【声劇台本】いきなりラストバトル7

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■概要
主要人数:8人
時間:15分
※イノリとシオは小説『【Web小説】僕は結婚したくない』のキャラクターになります。
よかったら、そちらもご覧ください。
【Web小説】僕は結婚したくない

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、ファンタジー、コメディ

■キャスト

茉奈
梨沙
響子
烈兎
イノリ
シオ

■台本

蓮(N)「休みの日に、なぜかデートをすることになってしまった俺。一瞬、ブッチしようかと頭をよぎったが、確実にもっと面倒くさいことになりそうなので止めた。そう。人生には逃げるべき時と、ほんのちょっと頑張るべき時がある。今回は後者だ。頑張ってこのデートで嫌われれば最善、微妙な空気になれれば次善。よし、頑張ろう!」

蓮「……という作戦だったんだ」

茉奈「ふーん。で、嫌われることと、隠れることはどう繋がるのさ?」

蓮「いや、待ち合わせの時間に遅れれば、嫌われるかなって思って。……名づけて『遅刻大作戦』。なんてな」

梨沙「茉奈様との約束に遅れるなど、言語道断です。ましてや、デートなど、極刑に価します」

茉奈「でもさ、結局、時間通りに来てるじゃん」

蓮「いや、さすがに本当に遅刻するとか良心が痛むだろ。だから、ちゃんと時間通りに来て、隠れてたってわけだ」

  そこにイノリとシオが通りかかる。

イノリ「あー、わかるわかる。その気持ち。僕もその作戦、青手木にもやったよな?」

シオ「えっと、そうでしたか? 覚えがありませんが」

イノリ「……まあ、いいや」

  イノリとシオが行ってしまう。

蓮「ん? 今のなんだったんだ?」

茉奈「そんなことよりさー、嫌われようとすること自体に良心痛みなよ」

蓮「うっ!」

梨沙「さあ、茉奈様。こんなクズ野郎を置いて、さっさと中に入りましょう」

蓮「……なあ、神崎」

茉奈「なに?」

蓮「なんで、梨沙がいるんだ?」

茉奈「ホントだ! 梨沙ちー、なんでいんの?」

梨沙「茉奈様が男と二人で遊園地に行くと耳に挟んだので、阻止しに来ました」

茉奈「いやいやいや! なんで、阻止すんのさ。あと、なんで蓮ちょんは梨沙ちーを名前で呼んで、私を名字で呼ぶの!?」

蓮「待て待て待て! 俺をその呼び方で呼ぶな! にゃんぱすーって言わなくちゃならなくなるだろ!」

茉奈「彼女なんだから、名前で呼んでよー!」

梨沙「茉奈様を名前で呼ぶなど、恐れおおいです。貴様がもし、茉奈様を名前で呼んだら始末しますから」

蓮「そもそも付き合ってねーし」

茉奈「ええっ! 付き合ってないの!?」

梨沙「付き合っていないのなら、まだ私にもチャンスがあるということですね」

蓮「またそこから議論するのかよ。って、ちょいちょい梨沙が会話に交じってくるのがウザいな」

梨沙「ウザいとはなんです? ウザいとは。氷漬けにされたいのですか?」

茉奈「あー、また梨沙ちーを名前で呼んだー! 彼女以外を名前で呼ぶの禁止! せめて梨沙ちーって呼びなよ」

梨沙「……もしそんな風に呼んだら、わかってますよね?」

蓮「安心しろ。絶対に、呼ばない」

茉奈「うがー! やだやだやだー! 私を名前で呼んでよー」

蓮「はいはい。わかったわかった。それじゃ、そろそろ入るぞ、茉奈。時間が勿体ない」

茉奈「茉奈、愛してるって言って」

蓮「調子に乗んな」

  場面転換。

  入り口で大勢の人が並んでいる。

蓮「げっ! すごい列だな」

梨沙「さすが、去年オープンしたばかりなだけありますね」

茉奈「あれー? ここの遊園地、確かに人気だけど混みすぎだよー」

蓮「どうする? 古いほうの遊園地に行くか?」

梨沙「待ってください。並んでいるというよりは、どうやら入れないようですね」

蓮「どういうことだ?」

響子「おーほっほっほっほ! 帰りなさい、愚民ども。今日はこの宇賀神響子の貸し切りにいたしますわ」

  ブーングが起こる。

蓮「うわー。また、濃いキャラが出てきたな。巻き込まれないうちに行こうぜ」

茉奈「うーん。入れないなら、仕方ないね」

烈兎「あっ! 蓮やないか! 助けてくれ!」

蓮「……その声は」

茉奈「うっちー!」

響子「あら、あなた、そこの下自民と知り合いなの?」

蓮「……おい、俺を巻き込むなよ」

烈兎「そんな意地悪言わんとってーな。ワイと蓮の仲やないか」

響子「もしかして、私からこのペットを奪いに来たと言うのではないでしょうね?」

蓮「いや、それはないから安心してくれ。烈兎、勇者決まってよかったな」

烈兎「ちゃうねん! このおなご、悪魔や、悪魔!」

響子「あら、人聞きが悪いわね。私は単に宇賀神グループの発展のため、あなたを利用しているだけですわ」

烈兎「24時間ずっと召喚しっぱなしやで! しかもワイの寿命を使ってや」

蓮「へー、そんなこともできるのか。やればよかったな」

響子「とにかく、あなたにはこれからも死ぬまで働いてもらいますわよ」

烈兎「いややー! なんでワイがこんな目に」

蓮「自業自得、因果応報ってやつだな」

烈兎「蓮、助けてーな!」

蓮「頑張れ、烈兎。俺としてはこれでお前の陰に怯えなくて済むから、願ったり叶ったりだ」

烈兎「そんな……」

茉奈「蓮くん、助けよう!」

蓮「は? なんでだよ」

茉奈「私、も一回、勇者になりたい」

蓮「止めてくれ……」

梨沙「茉奈様が望むなら、お手伝いいたします」

響子「……違うと言いながら、やはり私からペットを奪おうというわけね」

蓮「違う! 誤解だ!」

烈兎「こうなったら、道連れや! 響子はん、あの男が主犯格や! あの男をやってしまうんや!」

蓮「あの、くそウサギ……」

響子「「勇者、宇賀神響子の名において命ずるわ、いでよ焔虎!」

蓮「……いきなり、最強召喚かよ」

  ゴウ、と巨大な炎の塊が出現する。

  それを見て、周りの人たちが悲鳴を上げて逃げていく。

響子「塵となりなさい!」

蓮「やべえ、終わった……」

茉奈「今だよ、蓮くん。覚醒して!」

蓮「できるか!」

  蓮たちが炎に包まれる。

  だが、次第に炎が収まる。

響子「ふふふ。どうやら、この世から消えたようですわね」

烈兎「成仏しいや、蓮」

蓮「ざっけんな!」

烈兎「なんや、生きとったんか!」

茉奈「助かったよ、梨沙ちー!」

梨沙「いえいえ。茉奈様の危機をお助けするのは当然です」

蓮「ああ……そういえば、梨沙は氷を操れるんだったな」

烈兎「なんや、魔王の方がいるんかいな」

蓮「いや、絶対、お前のほうが魔王だ」

響子「ふふふ。面白いですわ。それなら、二つ同時召喚ですわよ」

烈兎「あかん! あれやったら、力使い過ぎて、次の日、下痢になるんやで」

蓮「下痢だけかよ」

響子「いきますわよ!」

梨沙「茉奈様、逃げてください。あれ以上の炎は防げる自信がありません」

蓮「マジかよ」

梨沙「あとは蓮を盾にする方法もありますが」

茉奈「そんなこと、できないよ!」

蓮「いや、お前、前にしようとしたよな?」

響子「今度こそ、塵となりなさい!」

蓮「今度こそ、終わりか!」

爺「響子様。午後のティーのご用意ができました」

響子「あら、そう。それじゃ帰るわ。行くわよ、ウサギ」

烈兎「離してーな!」

  響子たちが車に乗って、行ってしまう。

蓮「なんとか、助かった……のか?」

茉奈「この時間に帰るなら、遊園地貸し切りにする必要ないのにね」

梨沙「どうします? せっかくだから入っていきますか?」

蓮「いや、疲れたし帰ろうぜ」

茉奈「よし、デート開始だー!」

蓮「人の話を聞けよ!」

蓮(N)「こうして、俺たちは無事に一日遊園地で遊ぶことができた。……それにしても、ドンドン伏線が出て来るな。……もういい加減、普通の学園生活を送らせてくれ」

終わり

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