時間停止能力
- 2024.02.01
- ボイスドラマ(10分) 退避

■概要
人数:2人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
大和(やまと)
凌空(りく)
■台本
通学路。
大和と凌空が並んで歩いている。
大和「時間を止める能力っていいよなー」
凌空「……なんだ? 読んでる漫画に出てきたのか?」
大和「いや、そうじゃなくってさ。1日が24時間って短いなって思ってさ」
凌空「……それが、なんで時間を止める能力の話に繋がるんだ?」
大和「だってさ、時間を止めれば、1日が24時間じゃなくなるんだぞ?」
凌空「……まあ、1日が24時間なのはかわらないけど、体感的には24時間じゃ無くなるよな」
大和「俺はさ、ゲームだってやりたいし、漫画も読みたい、ユーチューブだって見たい。全部やってると、本当に時間が足りないんだよ」
凌空「……そこは建前でも、勉強するもいれろよ」
大和「勉強なんて、時間の無駄じゃん」
凌空「……そんなんだから、お前はいつも赤点取るんだよ」
大和「別に痛くねーし」
凌空「結局、それで補習受けることになるなら、その方が時間の無駄じゃね?」
大和「うっ! そ、それより! 時間を止めれると、さらにいいことあるぞ」
凌空「誤魔化したな」
大和「時間を止められれば、覗きや女の子に触りたい放題だぞ」
凌空「……なんのエロ漫画だよ」
大和「手に入らねーかな。時間停止能力」
凌空「……そんなことを考えているのが一番、時間の無駄だと思うけどな」
大和「あっ! いいこと思いついた!」
凌空「……」
大和「時間停止までは無理だとしてさ、早く動けるようになればいいんじゃねーか?」
凌空「どういうことだよ?」
大和「つまり、100メートルを15秒で走れるとするじゃん?」
凌空「ああ」
大和「それを1秒で走れるようになれば、15倍、時間を短縮することができる。ということは、1日24時間だけど、体感的には、24かける15の時間の長さがあることになる!」
凌空「いや、そうはならんだろ」
大和「よし! そうと決まれば、今日から特訓だ! ……お前も一緒にやるか?」
凌空「いや、いい」
大和「ふん。お前はせいぜい、1日24時間という枠にとらわれたまま、無駄な時間を過ごせばいいさ」
場面転換。
走っている大和。
大和「うおおおおおおお!」
場面転換。
筋トレしている大和。
大和「うおおおおお!」
機材がガッシャンガッシャン鳴っている。
場面転換。
大和「うおおおおおおおお!」
特訓が続く。
場面転換。
土手。
大和「はあ、はあ、はあ……」
そこに凌空がやってくる。
凌空「よお、どうだ? 100メートル、1秒で走れるようになったか?」
大和「くそ。まだ、14秒だ! だが、諦めん! 俺は漫画やゲームをやる時間を手に入れるため、やり遂げてみせる!」
凌空「……その特訓時間を漫画やゲームに当てればいいんじゃないか?」
大和「……っ!」
深呼吸する大和。
大和「さてと。帰って、ゲームでもするか」
凌空「……盛大に時間を無駄にしたな」
終わり。