」

一輝「してない。しとけばよかったと思ってる」

綾人「あー、くそーくそー!」

そこに、美弥子がやってくる。

美弥子「ねえねえ、何の話?」

綾人「ああ、ドリモリの話」

美弥子「あー、残念だったよねー。私も楽しみにしてたのにさ」

綾人「へ? どういうこと?」

美弥子「え? だって、昨日は停電してたじゃん。ドリモリの時間」

綾人「……」

一輝「あはははは……」

綾人「一輝、お前、騙したなー!」

一輝「綾人が知ったかぶりするからだよー」

綾人が一輝を追いかけまわす。

終わり。

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