【声劇台本】Team

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■概要
人数:5人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、シリアス

■キャスト
萩野 優成(はぎの ゆうせい)
高山 健吾(たかやま けんご)
課長
その他

■台本

警察署内。刑事課。

優成「……」

健吾「……(寝息)」

電話のコール音。

ガチャリと電話を取る音。

課長「はい、刑事課。……うん。うん、わかった。すぐに人を向かせる」

ガチャリと電話を切る。

課長「萩野!」

優成「はい!」

呼ばれて、課長のところまで行く優成。

課長「丸下デパート内で窃盗事件だ。すぐに行ってくれ」

優成「わかりました!」

机のところへ歩く優成。

健吾の体を揺らし。

優成「先輩! 先輩! 起きてください!」

健吾「あん?」

優成「事件です。行きますよ」

健吾「パス。お前だけで行け」

優成「いや、必ずチームで動くって決まりじゃないですか」

健吾「いいか、優成。チームで動くというのは必ずしも一緒に動くという意味じゃない。チームっていうのは一つの組織だ。つまり、役割分担で動くってわけだ」

優成「……役割分担、ですか?」

健吾「そう。新人のお前は被害者から話を聞いてくるという役割ってわけだ」

優成「じゃあ、先輩は?」

健吾「ここで、待機する役割だな」

優成「そんな……」

課長「高山、暇そうだな。倉庫の片づけやるか?」

健吾「よし、優成、行くぞ」

立ち上がる健吾。

場面転換。

デパート内。

優成「ありがとうございました」

優成が健吾の方へ走り寄る。

優成「先輩、話聞いてきました」

健吾「おう。それで?」

優成「手口からして、例の窃盗団だと思います」

健吾「(欠伸しながら)なるほどな」

優成「どうします?」

健吾「何がだ?」

優成「捜査ですよ。せっかく、あっちが尻尾を出したんですから、このチャンスを逃す手はありません」

健吾「そうだな。頑張れ」

優成「いや、頑張れって……。先輩は捜査しないんですか?」

健吾「やるよ。頭の中でな」

優成「……」

健吾「じゃあ、俺は署に帰るからな」

優成「待ってください!」

健吾「あん?」

優成「捜査、俺一人でやるんで、せめて指示をお願いします」

健吾「指示?」

優成「はい。どういうふうに捜査するとかの指示です」

健吾「んなこと、自分で考えろ」

優成「ちょ、ちょっと待ってください! 無理ですよ。俺、まだ新人ですから」

健吾「あのなあ。……まあ、いい。じゃあ、こういうとき、お前はどうすればいいと思う?」

優成「えっと……。とりあえず、目撃者がいないか聞き込み、ですかね?」

健吾「よし、頑張れ」

優成「え? いや、いいんですか? それで?」

健吾「いいもなにも、お前が出した案だろ? それをやりゃいいだろうが」

優成「……」

健吾「じゃあな」

健吾が歩き去っていく。

優成「はあ……」

場面転換。

警察署。刑事課。

ガチャリとドアが開き、優成が入ってくる。

優成「……戻りました」

健吾「おう、ご苦労さん。いい話聞けたか?」

優成「……」

健吾「メモ寄越せ」

優成「え?」

健吾「聞いた話、メモしたんだろ?」

優成「あ、はい。ですが、有力な情報は」

健吾「いいから、寄越せ」

優成「わかりました」

優成が健吾にメモ帳を渡す。

優成「どうするんですか、そのメモ」

健吾「課長に詰められた時の、仕事してた証明書に使う」

優成「ず、ずるい……」

健吾「代わりに、これをやる」

優成「ディスク……ですか?」

健吾「防犯カメラの映像」

優成「あっ!」

健吾「俺はこれから仮眠取るから、チェックしておけよ」

優成「……」

場面転換。

ボタンをポチポチ押している優成。

後ろでドアが開く音。

課長「おう、萩野、まだ残ってたのか。ん? 防犯カメラの映像か?」

優成「はい」

課長「まあ、地味な作業だが、大事なことだ。頑張れよ」

優成「あ、あの課長。その……チーム、変えて貰えませんか?」

課長「……高山と組むのは嫌か?」

優成「きっと、俺、先輩に嫌われているんだと思います。この防犯カメラの映像の件だって、最初から言ってくれれば、5時間も聞き込みしなくて済みましたし。それに何一つ、教えてもくれないんです。俺、このままだと成長できない気がして……」

課長「萩野。お前には期待している。……だから、高山と組ませたんだ」

優成「え?」

課長「大丈夫。お前はちゃんと、高山から大事なものを教わってるよ」

優成「……」

場面転換。

優成が寝息を立てている。

バンと、ドアが開き、健吾が入ってくる。

優成「はっ! あ、せ、先輩。おはようございます」

健吾「どうだ? 捜査の進展あったか?」

優成「はい……。防犯カメラに窃盗の場面が写ってました。ここです。これで犯人の顔がわかりました」

健吾「ふむ。で? 次はどうする?」

優成「えっと……。顔が割れたので、張り込みして現行犯逮捕というのはどうでしょうか?」

健吾「じゃあ、それで」

優成「いいんですか!? 本当に?」

健吾「いいもなにも、お前が考えた作戦だろ」

優成「……つまり、失敗しても俺の責任ってわけですね」

健吾「そういうことだな」

優成「はあ……」

場面転換。

駅構内。

優成「来ました! あいつです」

健吾「ああ……」

優成「盗った! 盗りました! 捕まえます!」

優成が走り出そうとする。

男1「くそっ!」

男が逃げ出す。

優成「え? なんで、バレたんだ? おい、待て! 警察だ!」

優成が男を追って走る。

優成「止まれ! 止まれよ!」

男の足音が遠くなっていく。

優成「くそっ! なんでだよ!」

優成が壁を蹴る。

場面転換。

トボトボと歩いてくる優成。

優成「すいません、先輩。逃げられました」

健吾「ま、しゃーないさ」

男2「くそ、離せよ!」

優成「先輩、その男は?」

健吾「共犯だ。これから、こいつを締め上げて、逃げた奴を捕まえる」

優成「……なんなんですか!」

健吾「ん?」

優成「先輩は最初から共犯がいたって知ってたんですよね? 俺、馬鹿みたいじゃないですか! 勝手に空回りして、失敗して」

健吾「優成。お前が聞き込みしてくれたメモと、お前が防犯カメラから犯行の場面を見つけたから、俺は共犯の可能性に気づけたんだ」

優成「え?」

健吾「お前の捜査があったから、事件が解決した」

優成「……」

健吾「お前は足を使って調べる。俺は頭を使う。お前が失敗しても、俺がフォローする。それが役割分担だ。俺たちはチームなんだからな」

優成「先輩……」

優成(N)「課長の言った通りだ。先輩は俺に色々なことを教えてくれていた。自分で考えること。考えたことを実行すること。そして、失敗から学び取ること。確かに先輩はやる気がなくて、よく仕事をサボる。でも、俺は先輩とチームを組めたことを誇りに思う」

終わり。

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