【声劇台本】かぐや姫のニート生活

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■概要
人数:5人以上
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、童話、コメディ

■キャスト
おじいさん
かぐや
おばあさん
その他

■台本

おじいさん「こ、これは……」

ピカーという光り輝く音。

おじいさん「竹が光っておる!」

場面転換。

赤ちゃんの泣き声。

おじいさん「ばあさんや! 大変じゃ! これを……これを見てくれ!」

おばあさん「おじいさん、その赤ん坊、どこから連れて来たんですか? いくら子供が欲しいと言っても、盗んでくるのは……」

おじいさん「盗んだんじゃない! 竹じゃ! 光る竹を切ったら、出て来たんじゃよ!」

おばあさん「……」

おじいさん「なんじゃ、その可哀そうな人を見る目は!」

場面転換。

かぐや「おじいさん、おばあさん。この度は拾っていただき、感謝します」

おじいさん「ばあさんや……。今どきの赤子は1ヵ月で成人になるのか?」

おばあさん「……そんなわけありませんよ」

かぐや「ふふふ。赤ん坊の姿は仮だったのです。こちらに来るには、どうしても小さくなる必要がありました」

おじいさん「うむ……。何を言っているかわからんが、かぐやよ。お前は私たちの娘じゃ。例え、血が繋がっていなくてもな」

かぐや「……ありがとうございます。かぐやは幸せでございます」

場面転換。

本を読んでいるかぐや。

ペラペラとページをめくる音。

かぐや「あはははは!」

おじいさん「かぐや、や。こっちに来て、ちょっと手伝ってくれんかのう?」

かぐや「ごめんなさい、おじいさん。かぐやは今、手を離せません」

おじいさん「いや、今、絵巻を読んでおったろう?」

かぐや「ですから、絵巻を読んでいるので、手が離せないのです。あ、いえ。目が離せません、ですね」

おじいさん「あ、いや。そこはどうでもいいんじゃが……」

おばあさんがやってくる。

おばあさん「かぐや、や。これから川に洗濯に行くから、手伝っておくれ」

かぐや「嫌ですわ、おばあさん。川で洗濯なんかしたら、かぐやの白魚(しらうお)のような手が、荒れてしまいますわ」

おじいさん「かぐや、や。お前はもう立派な大人じゃ。そろそろ、働いてもらわんと……」

かぐや「嫌ですわ、おじいさん。かぐやはまだ、2歳でございますわよ。働くなんて、とんでもありませんわ」

おじいさん「いやいや、どう見ても大人じゃろう」

かぐや「ちっ! しゃーねーな」

おじいさん「い、今、舌打ちしなかったか?」

かぐや「少々お待ちくださいませ」

かぐやが出て行ってしまう。

おじいさん「どこに行くんじゃろうのう?」

おばあさん「さあ?」

場面転換。

かぐや「よっこいしょっと」

どさっと、床に野菜を置く。

おじいさん「かぐや、や。この大量の野菜はどうしたんじゃ?」

かぐや「うふふふ。辺りの野菜畑にいる殿方にお声をかけて、いただいてきましたの」

おじいさん「いや、いただいたって……」

場面転換。

おじいさん「ばあさんや。どうしようかのう。最近は、増々、手が付けられないようになってしもうた」

おばあさん「かぐやが、色々な男を骨抜きにしてるから、村内の人間関係がギスギスなってますよ」

おじいさん「このままではいかんな……。どうしたものか……。あ、そうじゃ!」

おばあさん「何か思いついたんですか?」

おじいさん「ちょっと、出てくる!」

場面転換。

帝「ふむ。つまり、娘が働きもせずに、家の中に閉じこもって遊んでばかりいると?」

おじいさん「はい、そうなんです!」

帝「で、その娘を嫁に出したいと?」

おじいさん「容姿はいいんです! 容姿だけは!」

帝「容姿だけって……。そんな嫁を貰う方が苦労しそうだがな」

おじいさん「一目見ていただければ、納得するはずです。無駄に、容姿だけはよいので」

帝「ふむ。わかった。嫁を探しているものに声をかけてみよう」

おじいさん「ありがたき幸せ。何卒、よろしくお願いいたします」

場面転換。

かぐや「求婚? しかも、3人も? 嫌ですわ! 私はこの家から出る気はありませんわ。なので、断ってください」

おじいさん「そうもいかんのじゃ。帝様の配下の者だからのう。下手したら打ち首じゃよ」

かぐや「はああー。めんどくせ!」

おじいさん「い、今、なんと言ったのかのう?」

かぐや「いいですわ。その3人を会います」

場面転換。

かぐや「かぐやです」

貴族1「おお! 麗しき御姿。噂通りです」

貴族2「かぐやよ、私のところに嫁に来い!」

貴族3「いや、私だ! ぜひ、私の嫁に!」

かぐや「3人から求婚されても、私の体は一つだけ……。そこでどうでしょう? 一つ勝負をしませんか? 勝った方の嫁になりましょう」

貴族1「そのお言葉、お忘れなきよう」

貴族2「それで、どんな勝負を?」

かぐや「あるものを取ってきてほしいのです」

貴族3「あるもの?」

かぐや「はい。それは、火ネズミの皮で作った燃えない布。それと、竜が持っている玉。実が真珠で出来てる、木の枝。そのいずれかを持ってきた、最初の方と結婚いたします」

貴族1「待ってくれ! そんなの伝説上の代物じゃないか! 無理だ」

かぐや「それなら、私も、嫁にはまいりません」

貴族2「くそ! 絶対に見つけてやるからな!」

貴族たちが出て行ってしまう。

かぐや「うふふふふ……」

場面転換。

絵巻を読んでいる、かぐや。

ペラペラとページをめくる音

かぐや「あははははは!」

おじいさん「かぐやよ。1人が戻ってきたようじゃぞ」

かぐや「え? 戻ってきた? なんの話ですの?

おじいさん「いやいやいや。お前が無理難題を吹っ掛けた話じゃ」

かぐや「……まさか」

おじいさん「そのまさかじゃよ。竜が持つ球を持ってきた方がいるんじゃ」

かぐや「……わかりました。その方と会いましょう」

場面転換。

貴族2「ど、どうだ! 約束通り、龍の球だぞ!」

かぐや「うそくせー」

貴族2「は? 今、なんと?」

かぐや「おほほほ。なんでもありませんわ」

貴族2「さあ、私と結婚してもらうぞ」

かぐや「それはできません」

貴族2「なぜ?」

かぐや「実は私、人間ではありませんの」

貴族2「人間じゃない? まさか……」

かぐや「ちょうど3日前。故郷の月の民から手紙が来ましたの。その内容は、近いうちに迎えに来る、と書いておりました」

貴族2「月の民?」

かぐや「私の為に、月の民と戦えますか? 一度、戦えば、一族郎党全てを壊し尽くすまで止まりません。それくらい、月の民というのは危険なのです」

貴族2「う、うう……。この話はなかったことでお願いします」

かぐや「おほほほ。賢明な判断ですわ」

場面転換。

絵巻を読んでいる、かぐや。

ペラペラとページをめくる音

かぐや「あははははは!」

おじいさん「なあ、かぐや、よ。あれから2年経つが……まだ、お迎えは来ないのかのう?」

かぐや「え? もうすぐ来るんじゃない?」おじいさん「ほ、本当じゃな?」

かぐや「うん。ホント、ホント」

おじいさん「……」

場面転換。

おじいさんが月に向かって手を合わせる。

おじいさん「月の民様。お願いです。早く、早く、かぐやを迎えに来てください!」

おじいさん(N)「そのとき、儂は、恐ろしいことに気づいてしまった。もしかしたら、かぐやは、月から追放されて、こちらに来たのではないかと……」

終わり。

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