【シチュエーションボイス台本】虹

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■キャスト
男性

■時間
3分

■台本

いつも雨が降っていた。

友達と喧嘩した時。

先生に怒られた時。

挫折した時。

大切な人を失った時。

――そして、孤独になった時。

雨は僕にとって不幸を象徴していた。

降りしきる雨を受けながら、まるで世界の不幸が僕に向かって落ちてくるのを感じる。

そんなとき――僕は君に出会った。

君は雨という不幸でずぶ濡れになった僕を見下ろして、ニコリとほほ笑む。

もう大丈夫だよ、と。

君の笑顔が雨を遮ってくれたような気がした。

――大丈夫かもしれない。

君が僕に笑顔を向けてくれる限り。

雨の中でも僕は立ち上がることができる。

そんなことを考えていると、いつの間にか雨は上がっていた。

雨上がり。

透き通るような青空には、七色の橋が架かっている。

空に架かる橋を見て、君は言う。

雨が降って良かったね、と。

そこで僕は気づく。

――そう。

雨が降らなければ空に、虹が架かることはない。

もし、僕に不幸という雨が降らなければ、虹のような君に出会うこともなかったのだろう。

そう思ったら、雨も悪くない。

君が隣にいてくれるなら、雨上がりには素敵な虹が架かるのだから。

終わり。