リップクリーム

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■概要
人数:3人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
アオイ
マコト
母親

■台本

アオイが走ってくる。

アオイ「マコトー! お待たせ」

マコト「アオイ、遅かったね」

アオイ「ごめん。着替えに手間取っちゃって」

マコト「ん? 制服のままじゃん」

アオイ「え? あ、違う違う。5限目、体育だったから」

マコト「そうだったんだ。じゃあ、買い物行こうか」

アオイ「うん」

場面転換。

店内を見て回っているアオイとマコト。

マコト「アオイ、見て見て。これ、可愛いよ」

アオイ「あ、ホントだー」

マコト「……お揃いで買っちゃおうか?」

アオイ「うん、いいね」

マコト「ふふ」

アオイ「どうかした?」

マコト「なんか嬉しいなーって。アオイとお揃いの物が持てるなんてさ」

アオイ「ふふふ。私もだよ」

場面転換。

ガチャリとドアが開く音。

母親「蒼。あんた、母さんのカミソリ使ったでしょ?」

アオイ「え? いいじゃん、別に」

母親「あれはお母さんのムダ毛処理用なんだから、使わないで。あんたのは毛が太いんだから」

アオイ「……こっちだって色々毛の処理が必要なの」

母親「まあ、年頃だからわかるけど……。あれ? その制服、誰の?」

アオイ「ちょっと。用事終わったなら、出てってよ」

母親「はいはい」

ガチャリとドアが閉まる音。

アオイ「……ったく」

場面転換。

アオイが歩いてくる。

アオイ「マコト、待った?」

マコト「ううん。今、来たところ」

アオイ「そっか。じゃあ、今日はどこに行く?」

マコト「駅の近くにお洒落な喫茶店で来たんだって。そこに行かない?」

アオイ「うん、いいね。ちょうど、喉渇いたし」

マコト「……」

アオイ「え? どうかした?」

マコト「……もしかして、アオイ、化粧してる?」

アオイ「……バレた?」

マコト「わかるよ。それくらい」

アオイ「そっか……」

マコト「私と会うのに、そんな気合入れなくていいのに」

アオイ「私はね……。マコトには一番良い顔を見せたいの」

マコト「……アオイ」

アオイ「……って、やっぱ、変だよね。女の子同士でこんなこと言うなんて」

マコト「……そんなことない。私は凄く嬉しいよ。でも……私は、怖いな」

アオイ「え?」

マコト「……アオイに嫌われたらって思ったらさ」

アオイ「マコト……。私ね、どんなことがあっても、マコトのこと嫌いにならないよ」

マコト「ホント?」

アオイ「うん。絶対。……マコトは?」

マコト「私もだよ。絶対、アオイのこと、嫌いになったりしない」

アオイ「嬉しい……」

場面転換。

リビングのドアを開くアオイ。

アオイ「お母さん! 部屋、入ったでしょ!」

母親「ああ、ちょっと化粧品借りたのよ」

アオイ「勝手なことしないでよ」

母親「いいじゃない。あんた、使わないんだから」

アオイ「……自分は人のを使うなって言うくせに」

母親「はいはい。ごめんごめん」

アオイ「……ったく」

場面転換。

アオイが歩いてくる。

アオイ「お待たせ」

マコト「今日は寒いね」

アオイ「うん。冬は寒いのもあるけど、乾燥も嫌だよね。唇、カサカサだよ」

マコト「あ、ちょっと待って」

マコトがカバンをガサゴソする音。

マコト「これ、新作のリップクリーム」

アオイ「へー。可愛いデザインだね」

マコト「ふふっ」

マコトがリップクリームを自分の唇に塗る。

マコト「どう?」

アオイ「すごい、プルプルになったね」

マコト「アオイ、もう少し顔を寄せて」

アオイ「なに?」

チュッとキスをするマコト。

アオイ「……マコト」

マコト「へへ。リップクリームのおすそ分け」

アオイ「……も、もう一回、いいかな?」

マコト「もう、アオイったら……」

そのとき、ビューと風が吹く。

アオイ「あっ!」

ドサッとカツラが落ちる。

アオイ「やばっ!」

マコト「アオイ……お前……」

アオイ「違うの、マコト……って、え?」

マコトもカツラを取る。

アオイ「……マコトもカツラ?」

マコト「お前、男かよ!」

アオイ「マコトこそ!」

マコト「なんで、女装なんて……」

アオイ「うるさいな。彼女が欲しかったんだよ! 女装すれば、女に近づきやすくなるだろ」

マコト「……まさか、同じこと考えてるやつがいるなんて……」

アオイ「もしかして、好きにさせちゃえば、男だって言っても付き合い続けてくれると思ったとか?」

マコト「……そうだよ」

アオイ「うっそ……。同じかよ。って、ちょっと待って。俺、男に必死にアプローチしてたってこと?」

マコト「いや、こっちの台詞だよ」

アオイ「……てか、さっき」

マコト「あっ……」

アオイ「俺、ファーストキスだったんだけど」

マコト「俺だって……」

アオイ・マコト「……」

アオイ・マコト「うわーーーーーー!」

終わり。

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