本編

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【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉖

  • 2019.04.07

 朝。  墓石に寄りかかって居眠りしているニナの頭にチョップをかまして起こし、そのままアメリアの屋敷に向かう。  屋敷内には人気がなく、僕が歩くコツコツという音が響く。  執務室の前で立ち止まり、ノックする。 「入れ」  中からアメリアの声がしたのを確認し、ドアを開けた。  どデカくて高そうな黒い机に向かっているアメリアの顔には疲れが見える。  オーイットから来た貴族ゾンビの尋問が進んでないのだろ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉕

  • 2019.04.05

「……美味しい」 「だろ?」  目をパチクリさせて驚くランシエを見て、ややホッとしながら僕も麺をすする。  この店特製の豚骨ラーメンだ。  あまりの美味しさに、依然、本当に豚の骨を使っているのかと問いかけたところ、口笛を吹かれて視線を逸らされてからは、怖くて追求はしてない。 「そう言って貰えて光栄だねえ」 店主のゾンビがガッハッハと笑う。 店主のおっちゃんはスープに体液が垂れないように、目の部分し […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉔

  • 2019.04.04

「……バロット。チャーリー・バロット。聞いているんですか?」  ランシエの声で、ふと我に返る。  相変わらずランシエは不審物を見るような目で僕を見ていた。 「ん? ああ、悪い。ちょっと考えごとしてたんだ」 「妙な企みは止めることですね、チャーリー・バロット。もし強行に及ぶようでしたら、ぼくは容赦なく、あなたを八つ裂きにします」 「ホント、こっちの世界の奴らって物騒なのが多いな。ああ、あと、チャーリ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉓

  • 2019.04.03

 ランシエが来たときに、アメリアに部屋の外に強引に連れ出されて一方的に押し付けられた命令は無茶苦茶なものだった。 「刻印を奪え」 「お前の、星の数ほどある欠点の中で割と重大なものの一つに、説明を省きすぎるところがあるよな」 「期限は一週間だ」 「あー。人の話を聞かないっていうのも、致命的だな」 「欲を言えば、ランシエ・クイーン自身にもバレないようにだが……まあ、これは貴様のようなクズには絶対無理だ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉒

  • 2019.03.24

「別に案内など必要ありません」 「まあまあ、そう言うなよ。せっかくなんだから、楽しめばいいだろ」  夜の街をランシエと共に、並んで歩く。  既に深夜の一時を過ぎているので、街は大賑わいしている。  ちょうど夜食の時間で、防腐剤店や死肉店の前はどこもゾンビの行列ができていた。  ゾンビの列を縫うようにして進んでいく。 「言っておきますが、ぼくは本当に観光したいわけではないんですけど」 「知ってるって […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王㉑

  • 2019.03.17

「こいつはオーイット墓地の貴族だな」 屋敷の端にある医務室。 白衣を着た、老人ゾンビが真っ二つにされたゾンビを縫い合わせているのを見ながらアメリアが呟く。 ちなみに、ニナは真っ二つのゾンビの左半分を持って、ここについた瞬間、白目を剥いて気絶した。 だから今は真っ二つゾンビの隣のベッドで寝ている。 「隣街のやつか。なんで、またこんな早夜に」 「知らん。……が、恐らく亡命だろうな」 「なんで分かるんだ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑳

  • 2019.03.12

第2章 アメリアの秘密 それは満月の夜のことだった。 コウモリがキィーーー!と甲高い鳴き声で目が覚める。  ……もう、夜か。  ダルイ。  二度寝したい。  ベッドの上でアクビをしながら伸びをするが、寝起きで頭がボーッとしている。 「チャーリー。早よ、来い。防腐剤配りに行くで」  ボブがガチャリと僕の部屋のドアを開けて覗き込んできた。 「先に行っててくれ。すぐ行くから」 「なんやねん。まだ着替えて […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑲

  • 2019.03.12

次の日の夜。ニナはアメリアの前で土下座をしている。 「……で? 貴様は何をしていた?」 「ね、寝てましたー」 ブチッ!っとアメリアのこめかみの血管が切れ、ブシュッ!と血が噴き出す。 「寝、て、た、だと?」 「だってぇー。三日間ずっと徹夜続きだったんですー!」 「貴様が寝ていたせいで、何体のゾンビ犬が街に入ってきたと思ってるのだ!」 「ご、ごめんさーい!」 ガクガク震えながら、何度も土下座をするニナ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑱

  • 2019.02.27

一方的な殺戮だった。 いや、拷問と言ったほうがしっくりくるかもしれない。 アメリアが放った光の玉はあっさりと墓荒らしの腕を吹き飛ばし、さらに次の玉で足を木っ端微塵にする。 「う、うう……」 倒れた墓荒らしの方へ歩み寄るアメリア。 「あたしの墓地に手を出すなんて、随分と肝が座っているな。もちろん、死ぬ覚悟……いや、死すら生ぬるいと思えるほどの苦痛を受ける覚悟は出来てるだろうな?」 「……お、俺に手を […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑰

  • 2019.02.26

「起きろ! ニナ」 「ふへ? なーに?」  眠そうに目をこすりながらムクリと起き上がる。 「作戦を思いついたぞ」 「作戦?」 「一発逆転だ」  ふっふっふ、と笑って見せるとニナはガクガクと震えだす。 「うわっ! エロいこと考えてる顔だ!」 「違せめて悪巧みしてるって言え!」 「どっちにしても、変態だね」 「お前なぁ、横でダラダラよだれ流しながら寝てたくせに、いちゃもんつける気か?」 「ヨダレなんて […]

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