本編

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【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊹

  • 2019.07.06

 バンと大広間のドアを勢い良く開ける。  僕の視線の先にはクラムがいて、玉座に座っていた。その周りには百体以上のゾンビ兵がいる。 「なんだ、貴様は?」  クラムが僕を見下して、不機嫌そうに鼻を鳴らす。 「チャーリー・バロット。アメリアの下僕さ」 「……雑魚には興味ない。おい、お前ら、こいつをつまみ出せ」  クラムの命令で、百体程いるゾンビ兵がこっちに向かってやってくる。が、 「どけ」  僕の怒りを […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊸

  • 2019.06.30

 城の入り口付近まで行くと、ちょうどアメリアと遭遇する。  手を縄で縛られ、二人の兵士にはさまれるようにして歩いていた。  真っ直ぐ前を見て、胸を張っているアメリア。  ……お前、どうしてそんな顔ができるんだよ。怖くないのか?  取り敢えずアメリアと兵士二人が僕の前を横切り通り過ぎるのを待つ。  ――そして。 「ぐおっ!」 「ぐあっ!」  後ろから剣の鞘で殴り、兵士を気絶させる。 「アメリア、無事 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊷

  • 2019.06.30

 僕らはクラムの城の地下牢に入れられた。  馬鹿デカイ牢屋に、ギュウギュウ詰めにされている。  地下牢は横幅の狭いろうかに挟まれるにして、両壁に向かい合わせのように作られていた。  そこに、二組に分けられて押し込められている。  僕はニナと同じ方になり、ランシエとガンツは向かい側の牢に入れられた。 「やっぱり、チャーリー君と私は運命で結ばれてるんだよ」  僕の腕に絡みつくようにして、ランシエに対し […]

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  • 2019.06.10

 アメリアがクラムの兵に連れられてから、二日が過ぎた。  相変わらず、アメリアやクラムから何も情報が入って来ない。 「いくらなんでもおかしいだろ!」 「チャーリー。落ち着いてください」  執務室には僕とランシエ、ニナにガンツというメンツが揃っている。 「……ガンツ、こっちから攻めることはできないのか?」 「ランシエの言う通り、冷静になるのよ、チャーリーちゃん。アメリアちゃんを助けるために『国』に喧 […]

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  • 2019.06.05

「貴様はまだ帰りたいと思うか?」  その日、クラムの調査の報告をするために執務室に行ったときである。  突然、机の上に肘を乗せて頬杖をついた状態のアメリアから問いかけられた。 「へ? 帰りたい? ああ、そっちか。うん……まあ、そうだな」  僕としては生き返ることを正直言って忘れていたくらいだった。  そういえば、最初はそれが目的だった気もする。  最近はこっちの生活が当たり前になってるから、変な話 […]

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  • 2019.06.04

「チャーリー。グッドアフタヌーン」  一旦部屋に戻ろうと歩いていると、ふと後ろから声をかけられる。  振り返ってみると、そこには手を後ろで組んだランシエが立っていた。 「完全に深夜になってるけどな。で? どうしたんだ? 僕に用事か?」 「会いにきました。今、暇ですか?」 「来てくれたのは嬉しいが、さっき、アメリアから難題を押し付けられてさ。部屋で作戦を練ろうかと思ってるんだ」 「良かった。それでは […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊳

  • 2019.06.03

 執務室のドアをノックすると「どうぞぉ」という気持ち悪い声が聞こえてくる。  前まではこの部屋には一人しかいなかったから、アメリアが返事してくれていたが、今は副官代理がいるから毎回、ガンツの声で返事されるのだ。  別にアメリアの声が好きってわけじゃないけど、ガンツの気持ち悪い声よりは心臓に優しかった。  ドアを開けると、どデカイ机に座ったアメリアが真正面に見る。  その横にガンツが立っていた。 「 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊲

  • 2019.06.01

 日が沈むか沈まないか、ギリギリの時間。  僕が生きていた頃は夕方と言われ、一日の終わりを意味する時間だった。  だけど、今は活動開始を告げる、憂鬱な時間になってしまっている。  意識が虚ろい、微睡みの瞬間は結構至福の時間だ。一秒でも長く味わいたい。  布団に丸まるようにベッドの上で寝返りを打つ。  ――バン!  勢い良く扉が開かれる音が、耳の奥に響いて意識を少しだけ覚醒へと近づける。 「なんやね […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊱

  • 2019.05.19

 その日のうちにトラボルタ墓地とオーイット墓地の合併が決まり、王はアメリアが着くことになった。 次の日の夜、トラボルタ墓地はお祭りのように賑わっていた。  住民の仕事は全て休み。  料理を作ったり、祭りの準備をしたりする奴らは交代で宴会に参加している。  そんな中、アメリアは一人で屋敷のバルコニーから街を見下ろしながらワインを飲んでいた。 「いいのか? 祭りの主賓がこんなところにいて」  アメリア […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉟

  • 2019.05.19

 笑いを止めると同時に、ガンツの目つきが鋭くなり王の貫禄を見せつけるかのように告げる。 「さてと、じゃあ、トラボルタ墓地はいただくわよ、アメリア」  だが、アメリアは落ち着きを取り戻しているようで、不敵な笑みを浮かべながら前髪を掻き上げた。 「ふん。ベラベラとご丁寧な説明、ご苦労だったな。だが、もう少し現状を落ち着いて見たらどうなんだ? ここはトラボルタ墓地。つまり、あたしの街だ。クズしかいないが […]

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