【ボイスドラマシナリオ】いきなりラストバトル2

【ボイスドラマシナリオ】いきなりラストバトル2

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■概要
主要人数:2人
時間:10~12分

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、コメディ

■キャスト

烈兎

■台本

蓮(N)「それは突然の出来事だった。迷惑メールを開いて見てみる。そんな誰でもやりそうなことがきっかけで、唐突に俺は世界の命運をその手に握らされる羽目になったのだった……」

烈兎「おめでとうございます! 今、あなたは世界を救う勇者に選ばれました!」

蓮(N)「烈兎(れっと)と名乗った、手のひらサイズのウサギのような生き物は、どこから出したのかクラッカーを盛大に鳴らした」

烈兎「つきましては、承認ボタンを押して……」

  ピッと、携帯のオフボタンを押す音。

蓮「……よし、何もなかったことにしよう」

  ピロピロピローと着信音が鳴る。

蓮「あれ? メール?」

  ピッと携帯を操作する音。

烈兎「何してくれてんねん! 我!」

蓮「しまった! また同じ手に引っかかっちまった!」

烈兎「ったく、人の話はちゃんと聞けって、親から習わんかったのか?」

蓮「お前、人間じゃねーだろ」

烈兎「大体なぁ、世界を救う勇者に選ばれたんやぞ。もっと喜べや」

蓮「そういうのいいんで」

烈兎「かー、しみったれた奴やな。せっかく人生を華やかにできるチャンスなんやで? こういうチャンスなんて、人生に一度、あるかないかなんやぞ?」

蓮「……もう、二回目だよ」

烈兎「じゃあ、能力の説明するぞ。よう聞け。第二の使徒、炎牛は炎を纏った状態で相手に突撃する能力を持ってるんやで」

蓮「……第一の使徒はどうした?」

烈兎「あん? 燐子は最近、嫌なことがあってって言ってな、引きこもってんねん」

蓮「そんなタマか?」

烈兎「じゃあ、説明を続けるで。第三の使徒は……」

蓮「待て。俺は引き受けるとは言ってない」

烈兎「なにを言うてんねん。世界の危機なんやで? お前しか世界は救えないんやぞ?」

蓮「ふん。その煽り文句は、もう聞き飽きた」

烈兎「かー。面倒くさいやっちゃなー」

蓮「その言葉、ノシを付けてお前と燐子に返す」

烈兎「まあまあまあ。少しはワイの話も聞いてくれんか? 話を聞くだけならタダやろ?」

蓮「さらにうさん臭さが増したな」

烈兎「本来、使途を召喚したら、一度につき、寿命が4年減るんや。それを今なら半額の2年にしたる! どや!? お得やろ?」

蓮「……燐子は一年って言ってたぞ」

烈兎「え?」

蓮「お前、ぼったくろうとしたな?」

烈兎「な、な、ななっ、何言うてんねん! そんなわけないやろ! あ、あれー? ワイの勘違いやったっけなあ?」

蓮「大体、召喚するのに、消費するマジックポイントみたいなものだろ? そんなの半額とかおまけとか付けられるの、変だろ」

烈兎「そない言われてもなー。この辺は営業の担当者に任されてるんや」

蓮「そもそも、召喚したら強制的に寿命が減るっていうのが嘘くさくなってきたな」

烈兎「兄さんもいけずやなぁ。そない、意地悪言わんとってや」

蓮「とにかく、他当たれ。俺は勇者をやる気はない」

烈兎「頑固者やなぁ、我も」

蓮「大体、お前らが現れるのって、本じゃなかったのかよ」

烈兎「チッチッチ! 時代は動いてるんやで。本なんて、もう古い! 今はメールで勧誘する時代や!」

蓮「日々、新しくなる詐欺の手口みたいだな」

烈兎「同じ文面を一斉送信! どや、手間暇いらずやろ?」

蓮「そこは手間暇をかけろよ。誠意を感じないぞ。一通一通、ちゃんと送る相手のことを考えてだな……」

烈兎「典型的な、正直者は馬鹿を見るタイプやな。我、結構、損して生きてきたやろ?」

蓮「放っとけ!」

烈兎「とにかく、我がメールを開いたのが悪い。諦めて、勇者を引き受けろや」

蓮「相変わらず、詐欺のような論法だな。それに、なんで俺なんだよ? 本なら開いた人間に決めるって言うのは分かるけどさ、今回はメールだろ? 他の人間にも送ってるってことだよな? その他の人間に当たれよ」

烈兎「うわー。自分がやりたくないから、他人に押し付けるなんて、最低やな、自分」

蓮「うるせえ! お前が言うな!」

烈兎「ちゃうねん、ちゃうねん。誰でもいいってわけやないんや。ホンマ、お前じゃないといけないのや」

蓮「……やっぱり、俺には隠された力があるとか、特別な血を引く人間だったのか?」

烈兎「最初にメールを開いたのがお前やねん」

蓮「そんな理由かよ! ちょっとでも期待した俺が馬鹿だった!」

烈兎「最初にメールの開けた人間のところに飛ぶシステムなんや」

蓮「……次に開けたやつのところにいけよ」

烈兎「いや、お前がメールを開けた時点で、他の人間に送ったメールは自動的に削除されるんや」

蓮「くそっ!」

烈兎「大体なぁ、うかつに迷惑メール開けるのは感心せんぞ。今は、メールにウイルスとか入ってるんやで?」

蓮「お前が言うな! それに、今、自分で迷惑メールって認めたな!」

烈兎「ま、腹くくって、自分の人生を犠牲にして世界救おうや。な?」

蓮「簡単に決めれる問題じゃねえ」

烈兎「んー。わかった! 今なら洗剤、三か月分つける! どや?」

蓮「……安っぽい勧誘は止めろ。逆に決心が鈍る。洗剤貰ったからって、自分の人生は投げられねぇよ」

烈兎「……そうやな。すまん。じゃあ、トイレットペーパー、いや、ティッシュの方がええか?」

蓮「そうじゃねえよ!」

烈兎「お前にだって、大切な人間、おるやろ? その人たちが魔王によって殺されてもええんか? それを止められるのはお前だけなんやで?」

蓮「急に真面目なこと言うなよ。断り辛くなるだろ」

烈兎「大切な人が目の前で殺されて、お前は後悔するんや。あのとき、引き受けておけばよかったってな」

蓮「ちょっと待て、ちょっと待て。えー、マジで? ホントにやらないとダメ? 俺、人生、詰んだんじゃね?」

烈兎「お前の安い人生で、世界は救われるんや」

蓮「くそ、人の人生だからって、軽く見やがって! ……あれ? ちょっと待てよ」

烈兎「なんや?」

蓮「今回はどうすりゃいいんだ?」

烈兎「何がや?」

蓮「勇者と魔王は表裏一体。つまり、勇者の方を封印すれば、魔王も封印されるんだろ?」

烈兎「せやな」

蓮「前回は本を閉じて、使命から解放されたじゃん? あの後、俺みたいな犠牲者を出さないように本を燃やしたけど、今回はどうすれば、お前を封印できるんだ?」

烈兎「お前、今、サラッとエグイこと言ったな。そりゃ、燐子も病むわ」

蓮「大体、人に戦わせようって魂胆が気に食わねえ。平和的に解決できるなら、そうしろよ」

烈兎「アホか、お前は。勇者が封印されるってことはな、ワイたちも眠るってことや。そんなん嫌やで。せっかく、シャバに出てきたんや。もっと、現世を楽しみたいやん」

蓮「えらく、個人的な感情が理由だな」

烈兎「人は、自分が一番可愛いんや。自分が損するようなことはしたくない。そやろ?」

蓮「激しく同意だな。だから、俺は勇者を引き受けたくねえ」

烈兎「ちゅーことで、話が纏まったから、具体的な話をしよか?」

蓮「全然まとまってねーし、引き受けるつもりもねーよ」

烈兎「はいはいはい。もうええか? 駄々をこねるのもいいかげんにしいや。話、全然進まんやん」

蓮「……頼む。1つだけ、質問に答えてくれ」

烈兎「なんや、えらく神妙やな」

蓮「俺が世界を救った後……いや、魔王を追い詰めたとき、どうやって魔王を封印するんだ? もし、その方法が難しいなら、俺、できるか自信ないんだよ……」

烈兎「(感動して)お前、やっと決意してくれたんやな。大丈夫や! 心配いらへん! 魔王を封印するのは簡単な操作でええねん」

蓮「どうやるんだ?」

烈兎「このメールを消せばええんや……」

  ピッという操作音。

蓮(N)「事の始まりであるメールを削除することで、一連の事件は終わりを告げた。こうして俺は、二回目の世界救済をやり遂げたのだった」

終わり

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