格好いい台詞

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■概要
人数:5人以上
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、ラブコメ

■キャスト
湊(みなと)
信也(しんや)
竹田(たけだ)
教師
子供1~2

■台本

教室内。
休み時間。
漫画を読んでいた湊がパタリと閉じる。

湊「あー、やっぱいいなー」
信也「だろ? 湊は何部が好きなんだ?」
湊「やっぱ、4部かな。先生のあの台詞、秀逸過ぎるでしょ」
信也「あー、あれな」
湊・信也「だが、断る!」
信也「あはははは。今や、作品を知らなくても、その台詞は知ってるっていう奴が多いからな」
湊「なんつーかさ、自分が不利な状態なのに、ビシッと断るんだぜ? 器が大きくなきゃ言えないよ」
信也「そうだな。信念がないと言えないセリフだよな」
湊「あー、俺も言いてー!」
信也「汎用性がある台詞だけどさ、やっぱり言うべきところがあるよな」
湊「そうそう。だから、俺は先生を目指して、器の大きい人間になるぜ!」

チャイムの音が鳴る。

場面転換。

教師「よーし、これでホームルームは終わりだ。明日も遅刻するなよ」

生徒たちが立ち上がり、帰り支度を始めていく。

湊「さてと……帰って続き読まないと」
信也「湊―、一緒に帰ろうぜ」
湊「いいぜ」

そこに竹田が現れる。

竹田「よお、湊」
湊「……あ、竹田くん。どうしたの?」
竹田「俺さー、今日、ちょっと用事があるんだよ。だから、掃除当番変わってくれよ」
湊「ええっ! いや、だって、ほら、先週だって変わってあげたじゃない……」
竹田「ああ? だからなんなんだよ? 代われっつたら代われよ」
湊「だ、だが!」
竹田「……だが?」
湊「……喜んで」
竹田「あははは。サンキュー。じゃあ、頼んぞ」

竹田が歩き去っていく。

湊「……」
信也「おい、湊。今の場面はあの台詞を言うところじゃないのか?」
湊「いやあ……あれは無理でしょー」
信也「……まあ、気持ちはわかる」

場面転換。
机を運ぶ湊。

信也「ふう。これで終わりか」
湊「すまんな、手伝ってもらっちゃって」
信也「いや、別にいいんだけどさ。……他の掃除当番はどこ行ったんだ?」
湊「……さあ?」
信也「ホント、このクラス、終わってるよな」

そのとき、ガラガラと教室のドアが開く。

教師「お、よかった。まだ残ってた生徒がいたか」
湊「あ、先生」
教師「すまん、お前ら。ちょっと荷物運ぶの手伝ってくれ。一人じゃキツくてな」
湊「ええ……」
信也「……」
教師「な、頼むよ」
湊「はあ……わかりました」
信也「……はあ」

場面転換。
荷物を運ぶ湊と信也。

湊「くそ、重い……」
信也「てかさー。さっき、あの台詞、言うタイミングだったんじゃねーの?」
湊「……あ、確かに。……けど、先生の頼み断って、内心下げられたら、なんか嫌だし」
信也「うーん。信念ゼロだな」

場面転換。
道を歩く湊と信也。

湊「あー、くそ。マジで疲れた」
信也「あれだけ、頑張って、ジュース一本だもんな」
湊「ビシッと断ってやればよかったな」

そこに子供たちが走り寄ってくる。

子供1「あー、湊兄ちゃんだー」
湊「ああ、お前らか」
子供2「ねえねえ、お兄ちゃん、遊んで」
子供1「遊んで遊んで」
湊「そうだなぁ……」
信也「……まさか」
湊「だが、断る!」
子供1「ええー! なんでなんで?」
子供2「遊んでよー」
湊「帰って漫画読まなきゃならないから、ダメだ!」
子供1「お兄ちゃんのケチ!」
子供2「ケチー」
湊「ふん、なんとでも言え」
信也「……器が小さい」

子供たちが文句を言いながら行ってしまう。

湊「ふっふっふ! どうだ!? ついに、言ってやったぜ!」
信也「……格好いい台詞が台無しだよ」

終わり。

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