【声劇台本】いきなりラストバトル7
- 2019.06.24
- ボイスドラマ(10分)
■概要
主要人数:8人
時間:15分
※イノリとシオは小説『【Web小説】僕は結婚したくない』のキャラクターになります。
よかったら、そちらもご覧ください。
【Web小説】僕は結婚したくない
■ジャンル
ボイスドラマ、学園、ファンタジー、コメディ
■キャスト
蓮
茉奈
梨沙
響子
烈兎
イノリ
シオ
爺
■台本
蓮(N)「休みの日に、なぜかデートをすることになってしまった俺。一瞬、ブッチしようかと頭をよぎったが、確実にもっと面倒くさいことになりそうなので止めた。そう。人生には逃げるべき時と、ほんのちょっと頑張るべき時がある。今回は後者だ。頑張ってこのデートで嫌われれば最善、微妙な空気になれれば次善。よし、頑張ろう!」
蓮「……という作戦だったんだ」
茉奈「ふーん。で、嫌われることと、隠れることはどう繋がるのさ?」
蓮「いや、待ち合わせの時間に遅れれば、嫌われるかなって思って。……名づけて『遅刻大作戦』。なんてな」
梨沙「茉奈様との約束に遅れるなど、言語道断です。ましてや、デートなど、極刑に価します」
茉奈「でもさ、結局、時間通りに来てるじゃん」
蓮「いや、さすがに本当に遅刻するとか良心が痛むだろ。だから、ちゃんと時間通りに来て、隠れてたってわけだ」
そこにイノリとシオが通りかかる。
イノリ「あー、わかるわかる。その気持ち。僕もその作戦、青手木にもやったよな?」
シオ「えっと、そうでしたか? 覚えがありませんが」
イノリ「……まあ、いいや」
イノリとシオが行ってしまう。
蓮「ん? 今のなんだったんだ?」
茉奈「そんなことよりさー、嫌われようとすること自体に良心痛みなよ」
蓮「うっ!」
梨沙「さあ、茉奈様。こんなクズ野郎を置いて、さっさと中に入りましょう」
蓮「……なあ、神崎」
茉奈「なに?」
蓮「なんで、梨沙がいるんだ?」
茉奈「ホントだ! 梨沙ちー、なんでいんの?」
梨沙「茉奈様が男と二人で遊園地に行くと耳に挟んだので、阻止しに来ました」
茉奈「いやいやいや! なんで、阻止すんのさ。あと、なんで蓮ちょんは梨沙ちーを名前で呼んで、私を名字で呼ぶの!?」
蓮「待て待て待て! 俺をその呼び方で呼ぶな! にゃんぱすーって言わなくちゃならなくなるだろ!」
茉奈「彼女なんだから、名前で呼んでよー!」
梨沙「茉奈様を名前で呼ぶなど、恐れおおいです。貴様がもし、茉奈様を名前で呼んだら始末しますから」
蓮「そもそも付き合ってねーし」
茉奈「ええっ! 付き合ってないの!?」
梨沙「付き合っていないのなら、まだ私にもチャンスがあるということですね」
蓮「またそこから議論するのかよ。って、ちょいちょい梨沙が会話に交じってくるのがウザいな」
梨沙「ウザいとはなんです? ウザいとは。氷漬けにされたいのですか?」
茉奈「あー、また梨沙ちーを名前で呼んだー! 彼女以外を名前で呼ぶの禁止! せめて梨沙ちーって呼びなよ」
梨沙「……もしそんな風に呼んだら、わかってますよね?」
蓮「安心しろ。絶対に、呼ばない」
茉奈「うがー! やだやだやだー! 私を名前で呼んでよー」
蓮「はいはい。わかったわかった。それじゃ、そろそろ入るぞ、茉奈。時間が勿体ない」
茉奈「茉奈、愛してるって言って」
蓮「調子に乗んな」
場面転換。
入り口で大勢の人が並んでいる。
蓮「げっ! すごい列だな」
梨沙「さすが、去年オープンしたばかりなだけありますね」
茉奈「あれー? ここの遊園地、確かに人気だけど混みすぎだよー」
蓮「どうする? 古いほうの遊園地に行くか?」
梨沙「待ってください。並んでいるというよりは、どうやら入れないようですね」
蓮「どういうことだ?」
響子「おーほっほっほっほ! 帰りなさい、愚民ども。今日はこの宇賀神響子の貸し切りにいたしますわ」
ブーングが起こる。
蓮「うわー。また、濃いキャラが出てきたな。巻き込まれないうちに行こうぜ」
茉奈「うーん。入れないなら、仕方ないね」
烈兎「あっ! 蓮やないか! 助けてくれ!」
蓮「……その声は」
茉奈「うっちー!」
響子「あら、あなた、そこの下自民と知り合いなの?」
蓮「……おい、俺を巻き込むなよ」
烈兎「そんな意地悪言わんとってーな。ワイと蓮の仲やないか」
響子「もしかして、私からこのペットを奪いに来たと言うのではないでしょうね?」
蓮「いや、それはないから安心してくれ。烈兎、勇者決まってよかったな」
烈兎「ちゃうねん! このおなご、悪魔や、悪魔!」
響子「あら、人聞きが悪いわね。私は単に宇賀神グループの発展のため、あなたを利用しているだけですわ」
烈兎「24時間ずっと召喚しっぱなしやで! しかもワイの寿命を使ってや」
蓮「へー、そんなこともできるのか。やればよかったな」
響子「とにかく、あなたにはこれからも死ぬまで働いてもらいますわよ」
烈兎「いややー! なんでワイがこんな目に」
蓮「自業自得、因果応報ってやつだな」
烈兎「蓮、助けてーな!」
蓮「頑張れ、烈兎。俺としてはこれでお前の陰に怯えなくて済むから、願ったり叶ったりだ」
烈兎「そんな……」
茉奈「蓮くん、助けよう!」
蓮「は? なんでだよ」
茉奈「私、も一回、勇者になりたい」
蓮「止めてくれ……」
梨沙「茉奈様が望むなら、お手伝いいたします」
響子「……違うと言いながら、やはり私からペットを奪おうというわけね」
蓮「違う! 誤解だ!」
烈兎「こうなったら、道連れや! 響子はん、あの男が主犯格や! あの男をやってしまうんや!」
蓮「あの、くそウサギ……」
響子「「勇者、宇賀神響子の名において命ずるわ、いでよ焔虎!」
蓮「……いきなり、最強召喚かよ」
ゴウ、と巨大な炎の塊が出現する。
それを見て、周りの人たちが悲鳴を上げて逃げていく。
響子「塵となりなさい!」
蓮「やべえ、終わった……」
茉奈「今だよ、蓮くん。覚醒して!」
蓮「できるか!」
蓮たちが炎に包まれる。
だが、次第に炎が収まる。
響子「ふふふ。どうやら、この世から消えたようですわね」
烈兎「成仏しいや、蓮」
蓮「ざっけんな!」
烈兎「なんや、生きとったんか!」
茉奈「助かったよ、梨沙ちー!」
梨沙「いえいえ。茉奈様の危機をお助けするのは当然です」
蓮「ああ……そういえば、梨沙は氷を操れるんだったな」
烈兎「なんや、魔王の方がいるんかいな」
蓮「いや、絶対、お前のほうが魔王だ」
響子「ふふふ。面白いですわ。それなら、二つ同時召喚ですわよ」
烈兎「あかん! あれやったら、力使い過ぎて、次の日、下痢になるんやで」
蓮「下痢だけかよ」
響子「いきますわよ!」
梨沙「茉奈様、逃げてください。あれ以上の炎は防げる自信がありません」
蓮「マジかよ」
梨沙「あとは蓮を盾にする方法もありますが」
茉奈「そんなこと、できないよ!」
蓮「いや、お前、前にしようとしたよな?」
響子「今度こそ、塵となりなさい!」
蓮「今度こそ、終わりか!」
爺「響子様。午後のティーのご用意ができました」
響子「あら、そう。それじゃ帰るわ。行くわよ、ウサギ」
烈兎「離してーな!」
響子たちが車に乗って、行ってしまう。
蓮「なんとか、助かった……のか?」
茉奈「この時間に帰るなら、遊園地貸し切りにする必要ないのにね」
梨沙「どうします? せっかくだから入っていきますか?」
蓮「いや、疲れたし帰ろうぜ」
茉奈「よし、デート開始だー!」
蓮「人の話を聞けよ!」
蓮(N)「こうして、俺たちは無事に一日遊園地で遊ぶことができた。……それにしても、ドンドン伏線が出て来るな。……もういい加減、普通の学園生活を送らせてくれ」
終わり
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