シナリオ本編

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【シナリオブログ】決着はヒーローショーで⑥

○ 学校・校門 校門から、正治が出てくる。 響子「正治!(駆け寄ってくる)」 正治「(立ち止まって)……母さん」 響子が正治の前で立ち止まる。 正治「僕……、帰らないよ」 響子「見に来て」 正治「え?」 響子が正治に一枚の紙を手渡す。 それは、神田原遊園地の入場券。 正治「これって、遊園地の入場券?」 響子「私のショーを見て欲しいの」 正治「……でも」 響子「(真っ直ぐ正治の目を見て)絶対に来て」 […]

【シナリオブログ】決着はヒーローショーで⑤

○ 加納家・キッチン テーブルの上には料理がある。 響子は椅子に座って、頭をかかえている。 響子「(深いため息)いやだなぁ……」 そこに、ドアが開き、正治が入ってくる。 正治「ただいま。……今日、ご飯いらないから。食べてきた」 そのまま、居間を出て行く正治。 響子「え? ちょっと、正治。どうしたの? 誰と食べてきたの?」 ○ 同・正治の部屋 正治が入って来て、鞄をベッドの上に放り投げる。 机に向か […]

【シナリオブログ】決着はヒーローショーで④

○ 神田原遊園地・舞台裏・休憩室 怪人姿の響子が、休憩室の中をウロウロしている。 山城「加納さん、少し落ち着いてください」 香田「人が多くても、やることは一緒だ」 響子「……(ソワソワ)」 山城「それにしても、集まりましたね」 香田「日曜日だからな」 山城「香田さんが、入ってた時だって、こんなに集まったことないですよね」 香田「(ムッとして)三連休だからな!」 響子「……(ソワソワ)」 ○ 同・舞 […]

【シナリオブログ】決着はヒーローショーで③

○ 同・舞台 息を切らせて、肩を揺らせるヒーロー達と怪人。 ヒーロー1「(小声で)お、おい……。段取りと違うだろ」 響子「へ? ……あ、そっか。やられないと」 ヒーロー1「(小声で)いいか、今度はよけるなよ」 響子「……(うなづく)」 ヒーロー1「(大声で)怪人め、これで最後だ。トゥー!」 再び、飛び蹴りを放つ、ヒーロー1。 響子「きゃあ」 今度は蹴りを受け、倒れる怪人。 ヒーロー1「どうだ! 怪 […]

【シナリオブログ】決着はヒーローショーで②

○ 加納家・キッチン 響子と正治が、夕食を食べている。 響子「(食べながら)ああ、そうそう、お母さん、仕事変えたから」 正治「え? ……なんで? 職場、結構気に入ってるって言ってたのに」 響子「もっと給料がいいところ、見つかったんだよね」 正治「それって、正社員なの? 前は、給料が安くても、ちゃんと社員にだから、いいんだって言ってたよね?」 響子「パ、パートだけど……。いいの。あんたは、何も心配し […]

【シナリオブログ】決着はヒーローショーで①

人物表 加納 響子 (34) 加納 正治 (17) 山城 恵一 (32) 香田 哲也 (54) 飛田 明  (38) その他 ○ 加納家・居間(朝) サイドボードの上には、写真立てがある。 写真に、加納響子と加納正治が写っている。正治の、小学校入学式に撮った写真。 何かを焼く音と、響子の鼻歌が聞こえてくる。 ○ 同・キッチン 加納響子(34)が料理をしている。 卵焼きを、弁当箱に詰める。 テーブル […]

【長編シナリオ】Angel eat③

○  家の前 家自体は新しいが、所々の窓が割れていて、玄関のところには『KEEP OUT』のテープが貼られている。 家の前に立ち、見上げている恭平。 その様子を見ている浩介と誠。 浩介「あの人の家かな?」 誠「……違う」 浩介「え?」 誠「堕天使ってね、理性が飛んでるから本能に対して忠実なんだ」 浩介「?」 誠「つまり、狩り残した獲物に執着することが多い」 誠がゾクリと悪寒に襲われる。 咄嗟にカー […]

【長編シナリオ】Angel eat①

○  佐伯家・リビング(夜) 室内は電気が消え、薄暗い。 その中で赤い目が光っている。 佐伯浩介(10)が尻餅をつき、赤い目を見上げている。 横には浩介の父親と母親が血を流して死んでいる。 浩介「ひっ!」 割れた窓から風が吹き、カーテンが捲れ、月明かりが差し込んでくる。 赤い目の姿はスーツ姿に悪魔のような面をしていて、手にはナイフを握っている。 ナイフから血がしたたり落ちる。 浩介「だ、誰か……助 […]

【長編シナリオ】人生オークション③

○  裕介のアパート・部屋 私服姿の裕介がベッドに寝転がる。 裕介「あーあ、やってらんね」 ポケットから携帯を出して番号を押す。 裕介「あ、敏也? 飯食いに行かね?」 敏也の声「仕事中」 ブツッと電話を切られる。 電話を放り投げる裕介。 裕介「ホント、やってらんね」 ○  ファミレス(夜) 裕介と武史が向かい合って座っている。 裕介「最近、敏也、付き合い悪いよな」 武史「まあ、就職したから仕方ない […]

【長編シナリオ】人生オークション②

○  同・裕介の部屋内 ベッドで寝ている裕介。 ベッドの横には小さな段ボールがある。 インターフォンが鳴り、起きて玄関に出ていく裕介。 配達員「オークションの者です。出展品を回収しに来ました」 裕介「ああ、ちょっと待ってください」 裕介がベッドの横の段ボールを持って、配達員に渡す。 配達員「(受け取って)思い出の品はこれで全部ですか?」 裕介「はい。紛失してるのも多いけど、手元にあるのは、これで全 […]

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