ジャンケン

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■概要
人数:4人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現実、コメディ

■キャスト
宗吾(そうご)
花梨(かりん)
男1~2

■台本

3人がジャンケンしている。

宗吾・男1・男2「最初はグー。じゃんけん……」

宗吾・男1・男2「ぽん!」

男1「あーくそ!」

男2「また、宗吾の勝ちかよ」

宗吾「はっはっは。俺に挑むのなんて10年はええ!」

宗吾(N)「俺は特別な力がある。なんと、ジャンケンで、相手が出す手がわかるというものだ。これで、俺はジャンケンで負けたことがない。……ふふ。自分の力に惚れ惚れするぜ」

男1「けど、まあ、宗吾はジャンケンくらいしか、取り柄がないけどな」

男2「ジャンケン強くなかったら、宗吾って、生きてる意味ないくらい、どうしようもないよな」

宗吾「うるせーな……」

宗吾(N)「そうなのだ……。ジャンケンに勝てるからといって、別にいいことなんてあんまりない。ジュースを奢ってもらえたり、宿題を写させてもらえたり、みたいな小さいことしか良い思いをしたことない……」

花梨がやってくる。

花梨「へー。宗吾くんって、ジャンケン強いんだ?」

宗吾「あっ! 花梨ちゃん」

花梨「ジャンケン強いの?」

宗吾「あー、いや、まあ……ちょっとだけ」

花梨「いいなぁ。私、ジャンケン弱いんだよねー」

男1「あー、確かに森山さんって、弱そう」

花梨「ひどい……」

男2「別にいいんじゃない? ジャンケンくらい弱くても。強くても、あんま、いいことないよな? 宗吾」

宗吾「俺に言うな……」

花梨「ねえ、どうやったら、ジャンケン強くなれるの?」

宗吾「あー、うーんと……。なんていうか、勘?」

花梨「私、勘がないのかな?」

男1「なさそう」

男2「ないね」

花梨「ひどい……」

宗吾「まあまあ、二人が言うように、ジャンケン強くても、あんまりいいことないと思うよ」

花梨「でも……。私、ジャンケンに勝ってみたいな。ジャンケンで勝ったら、いいことありそうだし……」

宗吾「……」

宗吾(N)「うう……。やっぱ、花梨ちゃんは可愛いなぁ」

花梨「ねえ、私と勝負して」

宗吾「へ?」

花梨「強い人とジャンケンしてれば、私も強くなるかなって……」

男1「いや、そうはならないでしょ」

男2「うんうん」

花梨「やってみないとわからないでしょ!」

宗吾「うーん……」

宗吾(N)「俺のは、技術じゃないからなぁ。ジャンケンやって、さらに花梨ちゃんを追い詰めたくないし……」

花梨「ねえ、お願い!」

宗吾「うーん……」

花梨「じゃあ、こうしようよ。負けた方は勝った方の言うこと、何でも聞くっていうのはどう?」

宗吾「え?」

男1「いや、森山さん、宗吾にその条件は色々危険だって!」

花梨「いいの! それくらい追い詰めないと、勝てないよ!」

男2「そういうんじゃないと思うけど」

宗吾「ほ、ホントに何でも?」

花梨「なんでも!」

宗吾「い、いいよ! やろう!」

男1「うわー、宗吾、エロい」

宗吾「……」

花梨「じゃあ、最初はぐー」

宗吾・花梨「ジャンケン……」

宗吾(N)「うわー! うわー! どうしよう! 花梨ちゃんはパーを出すつもりだ。これで勝てば、俺は花梨ちゃんに……。いや、でも、うわー。どうしよう」

宗吾・花梨「ぽん!」

花梨「……」

宗吾「……」

男1「あっ!」

花梨「わーい! 勝ったぁ!」

男2「……ギリギリで日和ったね、宗吾」

宗吾「うるせー……」

宗吾(N)「……あー、バカバカ。せっかくのチャンスだったのに。俺って、なんで、いつもこうなんだろう。やっぱ、ジャンケンなんて、下らねえ……」

花梨「じゃあ、私の言うこと、聞いてもらうね」

宗吾「え? ああ、うん。いいよ」

花梨「今度の休みに、一緒に映画に行こ!」

宗吾「へ?」

花梨「約束だからね」

宗吾(N)「前言撤回。やっぱ、ジャンケンって素晴らしい」

終わり。

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