本編

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【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㊱

  • 2019.05.19

 その日のうちにトラボルタ墓地とオーイット墓地の合併が決まり、王はアメリアが着くことになった。 次の日の夜、トラボルタ墓地はお祭りのように賑わっていた。  住民の仕事は全て休み。  料理を作ったり、祭りの準備をしたりする奴らは交代で宴会に参加している。  そんな中、アメリアは一人で屋敷のバルコニーから街を見下ろしながらワインを飲んでいた。 「いいのか? 祭りの主賓がこんなところにいて」  アメリア […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉟

  • 2019.05.19

 笑いを止めると同時に、ガンツの目つきが鋭くなり王の貫禄を見せつけるかのように告げる。 「さてと、じゃあ、トラボルタ墓地はいただくわよ、アメリア」  だが、アメリアは落ち着きを取り戻しているようで、不敵な笑みを浮かべながら前髪を掻き上げた。 「ふん。ベラベラとご丁寧な説明、ご苦労だったな。だが、もう少し現状を落ち着いて見たらどうなんだ? ここはトラボルタ墓地。つまり、あたしの街だ。クズしかいないが […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉞

  • 2019.05.19

 トラボルタ墓地に戻り、アメリアに報告をする。 「なるほど……。そういう手があったか」  執務室の椅子に座っているアメリアが右手で前髪を掻き上げた。 「いや、お前、勘違いしてないか? 僕はオーイットを何とか解放できないかって言ってるんだ。断じて、こっちでも奴隷制度を取り入れろと言ってるわけじゃない!」 「あいつめ、なかなか面白いこと考えるものだ」  人の話を聞かないのは相変わらずだが、ここは引くこ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉝

  • 2019.05.02

あっという間に三日が過ぎ、オーイットから出国する日がやってきた。  僕はあれからどうランシエを説得していいか分からず、結局、あの日から顔を合わせなかった。 「もう帰っちゃうの? 寂しいわぁ……」  ガンツが僕の手をぎゅっと掴んで胸元に持っていく。固い筋肉の感触。  実に不愉快な感触だ。 「それではガンツ様、行ってきます」 「はいはい」  ランシエには興味なさそうにシッシと追い出すように手を振る。 […]

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  • 2019.04.29

 窓から見下ろす夜の街は、もう、どうしようもなく陽気な雰囲気だった。  上で必死に奴隷が働いている中、こいつらは何も考えずにただただ贅沢を満喫しているようだ。 「飲まないのですか?」  声をかけられ、テーブルの向かい側に座っているランシエの方に視線を戻すと、目の前にあるトロピカルなジュースを手にとってストローに口をつけて、ちょびっとずつ飲んでいるのが目に入った。  酒場……とは違う。もう少しおしゃ […]

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  • 2019.04.27

「奴隷?」 「はい。僕は騙されたんです。あのシルクハットの人に」  木陰で地面に並んで座ると、ゾンビはポロポロと泣きながら語り始めた。 「朝も夜もなく、僕ら奴隷は働かせされているんです。そうして、得たお金で地下の貴族たちは贅沢三昧をしているって聞きました」  脳裏に昨日の賑わっている地下の街の風景が蘇る。 「七日間の間なら他の街に移れるはずなのに、ずっと監禁されてたんです」 「……なあ、どうして、 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉚

  • 2019.04.21

 早朝。  僕はベッドから降りて辺りの気配を伺う。  足跡一つしない。 「よし、行動開始だな」  準備運動がてら体をネジってポキポキ鳴らしながら、部屋の中を見渡す。  とにかく、広くて豪華。この一言だ。  十人以上が雑魚寝できそうなほど広い上に、部屋の中央には三人ぐらい並んで寝れそうなデカイベッド。  壁にはよくわからんけど、高そうな絵画。  地上で見た風景とは真逆な建物だ。  僕は部屋から出て、 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉙

  • 2019.04.20

「まあぁ! 随分と可愛いお供を連れてきたわねぇ」 「申し訳ございません、ガンツ様。来るなとは言ったのですが……」 「いいのよ、いいのよ。可愛い子、大歓迎!」  な、な、なんだ、こいつは? ガンツ?  こいつがオーイット墓地の王なのか?  ガンツって名前からして、てっきりゴツイ奴だと思っていたのに……。  あ、いや、ゴツイにはゴツイけど……。  ガンツと呼ばれた巨漢の男は、鋼の筋肉に覆われている。 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉘

  • 2019.04.14

 お祭り。  最初に想像したのは、それだった。  地下に隠れた、活気に溢れた街。  中央に大きな広場があり、音楽隊が楽しげに演奏する。  高そうな貴族のような服を着たゾンビたちが、演奏に合わせて踊っている。  広場を取り囲むように屋台が立ち並び、良い匂いを放っていた。  よく見ると、広場にいる奴らや屋台から出てくる奴らは、食べ物の味を楽しむ程度の肉体のパーツはあるような感じだ。  呆然と辺りを見回 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉗

  • 2019.04.09

「別に着いて来なくてもいいです」  オーイット墓地への道のりを、ランシエと一緒に歩く。  遥か遠くの地平線に太陽が沈みかかり、辺りを朱色に染め上げている。 「観光だよ、観光。今度はランシエが僕を案内してくれよ」 「ぼくは観光していたわけではないですし、一度も案内してくれと頼んだ覚えはありません」 「うっ……! ま、まあ、そこは友情ってことで。な? 連れてってくれよ」 「勝手にしてください。ぼくは拒 […]

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