パンツと水着の境界線

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■概要
人数:3人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、ファンタジー、コメディ

■キャスト
ライアン 17歳
ジョシュア 17歳
キース 17歳

■台本

放課後の教室内。

ライアン「なあ、ちょっと悩みがあるんだが、聞いてくれないか?」

ジョシュア「ああ、お前が悩みだなんて、珍しいな」

キース「なんでも言ってくれよ」

ライアン「……パンツと水着の差ってなんだと思う?」

ジョシュア「え?」

ライアン「実は昨日、妹と口論になってさ。パンツも水着も変わらないんじゃないかって言ったんだよ。そしたら、妹は恥ずかしさが全然違うって言うんだ」

キース「……」

ライアン「そんなに違うものかなぁ?」

ジョシュア「……ライアン」

ライアン「なんだ?」

ジョシュア「お前の妹が正しい」

キース「だな」

ライアン「そうかぁ?」

キース「全然違うって。なあ?」

ジョシュア「ああ。もちろん、水着もいいもんだけどさ。やっぱ、パンツは別格だよ」

ライアン「……別格か」

キース「でもさ、これって議論の余地がある議題だよな」

ジョシュア「……そうだな」

キース「確かにさ、なんでこんなに違うんだろうな」

ジョシュア「……生地の厚さ、とかか?」

キース「パンツの方が薄い生地だから興奮度が違うってことか」

ジョシュア「やっぱり、薄い方が体に密着してるってことだからな。そりゃ興奮もするってもんだ」

ライアン「そうか? 今は、水着でも結構、薄いの出てないか?」

キース「うっ!」

ジョシュア「言われてみるとそうだな」

ライアン「それにさ、厚さが違うって言っても、何ミリ単位だろ? そんなの、パッと見て、違いがわかるか?」

キース「……そう言われるとな」

ジョシュア「……確かにな」

キース「うーん。そうなってくると、益々、わからなくなってきたな。水着とパンツの差ってなんなんだ?」

ジョシュア「……ちょっと、この写真を見てくれ」

ジョシュアがガサガサと懐を探る。

キース「……おお!」

ライアン「……」

キース「お前……これ、どうやって……」

ジョシュア「まあまあ、この際、どうやって撮ったかはいいじゃないか」

キース「そ、そうだな」

ジョシュア「それより、どう思う? この写真」

キース「素晴らしい、パンチラだ」

ジョシュア「でもさ、これって実は水着なんだよ」

キース「マジかよ! 詐欺じゃねーか。ガッカリだよ!」

ジョシュア「……ふむ。そうなるよな」

キース「なんだよ?」

ジョシュア「いや、本当は水着っていうのが嘘なんだ」

キース「……あっ」

ジョシュア「気づいたか?」

キース「ああ」

ライアン「……どういうことだ?」

キース「つまりな。写真の内容は同じなのに、パンツって言われるのと、水着って言われるのとで、見方が変わるって話だ」

ジョシュア「本当に不思議だな。同じ写真なのに、興奮度が全く違うんだよ」

キース「ということは、パンツと水着という物体っていう話よりも、概念の話になってくるってことだな?」

ジョシュア「そういうことになるな」

ライアン「……なんか、難しいな」

キース「ん? わかったぞ! その正体は恥じらいだ」

ジョシュア「どういうことだ?」

キース「人間ってやつは、秘密にされると見て見たい、秘密にしたいことを見られるのは恥ずかしいと思うだろ?」

ジョシュア「まあ、そうだな」

キース「つまりだ。パンツは見られると恥ずかしいから隠す。隠すから見たくなる。だからこそ、見れたときの興奮度が上がるんだ」

ジョシュア「ふんふん。なるほどなるほど」

キース「逆に水着は見られるために作られている。だから隠すことはしない。だから、見た方もそれほど興奮はしないってわけだ」

ジョシュア「……そうか。そういうことか! 恥ずかしがり屋の女の子が水着に着替えるのが恥ずかしいって思ってる場合、その水着姿には物凄く興奮する……」

キース「逆に、見せパンは萎える」

ジョシュア「そうか。そういうことだったんだ」

ライアン「……えーと、つまり、結論はこうだな? たとえ、水着でも本人が恥ずかしいって思ってなければ問題ない」

キース「ん? んー。まあ、そうだな」

ライアン「やっぱりそうか。うん。俺が正しかった。やっぱり妹は気にし過ぎだったってことだな」

ジョシュア「どういうことだ?」

ライアン「いやさ、この前、服の整理してて、古いパンツを大量に捨てたんだよ。でさ、そのせいで、履くパンツが無くなっちまってさ。それでパンツの代わりに水着を履いてたんだよ。そしたら、妹が恥ずかしいことしないでって言ってきたんだ」

キース「え? ちょっと待て」

ジョシュア「……今までのパンツと水着の話って、お前のことだったのか?」

ライアン「え? そうだよ。そう言ったじゃん」

キース「……はあ。どうでもいいんじゃねーの」

ライアン「え?」

キース「熱くなって損した。帰ろうぜ」

ジョシュア「そうだな」

ライアン「待てよ。どういうことだ?」

キース「一つだけ言っておく。パンツと水着の境界線は女の子だから発生するんだ」

ジョシュア「男の場合はどうでもいい。それが答えだ」

キースとジョシュアが立ち上がって去っていく。

ライアン「……なんなんだよ」

終わり。

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