厨二病の末路
- 2023.10.08
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:5人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
斗亜(とあ)
男子生徒1~2
女子生徒1~2
■台本
斗亜(N)「俺は特別な人間だ。だが、そのことは俺しか知らない。まあ、当たり前だ。なぜなら、俺はまだ本気を……能力を出していないからだ。だが、そろそろ、俺の力をみんなに見せてやってもいいと思っている」
教室内。
男子生徒1「なあ、斗亜。お前、体育祭は何の競技にする?」
斗亜「ふむ……そうだな」
男子生徒2「斗亜は卓球とかいいんじゃないか?」
斗亜「む? 卓球だと? 地味じゃないか?」
男子生徒1「いや、卓球、いいかも」
斗亜「なぜだ?」
男子生徒2「卓球なら、転んで怪我とかしないだろうし、会場の隅っこでやるから目立たないもんな」
男子生徒1「そうそう」
斗亜「しかしだな……」
女子生徒1「斗亜くん、そうしなよ」
斗亜「……みんなはそんなに俺に活躍してほしくないのか?」
女子生徒2「えー、だってさ、斗亜くんが他のクラスから笑われるのって、なんか嫌だから」
男子生徒1「そうそう。斗亜が頑張ってるのに、それを知らない奴らはすぐ笑うからな」
男子生徒2「なんか、ムカつくよな」
斗亜「そんなことにはならない。この右手の封印を解けば、優勝間違いなしだ」
女子生徒1「ダメだよ、斗亜くん。その封印はそのままにしとかないと」
男子生徒1「だな。体育祭なんかで使うもんじゃないぞ」
男子生徒2「そうそう。世界を危険にしてまで、体育祭、優勝したくないし」
女子生徒2「ふふふ。そうだよ」
斗亜「……」
斗亜(N)「いつもそうだ。俺はみんなから舐められている。なので、俺は一段階、高みに登ることにした」
場面転換。
斗亜の部屋。
シュルシュルと包帯を巻く音。
斗亜「ふっふっふ。これを見れば、俺を見る目が変わるだろう。血のりもばっちり塗ったし、インパクト大だ」
場面転換。
朝。教室内。
生徒たちが雑談している。
そんな中、ガラガラと教室のドアが開く。
斗亜が入って来る。
斗亜「……くっ!」
斗亜を見て、教室内がシーンと静まり返る。
斗亜(N)「ふっふっふ。やはりな。顔に包帯を巻く。これ以上のインパクトはないだろう。顔にまで、魔力が増幅したとなれば、みんなもビビるだろう」
教室内の生徒たちが一気に集まって来る。
女子生徒1「斗亜くん、どうしたの? その顔?」
男子生徒1「包帯グルグルじゃねーか」
女子生徒2「……大丈夫なの?」
斗亜「案ずるな……これは……」
男子生徒2「許せねえ」
斗亜「へ?」
男子生徒2「それ、B組の奴にやられたんだろ?」
斗亜「え? いや、ちが……」
女子生徒2「もしかして、望月?」
男子生徒1「あいつ……斗亜をバカにするだけじゃなくて、ついに手を出しやがったか」
斗亜「いやいや、違うって……」
男子生徒2「口止めされたんだろ?」
斗亜「そうじゃなくて」
女子生徒2「みんな、このまま、斗亜くんがやられっぱなしでいいの?」
男子生徒1「いいわけねー!」
斗亜「いや、待ってくれって!」
男子生徒2「斗亜は心配しなくていいよ。これはA組全体の問題だ。やるぞ、みんな!」
一同「おー!」
斗亜(N)「なんでこうなる? 俺はただ、みんなを驚かせたかっただけなのに……」
終わり。