本編

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【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉑

  • 2019.03.17

「こいつはオーイット墓地の貴族だな」  屋敷の端にある医務室。  白衣を着た、老人ゾンビが真っ二つにされたゾンビを縫い合わせているのを見ながらアメリアが呟く。  ちなみに、ニナは真っ二つのゾンビの左半分を持って、ここについた瞬間、白目を剥いて気絶した。  だから今は真っ二つゾンビの隣のベッドで寝ている。 「隣街のやつか。なんで、またこんな早夜に」 「知らん。……が、恐らく亡命だろうな」 「なんで分 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑳

  • 2019.03.12

第2章 アメリアの秘密 それは満月の夜のことだった。 コウモリがキィーーー!と甲高い鳴き声で目が覚める。  ……もう、夜か。  ダルイ。  二度寝したい。  ベッドの上でアクビをしながら伸びをするが、寝起きで頭がボーッとしている。 「チャーリー。早よ、来い。防腐剤配りに行くで」  ボブがガチャリと僕の部屋のドアを開けて覗き込んできた。 「先に行っててくれ。すぐ行くから」 「なんやねん。まだ着替えて […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑲

  • 2019.03.12

次の日の夜。ニナはアメリアの前で土下座をしている。 「……で? 貴様は何をしていた?」 「ね、寝てましたー」 ブチッ!っとアメリアのこめかみの血管が切れ、ブシュッ!と血が噴き出す。 「寝、て、た、だと?」 「だってぇー。三日間ずっと徹夜続きだったんですー!」 「貴様が寝ていたせいで、何体のゾンビ犬が街に入ってきたと思ってるのだ!」 「ご、ごめんさーい!」 ガクガク震えながら、何度も土下座をするニナ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑱

  • 2019.02.27

一方的な殺戮だった。 いや、拷問と言ったほうがしっくりくるかもしれない。 アメリアが放った光の玉はあっさりと墓荒らしの腕を吹き飛ばし、さらに次の玉で足を木っ端微塵にする。 「う、うう……」 倒れた墓荒らしの方へ歩み寄るアメリア。 「あたしの墓地に手を出すなんて、随分と肝が座っているな。もちろん、死ぬ覚悟……いや、死すら生ぬるいと思えるほどの苦痛を受ける覚悟は出来てるだろうな?」 「……お、俺に手を […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑰

  • 2019.02.26

「起きろ! ニナ」 「ふへ? なーに?」  眠そうに目をこすりながらムクリと起き上がる。 「作戦を思いついたぞ」 「作戦?」 「一発逆転だ」  ふっふっふ、と笑って見せるとニナはガクガクと震えだす。 「うわっ! エロいこと考えてる顔だ!」 「違せめて悪巧みしてるって言え!」 「どっちにしても、変態だね」 「お前なぁ、横でダラダラよだれ流しながら寝てたくせに、いちゃもんつける気か?」 「ヨダレなんて […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑯

  • 2019.02.25

 結論から言うと、僕の作戦というか犯人探しは失敗に終わった。  一応は容疑者というか、それぞれの街にいる体が結構揃っている奴に会ってきたのだが、アリバイがあったり体格が違ったりして、調査は難航した。  それっぽい奴もいたけど、「お前が犯人だな!」と言うわけにもいかないし、結局は現行犯で捕まえないと意味がないことを最後の一人に会った時に気づくという体たらく。  くそ、時間を無駄にしたぜ。  というわ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑮

  • 2019.02.25

「ドクロ、怖いんだもんっ!」  二時間後、目を覚ましたニナを問い詰めると、泣きながら言い訳を始めた。 「私、昔からドクロとか、お化けとか苦手で……。見ると気絶しちゃうの」 「ええー。お前自身も、お化けみたいなもんじゃねーか」 「これでも、ゾンビはなんとか慣れたんだけどね……。ドクロはどうしても……」 「じゃあ、過去二回、寝てたっていうのは……」 「うん。気絶してたの……」  肩を落とし、しょんぼり […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑭

  • 2019.02.22

 ――ガリガリガリ。墓石が削られる音が聞こえてくる。 「どうやら、ビンゴのようだな」 「そ、そうみたいだね」 「準備はいいか?」 「う、うん」  僕は勢い良く、墓石の影から飛び出し墓石を削っているやつにビシッと指を指した。 「貴様の悪事はそこまでだ!」 「え?」  そいつはビクっと体を震わせて僕を見上げた。手には石を削るためのノミを持っている。  とにかく顔の確認が先だと思い、そいつの顔を見たが― […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑬

  • 2019.02.12

「チャーリー君、伏せて!」  ニナの声で咄嗟に地面に伏せる瞬間、頭の上を何かがかすめる。 「ぎゃわんっ!」  けたたましい音と同時にゾンビ犬が横に一刀両断され、ぱかりと割れた。  うーん。  実にグロイ。  これはトラウマものだ。    犬が地面に落ちると同時に、髪もひらひらと落ちてくる。    ……僕の髪だ。  一瞬でも伏せるのが遅かったら、ゾンビ犬の代わりに僕の頭が真っ二つになっていただろう。 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑫

  • 2019.02.04

「本当にごめんね」  ニナがハエのように手をすり合わせて謝罪の言葉を口にする。これで、もう三十六回目だ。 「だから、いいって言ってるだろ。僕だって同罪なんだからさ」 「チャーリー君、優しいね。好きになっちゃいそう」 「悪い。ゾンビは無理」 「ひどいっ!」  目をバッテンにして、ガーンとショックを受けるニナ。  このやり取りも、すでに十五回目だ。 「それにしても……本当に広いな」  視線を上げると、 […]

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