【フリー台本】海を満喫して
- 2022.06.24
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:3人
時間:5分程度
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
はる
凛(りん)
寛人(ひろと)
■台本
凛「ねえねえ、はなは夏休み、どこに行きたい?」
はな「凛ちゃんたちと一緒なら、どこでもいいよ」
凛「ダメダメ! そうやっていつも、自分を押し殺すんだから。たまには我儘言いなよ」
寛人「そうだよ。俺達、親友だろ? なら、言いたいことを言ってくれよ」
はな「……別に本音を言ってないわけじゃないんだけど。えっと……じゃ、じゃあ、久しぶりに海に行きたいな」
凛「海? へー。はなにしては珍しいチョイスをしたわね」
はな「うん。最近はずっとプールだったから、海で思い切り泳ぎたいなって思って」
凛「オーケーオーケー! よし! 今年の夏休みは海を満喫するわよ!」
寛人「じゃあ、俺がバッチリ、海を満喫できる最高のプランを練ってやるぜ!」
凛「あ、私も一緒に練るわ。あんたに任せてたら、最悪なプランになるに決まってるから」
寛人「なんだよ、そりゃ!」
はる「べ、別にそんなに気合入れなくていいよ。普通に遊びに行くだけで……」
凛「海って言ったら、やっぱ、猟は欠かせないわよね? 銛を用意しておかなくっちゃ」
寛人「いやいや。あぶねーし、マニアック過ぎるだろ。もっと、三人で楽しめるやつがいいんじゃないか?」
凛「あ、そっか。じゃあ……」
はる「ふふっ。楽しみだな」
場面転換。
海の波の音と、観光客のはしゃぐ声。
寛人「ばばーん! やってきたぜ、海!」
凛とはるがやってくる。
凛「あんた、はしゃぎすぎー」
はる「あんまり大声出すと周りに迷惑かけちゃうよ」
寛人「よし! それじゃ、さっそく、海を満喫プランを開始するぞ」
凛「おー!」
はる「お、おー……」
寛人「まずは準備運動だ」
凛「いきなり、地味ね」
寛人「おいおい。海で油断するとやられるぞ。楽しむためには、準備体操は欠かせないからな」
はる「うん。そうだね」
凛「はいはい」
寛人「はいっ! 1、2、1、2」
凛「……別に掛け声はいらないでしょうが」
場面転換。
寛人「体はしっかりほぐれたな? じゃあ、次はスイカ割りだ!」
はる「え? スイカ割り?」
凛「そうそう。やっぱり、海って言ったらスイカ割りだよね」
はる「そ、そうかな……?」
凛「だって、ほら、漫画とかアニメとかでも、海に行ったら、スイカ割りしてるじゃない」
はる「現実じゃ、あんまりやらないと思うけど……」
寛人「よし! 用意できたぞ!」
はる「ええー」
場面転換。
寛人「いやいや。さすがはる。見事な一撃だったな」
凛「はるが本気になってくれて、嬉しいよ」
はる「……早く終わらせたかったから。……うう、恥ずかしかった」
寛人「よし、次はビーチバレーだ!」
はる「ビーチバレー?」
凛「やっぱ、ビーチでやると言ったら、ビーチバレーだよね」
はる「……」
場面転換。
はる「はあ、はあ、はあ……」
寛人「へへ! 優勝!」
凛「ったく、元バレー部が本気出してんじゃないわよ」
寛人「じゃあ、次はビーチフラッグだ!」
はる「び、ビーチフラッグ!?」
凛「ほら、ビーチってついてるし。とりあえず入れて置こうかなって」
はる「……」
場面転換。
ぱたりと倒れる音。
はる「もう動けない……」
寛人「くそー! 負けちまったか」
凛「ふふ。球技じゃなければ、負けないわよ」
はる「ね、ねえ。疲れたから、ちょっと休憩しない?」
寛人「そうだな。じゃあ、休憩がてら、砂の城を作ろう」
はる「え?」
凛「ほら、もう時間もなくなってきたし、プランを進めないと、ね」
はる「う、うん……」
場面転換。
寛人「ふっふっふ……。完成だ」
凛「途中で火が付いちゃって、思いがけず大作になったわね」
はる「周りからも歓声があがってたもんね」
寛人「うーん。持って帰りたいくらいだぜ」
凛「んなことできるわけないでしょ。ほら、じゃあ、最後に3人で記念撮影して帰るわよ」
寛人「おう!」
はる「……」
場面転換。
凛「いやあ、この前の海はホント楽しかったね」
はる「そ、そうだね……」
寛人「頑張って、プランを練った甲斐があったぜ」
はる「……」
凛「はる? どうかしたの?」
はる「いや、その……。海は楽しかったけど……」
寛人「けど?」
はる「……一回も海に入らなかったなって」
寛人「……」
凛「……」
寛人・凛「しまった!?」
終わり。
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