バカは風邪ひかない
- 2022.08.31
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:4人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
仁也(まさや)
千尋(ちひろ)
教師
男の子
■台本
教室内。
走り回っている仁也と2、3人の男の子。
仁也「あははは! 待てー!」
男の子「待てって言われて、待つ奴がいるかー。きゃはははは」
千尋「仁也、うるさい! もうすぐ先生来るんだから、席に座ってなさいよね!」
仁也「なんだよ、千尋。なんで、俺だけに言うんだよ!? 他の奴らだって、うるさくしてただろ!?」
千尋「あんたが一番うるさいし、あんたが最初にやりだしたんでしょ!」
仁也「ちぇっ! わかったよ! 座ればいいんだろ、座れば」
ドカッと椅子に座る仁也。
仁也「……なんか暑いな」
いきなり立ち上がり、教室の窓を開け始める仁也。
するとビューと冷たい風が教室内に吹き荒れる。
仁也「あー、涼しいー」
千尋「ちょっと! 仁也! 今、何月だと思ってるのよ!?」
仁也「え? えーっと、え? 何月だっけ?」
千尋「12月よ、12月! バカっ! 寒いから窓閉めなさい!」
仁也「えー、でも、俺、暑いし」
千尋「あんたが脱げばいいでしょ! あんた一人の為に、みんなを巻き込まないで!」
仁也「あ、そっか。俺が脱げばいいのか」
服を脱ぎだす仁也。
そのとき、ガラガラと教室のドアが開き、教師が入って来る。
教師「はい、みんな席について―。って、仁也くん、なんで裸なの!?」
仁也「千尋が脱げって言った」
千尋「全部脱げなんて言ってないわよ!」
場面転換。
通学路。
雪の上を歩く、仁也と千尋。
ビューっと冷たい風が吹く。
千尋「うう……寒い」
仁也「おいおい、千尋、お前、情けないな。こんな寒さ程度で。俺なんか、セーター一枚だぞ!」
千尋「はいはい。ったく、バカは風邪ひかないってホントね」
仁也「ん? なんだ? そのバカは風邪ひかないって?」
千尋「あんたは風邪ひかないってことよ」
仁也「マジか! すげー! 俺、スゲーな」
千尋「……いや、ただのことわざだから」
仁也「俺、無敵じゃん! よーし!」
いきなり、セーターを脱ぎだす仁也。
仁也「セーターもいらん!」
千尋「ちょ! あんた、Tシャツ一枚になってどうする気よ?」
仁也「わははははは。俺は最強なのだー」
いきなり走り出してしまう仁也。
千尋「仁也! ちょっと待ちなさい! ……って、あーあ、行っちゃった。……ま、いっか。仁也だし」
場面転換。
教室内。
教師「えーっと、今日は仁也くん、お休みです」
教室内がザワッとする。
千尋「……え?」
場面転換。
仁也の部屋。
仁也「ごほっ! ごほっ! ……へーっくしょん!」
ガチャリとドアが開く。
千尋「……大丈夫?」
仁也「うう……。千尋。俺、風邪ひいた」
千尋「見りゃ、わかるわよ」
仁也「なんでだー! 俺、風邪ひかないはずなのにー! 無敵のはずなのに―!」
千尋「……バカ」
仁也「なんでだーーー! へーっくしょん!」
終わり。