整理整頓

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
アニメ、舞台、現代、コメディ

■キャスト
涼(りょう)
薫(かおる)

■台本

〇涼の部屋

部屋の中央には布団が敷きっぱなし。

その周りには飲みかけのペットボトルや食べ終わったカップ麺の空箱などなど、色々な物が散乱している。

そんな中、布団の上に座って、ゲームをしている涼。

涼「あっ! くそ! 取り逃した!」

ドアが開いて、薫が入って来る。

薫「……うわっ! やっぱり!」

涼「……」

薫の方も見ずにゲームを続ける涼。

薫「……」

ムッとしてツカツカと歩き、涼とテレビの間に立つ薫。

涼「ちょっ! 薫! どけって!」

薫の後ろで撃墜音がする。

涼「……はあ」

薫「ため息つきたいのこっち」

涼「なんでだよ」

薫「おばさんに頼まれて、部屋を見に来たらこれだもん」

涼「なにがだよ?」

薫「部屋汚すぎ」

涼「うるせー。関係ないだろ」

薫「だから言ったでしょ。おばさんに頼まれたって。もう、バイト料貰っちゃったし」

涼「え? ちょっと待て。まさか……」

薫「さ、片付けるわよ」

涼「待って! ホント! 自分でやるから!」

薫「そう言って、やらないから私が来てる……」

薫がその辺の物を拾い上げる。

すると、その下からエロ本が出てくる。

涼「あっ!」

薫「……まあ、涼も男だしね」

涼「いやぁあああああ!」

〇同

涼の部屋の中が整理整頓されている。

部屋の隅で涼が体育座りをして、落ち込んでいる。

薫は部屋の中央で腕組をして、満足そうな表情。

薫「ま、こんなもんかな」

涼「うう……。俺のプラベートが」

薫「いやなら、日ごろから部屋を綺麗にしておくことね」

薫が部屋から出て行く。

涼「……」

顔を上げて部屋の中を見渡す。

部屋の隅に積み上げられているエロ本とエロDVD。

それを見て、顔を真っ赤にして、膝に顔を埋める涼。

〇同

ちゃぶ台の上に空の弁当箱が置いてある。

涼「ふいー! 腹いっぱいだ」

ゴロンと寝転がる涼。

だが、すぐに起き上がる。

涼「おっと、危ない危ない」

涼が空の弁当箱を持ってゴミ袋に入れる。

涼「汚さなければいいってだけの話だからな。今度からはちゃんとやろう」

〇同

部屋の中央に布団が敷かれていて、その上に座ってゲームをしている涼。

ロード時間に近くにあるペットボトルを手に取り、一口飲む。そして、またふたを閉めて近くに置く。

その横には、他にも飲みかけのペットボトルが置いてある。

〇同

買い物袋を持って部屋に入って来る涼。

そのまま敷きっぱなしの布団の上に座る。

布団の上で袋からおにぎりとお惣菜を出す。

だが、総菜は紙の袋に入っているため、食べ辛い。

涼「あー、皿が必要か。面倒くさい。……あ、これでいいか」

近くにある弁当の空箱を皿代わりにする。

涼「残しておいてよかった。おっと、箸とかは捨てておくか」

涼が古い割り箸を袋に入れ、代わりに袋から新しいジュースを出す。

が、近くにまだ残っているペットボトルが視線に入る。

涼「片付けてないんじゃなくて、まだ残ってるだけだから。あとでちゃんと飲むから。だから、追いあるだけだし」

そう自分に言い聞かせて、新しいジュースの方を飲み始める涼。

〇同

ベランダのドアから部屋に入って来る涼。

その手には干していた服をたくさん持っている。

涼「よしっ、と。やっぱ、部屋干しよりいい感じだな。あとはこれを畳んでしまうか……」

涼が服を畳み始める。

しかし、その手が止まる。

涼「待てよ。結局、着るときにまた出さないとならないんだよな? なら、ここに置いておいた方がすぐに着れるよな」

涼がジッと取り込んだ服を見る。

涼「これは片付けないわけじゃなくて、ここに置いておいた方が、効率が良いってわけで」

うんうんと頷く涼。

〇同

部屋の中央には布団が敷きっぱなし。

その周りには飲みかけのペットボトルや食べ終わったカップ麺の空箱などなど、色々な物が散乱している。

そんな中、布団の上に座って、ゲームをしている涼。

涼「あっ! くそ! 取り逃した!」

ドアが開いて、薫が入って来る。

薫「……うわっ! やっぱり!」

チラリと涼が薫の方を見る。

涼「ふふん。さっさと帰れ。今回は整理整頓して生活してたからな」

薫「……どこが?」

涼「え?」

改めて周りを見る涼。

涼「おかしいな。気を付けて生活してたんだけど……」

首を傾げる涼。

終わり。

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