本編

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【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑪

  • 2019.02.01

「アメリア。本当にニナを追放するのか?」 「くどい」 「なら、僕も墓守はできない」 「……どういうことだ?」 「ニナを追放するというなら、当然僕も追放になるということだ」 「……話が見えん。ちゃんと説明しろ」  視線だけでゾンビを殺せそうなほどの殺気を込めた目で僕を見てくる。  気を抜けばすぐに土下座してしまいそうなほど、精神的な圧迫感があるがここは退けない。 「アメリア。お前は僕に、ニナを手伝っ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑩

  • 2019.01.30

「ごめんなさーい!」  次の日の夜。ニナはアメリアの前で土下座していた。 「ニナ・ローツ。あたしの脳みそが腐っていて、言葉を誤認しているというなら言ってくれ。あたしは、今、貴様に『また墓が荒らされた』と報告された気がするのだが……」 「ふえーん。その通りです!」  ビキッ、っと音が聞こえてきそうなほどアメリアのこめかみの血管が大きく躍動する。  それでも今回のアメリアは玉座の肘掛を握り潰すことでな […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑨

  • 2019.01.15

「うえーん。怖かったよー!」  ニナが僕の胸で大泣きしている。  ……結構、ガチで。  ちょっと引く。 「まあ、落ち着けって。ほら、ハーブティーだ。飲め」  まだ絨毯や床に血が残っている応接室でニナから話を聞くことにした。  クラムが来た時には片付けていたガラスのテーブルが元の位置に戻されている。  そこに煎れたての紅茶が二つ置かれていて、ほのかに湯気がゆらゆらと揺らぐ。  ニナを引き剥がすと、デ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑧

  • 2019.01.13

「……よく聞こえなかったな。ニナ・ローツ。もう一度報告しろ」 「そ、その――寝てました。申し訳ありませーん」  報告室という名の玉座の間。  アメリアがいつものようにチャイナドレスを身にまとって玉座に座り、皆の報告を聞いている。  そのアメリアの前で土下座をしているニナ。  僕やゾンビたちはニナを取り囲むように、オロオロしながら立ちすくんでいる。 「寝、て、た、だと?」  血管をビキビキと浮き上が […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑦

  • 2019.01.11

〇 新米墓守、ニナ・ローツ  街の通りにはびっしりと街灯が並び、空に浮かぶ満月など比べものにならないほど光って通りを照す。    真夜中。    さすがにゾンビが一番活発化する時間だ。  通りにはびっしりと人……いや、ゾンビが行き交い、買い物やら散歩やらで賑わっている。  街の外の通りとはまったく違う活発化しているのを見て、最初は驚いたものだが今では若干、この賑わいイラっとするくらいだ。    ト […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑥

  • 2019.01.10

 ……なにしに来たんだ、あいつ。  イヤミを言いに来ただけか?   クラムが出て行った瞬間、ゾンビたちがギリギリと骨を鳴らしながら怒号のような声をあげる。 「くそっ! あのエロゴリラ! アメリア様の乳を舐めまわすように見よって!」 「鎖骨も見てたぞ!」 「肩もだ!」 「アメリア様のエロい体を見ていいのは俺らだけなのに……ぶべ!」  力説していたゾンビの頭が、アメリアの裏拳で吹き飛ぶ。 「うるさい」 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王⑤

  • 2019.01.09

 ガチャリと扉が開く音。  続いてゾロゾロと人が入ってくる音が聞こえてくる。  ……足音からして、靴を履いてるな。  ということは、割と金持ちだ。  基本、ゾンビたちは靴を履かない。  痛覚がないから、何かを踏んづけても気づかないくらいだし、あいつらの足の裏自体が外の地面より汚い。  ということで、そもそも靴を履く意味がない。    もちろん、僕は履いている。  そこらじゅうに肉片が落ちてるし、あ […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王④

  • 2019.01.08

「おいおい、なにボーっとしてんねん。昨日の興奮がまだ治まらんのか?」  ホウキを持ちながら考え事をしている僕に、ボブがポンと肩を叩いた。  応接室内を所狭しとゾンビたちが掃除しているので騒がしい。 「まあ、生体でアメリア様に踏まれたんやから、当然っちゃ、当然やろうな。どや? 気持ちよかったんか?」  まぶたがなく、むき出しになった目を輝かせてボブがにじり寄ってくる。 「僕はお前らと違って変態じゃな […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王③

  • 2018.10.19

 あれは三ヶ月ほど前のことだった。  僕は気がつくとこの世界……駅前の大通りに一人ぽつんと立っていた。  荒地に石畳の道路が一直線に続いている。  路の両脇には明らかに誰も住んではいないだろう、廃墟が立ち並んでいた。 「ここはどこなんだ……」  空には満月が煌々と光っていたが、特に街灯もなかったし、霧がかかって不気味だったから薄暗い感じがした。 「記憶が曖昧だ……。僕は確か駅にいたはずなのに……」 […]

【Webライトノベル】チャーリー・バロットと墓場の女王②

  • 2018.10.17

「チャーリー・バロット。どういうことか、説明してもらおうか」  洋館……というよりは城の中と言った方がしっくりと来る部屋。  舞踏会でもできそうなほど広く、自分の顔が写るほど磨きぬかれている大理石の床は傷一つ無い。  部屋の中央を縦断するように赤く四角い絨毯が敷かれていて、その先には段差があって玉座が鎮座されている。  この部屋には四つの太い、白い柱と絨毯と玉座しかない。まるで中世の王の間というの […]

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