なぜかフラれる

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉

〈声劇用の台本一覧へ〉

■概要
人数:4人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
魁人(かいと)
雅也(まさや)
伊吹(いぶき)
千夏(ちなつ)

■台本

魁人(N)「こんなことを自分で言うのもなんだが、俺は結構、イケメンだと思う。街でぶらぶらしてたら、女の子に声をかけられることだってある。連絡先も何人も好感している。……でも、なぜかモテないのだ」

場面転換。

休み時間の教室。

魁人が雅也に腹にパンチをされる。

魁人「はうっ!」

雅也「おう、魁人。自慢か? あーん?」

魁人「ち、ちがう……。ほ、本当に悩んでるんだよ」

伊吹「イケメンなのに、なんでモテないのかって言われてもなぁ」

雅也「こちとら、町どころか、学校内でも女に声なんてかけられんわ!」

魁人「んなことないだろ、雅也。この前、E組の女子に声かけられてたのを、俺は見たぞ」

雅也「はーーー!」

魁人「ぐあ!」

雅也が魁人にドロップキックする。

魁人「なにしやがる!」

雅也「あれは真奈美ちゃんに近づくなって、忠告だよ、畜生!」

伊吹「あー。確かに雅也は半分、ストーカー化してたもんな」

雅也「してねーよ! ただ、ちょっと、家が知りたくて、後をつけただけじゃねーか」

魁人「世間ではそれをストーカーというんだよ」

雅也「じゃかしいわ!」

伊吹「にしても、魁人がモテない理由かー。なんでだろうな」

魁人「おお! 伊吹! やっぱり、お前もそう思うよな? な?」

伊吹「魁人の顔は悪くない。クラスでも何人か、お前のこと好きな奴がいるって聞いたぞ」

魁人「マジかー! 誰だよ!」

雅也「クソが」

伊吹「けど、お前、連絡先とか交換してるんだろ?」

魁人「ああ。何回か、遊びに行ったりもしてる」

伊吹「それなのに、付き合うまでにいかないと?」

魁人「……そうなんだよ」

雅也「はは。ざまーみろだな」

伊吹「なんでだろうな?

魁人「それがわかんないから悩んでるんだろ」

伊吹「いつも、どのへんでフラれるんだ?」

魁人「んー。それがさ、俺が告白しようとしたらフラれるんだよ」

雅也「どうせ、キモイ告白の仕方とかしてるんだろ」

魁人「そんなことねーって」

伊吹「いきなり、結婚してくださいとか重いこと言ってんじゃないのか?」

魁人「そんなこともない」

伊吹「それなら、なんでなんだろうな」

魁人「実は、最近、連絡先交換した子がいてさ。俺……結構、本気なんだ。だから、失敗したくなくて」

雅也「けっ! 失敗しやがれ」

伊吹「正直、フラれるのはたまたまじゃねーの? 俺から見ても、魁人の性格がヤバいとかないし、服のセンスもいいし、これと言って特にマイナス面もないからなぁ」

魁人「だ、だよな! たまたまだよな?」

伊吹「俺はそう思うぞ」

魁人「サンキュー。俺、自信失ってから、背中を押して貰ってよかったよ。じゃあ、俺、今日、勝負かけてくるわ」

雅也「フラれろ、ちくしょーが」

伊吹「頑張れよ」

魁人「ああ。とっておきを用意してるから、決めてくるぜ」

伊吹「……とっておき?」

場面転換。

町の中を歩く魁人と千夏。

千夏「あははは。魁人くん、おもしろーい」

魁人「そう?」

千夏「うん。なんかね。私。また、こうやって魁人くんに誘って欲しいなって思ってるんだ」

魁人「ね、ねえ、千夏ちゃん」

千夏「なに?」

魁人「俺、千夏ちゃんに伝えたいことがあるんだ」

千夏「ホント? なにかな?」

魁人「ごほん。えー、じゃあ、聞いてください。あなたのことをフォーリンラブ!」

千夏「……へ?」

いきなり魁人が歌い出す。

歌はドヘタ。

魁人「おーれーはー! 君のことがー好きだ―!」

周りの人たちがざわざわして、立ち止まる。

千夏「あ、あの、魁人くん?」

無視して歌い続ける魁人。

魁人「あなたの心にー! フォーリンラブ!」

場面転換。

教室。

魁人「ちくしょー! またフラれたー! なんでだー」

雅也「うんうん。それでこそ魁人だ」

伊吹「うーん。なんでだろうな?」

魁人「くそー! どうして、俺はモテないんだぁーーー!」

終わり。

〈前の10枚シナリオへ〉  〈次の10枚シナリオへ〉