【声劇台本】コーヒー

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:4人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
未希(みき)
友人
母親
先輩

■台本

未希(N)「コーヒーは私にとって憧れだった。ミルクや砂糖を入れないで、ブラックコーヒーを飲む女の人。そんな人を見て、格好いいと思った……」

母親「コーヒー? 別に買ってもいいと思うけど、あんたにはちょっと早いんじゃない?」

未希「早いって何よ。私、もう中学生なの! コーヒーくらい飲むわよ! だから、今度買って来てね、お母さん」

母親「はいはい……」

場面転換。

未希「うげっ! 苦い……」

母親「だから言ったじゃない。砂糖とミルク入れなさいよ。少しは飲みやすくなるわよ」

未希「いや、いい……。うう……苦い」

母親「……あんた、何と戦ってるのよ」

場面展開。

友人「あのさ……。別に特訓する意味なくない? わざわざ、美味しくないもの飲む必要ないと思うだけど」

未希「えー。だって、ブラックコーヒー飲むの格好良くない? なんか、キャリアウーマンみたいでさ」

友人「いや、私達、まだ学生だから」

未希「でも、頭がよく見えるでしょ」

友人「うーん。見えても、中身が追い付いてないと意味ないと思うんだけど……」

未希「うるさいな……。ううっ! 苦いっ!」

場面転換。

未希「なんで? なんでなの!?」

友人「別にいいじゃない。コーヒ飲めなくたって」

コーヒーをすする音。

未希「ちょっと! 優雅にコーヒー飲みながら、そういうこと言わないでくれる!? しかも、ブラックだし!」

友人「コーヒーの味を楽しむなら、ブラックが一番だよ」

未希「その余裕な感じがムカつく―!」

友人「にしても、もう大学生なのに、まだ飲めないって……。やっぱりあんた、コーヒーに縁がないのよ」

未希「うるさい! 私は、絶対に、ブラックコーヒーを飲めるようになるんだから!」

場面転換。

未希「やったわ! ついにやったわよ!」

友人「おおー。おめでとう。なんとか、社会人になるまでに間に合ったわね」

未希「まーね。これで、ようやく、私、キャリアウーマンになれるわ!」

友人「まあ、仕事出来るのと、ブラックコーヒー飲めるのは関係ないけどね」

場面転換。

社内。

先輩「仕事には慣れたみたいだね」

未希「はい! 先輩のおかけです」

先輩「あはは。そんなことないって。君の能力が高いんだよ」

未希「……ありがとうございます」

先輩「けど、あんまり根詰めない方がいいよ。少し休憩しよう。はい、コーヒー」

未希「あ、ありがとうございます。いただきます」

先輩「砂糖とミルク、1つずつだけどよかったかな?」

未希「あ、いやー……。はい、大丈夫です。いただきます」

コーヒーをすする未希。

先輩「……」

未希「あの、どうかしましたか?」

先輩「ああ、いや。なんか、コーヒーにミルクと砂糖入れて飲む子って、可愛いなって。……あ、こんなこと言ったら、セクハラかな?」

未希「い、いえ……。そんなことないです」

場面転換。

コーヒーをすする未希。

友人「あれ? あんた、なんでコーヒーに砂糖とミルク入れてるの?」

未希「え? だって、その方が可愛くない?」

友人「……」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉