【フリー台本】踏み出す大きな一歩

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■概要
人数:2人
時間:5分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト
雨宮 さくら
川岸 七海

■台本

さくら「ねえ、七海。ホントに行くの?」

七海「何言ってるのよ、さくら! 私は今回は本気なんだからね!」

さくら「……前にも言ったと思うけど、山ガールのブームは過ぎてるんだからね」

七海「だーかーらー。今回はモテるとかそういうことじゃないの。山に登りたいから登るのよ」

さくら「初心者なんだから、もう少し上りやすい山にしたら?」

七海「聞いて、さくら。今回は煩悩を振り払うための登山なの。男中心の生活から脱却するためなんだから」

さくら「うーん。どっちにしても、不純な動機のような気が……」

七海「あとね、さくらとの友情も深めたいって思ってるんだよ」

さくら「え?」

七海「ほら、言うでしょ? 苦楽を共にすれば、友情が深まるって。戦友ってやつね」

さくら「七海……。良いこと言っているふうだけど、結局、私が苦労するのは、あんたの面倒を見ることなんだけどね……」

七海「さあ、行くわよ、さくら! 千里の道も一歩から! この一歩は他人から見たら小さな一歩だけど、私にとっては、大きな一歩よ!」

ザっと、大きく踏み出す七海。

しかし、グキッという音が響く。

七海「きゃああ!」

ドサリと倒れ込む七海。

七海「うぎゃー! 足、くじいたー!」

さくら「盛大に踏み外したわね……」

場面展開。

さくら「七海。足の調子どう?」

七海「さくら、ニュース見た?」

さくら「ああ……。あの山でクマが出没したってやつね」

七海「そうよ。あそこで、私が足を骨折してなかったら、クマに襲われてたかもしれないんだから。感謝してよ」

さくら「はいはい。足を骨折しくれてありがとね」

七海「それより、さくら聞いて!」

さくら「なに?」

七海「私の担当医なんだけど、すごくイケメンでさー」

さくら「……」

七海「それにね、隣の部屋に検査入院してる男の人とも仲良くなってさー」

さくら「男中心の生活から脱却はどうしたの?」

七海「さくら、聞いて! 私、入院中に男を作るわ!」

さくら「……あんたは永久に一歩を踏み出しそうにないわね」

終わり。

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