ギャップ
- 2023.11.20
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:3人
時間:3分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
陽介(ようすけ)
千昌(ちあき)
帆波(ほなみ)
■台本
朝。部屋で寝ている陽介。
陽介「……(寝息)」
いきなり、バタンとドアが開く音。
千昌「陽介! 遅刻するわよ!」
陽介「うわあ!」
驚いて飛び起きる陽介。
場面転換。
通学路。陽介と千昌が歩いている。
陽介「……お前さぁ。もう少し、優しく起こせないわけ?」
千昌「はあ? あれぐらい声出さないと、あんた起きないじゃない。大体、毎回、起こしてもらえるだけありがたく思いなさいよ」
陽介「それはまあ……助かってるけどよ」
千昌「なら、文句言わない」
少し歩く陽介と千昌。
陽介「なあ、千昌。お前、なんで俺にここまでしてくれるんだ?」
千昌「なによ、急に?」
陽介「ほら、なんつーか、毎朝、起こすって大変だったりするだろ?」
千昌「んー。もう習慣になってるからなぁ。別に大変って思ったことはないかな」
陽介「それでもさ、赤の他人を毎朝起こすことはしないわけだろ?」
千昌「そりゃね」
陽介「……なんで、俺だけ、起こしてくれるのかなって」
千昌「お隣同士だからじゃない?」
陽介「よく漫画とかであるだろ? 幼馴染が付き合う、なんて展開」
千昌「あはははは。あんたと私に限って、それはない」
陽介「だ、だよな……」
場面転換。
教室内。休み時間。
帆波「それは男として見られてないね」
陽介「やっぱり?」
帆波「よく、漫画とかであるじゃない? 近すぎて恋愛の対象にならないって、展開」
陽介「その展開はあって欲しくなかったな」
帆波「このままじゃ、最悪、男とみられないうちに、千昌に男ができるパータンね」
陽介「な、なんとかならないか?」
帆波「んー。そうだなぁ。やっぱり、女ってギャップに弱いのよ。今まで意識してなかった異性から感じれば、破壊力大ね」
陽介「ギャップか……」
場面転換。
陽介の部屋。
バンとドアが開く音。
千昌「陽介! 遅刻するわよ!」
陽介「千昌―。おはようのちゅーして」
千昌「……」
場面転換。
通学路。
陽介と千昌が歩いている。
陽介「千昌―。手、繋ごうよ」
千昌「……」
バンとカバンで顔を叩かれる陽介。
陽介「いってっ! なにすんだよ!」
千昌「目、覚めた?」
陽介「覚めてるに決まってんだろ」
千昌「じゃあ、朝からのあのキモさは何なのよ」
陽介「あー、いや、ギャップをだな」
千昌「ギャップ?」
陽介「ほら、男ってギャップがある方がいいんだろ? だから、ちょっと子供っぽいところを出してみたんだが」
千昌「はあ……」
陽介「なんだよ?」
千昌「あんた、元々、子供っぽいんだからギャップにならないわよ」
陽介「っ!?」
終わり。