喧嘩はやめて!
- 2022.09.08
- ボイスドラマ(10分)
■概要
人数:3人
時間:5分
■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ
■キャスト
千秋(ちあき)
雅紀(まさき)
清一郎(せいいちろう)
■台本
千秋(N)「千秋は赤ちゃんの頃から、ずーっと、可愛いって言われてたみたい。通りすがりの人に、可愛い赤ちゃんだねって言われたり、将来が楽しみだねとか言われてたんだって。だから、お母さんもそれが嬉しくて、千秋に可愛い服をいっぱい買って、着せたんだって。それは今でもそうなんだ。可愛い服を着て、小学校に行くと、みんな振り返って、千秋を見るんだ」
場面転換。
雅紀「おい! 今日、千秋は俺と遊ぶんだよ!」
清一郎「そんなの、誰が決めたんだよ? 僕と一緒の方が、楽しいに決まってるし」
雅紀「はあ?」
清一郎「なんだよ?」
千秋(N)「今、雅紀くんと清一郎くんが喧嘩している。どっちが千秋と遊ぶのかって。こういうことは結構多い。千秋の周りでは、喧嘩ばっかり。……これも全部、千秋のせい。千秋が可愛いから、みんな喧嘩するの」
雅紀「絶対に、譲らないからな。千秋は俺と遊ぶんだから」
清一郎「僕だって、諦めないよ」
千秋「ね、ねえ。3人で遊べばいいんじゃないかな?」
雅紀「いやだ!」
清一郎「僕もいやだよ」
千秋「……」
千秋(N)「みんな、千秋を独り占めしたいみたい。このことをお母さんにも相談してみたんだけど、千秋は、どうやら、罪作りなんだって。これは仕方ないこと。そう、お母さんが言ってった」
清一郎「それなら、じゃんけんして決めようよ」
雅紀「え? いやだよ。俺、じゃんけん弱いし。それなら、駆けっこで勝負しようぜ」
清一郎「そんなのズルいよ。僕、足遅いの知ってるでしょ?」
雅紀「いい加減に、諦めろよ!」
清一郎「雅紀こそ!」
千秋(N)「あ、二人の喧嘩が本気になってきた。……こういうとき、どうすればいいかはお母さんに聞いてある」
千秋「やめて! 千秋のことで、これ以上、喧嘩しないで! 千秋は二人のこと、愛してるの!」
雅紀「……お前、何言ってんだ?」
千秋「え?」
清一郎「……愛してるって、それって、女の子が男の子に言うことでしょ」
雅紀「そうそう。お前、男なんだからさ、そういうこと、冗談で言うの、やめた方がいいぞ」
千秋「あ、うん……。ごめん」
雅紀「それより、どうする? 千秋のゲーム、貸してくれるなら、千秋、譲るけど」
清一郎「いやいや、それじゃ意味ないよ。別に、千秋と遊びたいわけじゃないし」
千秋「……」
千秋(N)「いつもそう。千秋の周りの人は、千秋の物が目当てなだけ。あーあ。ホント、嫌になっちゃう」
終わり。
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