【声劇台本】転職活動

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■概要
人数:2人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、現代、コメディ

■キャスト

■キャスト
雨宮 さくら
川岸 七海

■台本

インターフォンの音。

七海「開いてるよー」

ガチャリとドアが開き、さくらが入って来る。

さくら「もう、七海。いつも言ってるでしょ。鍵かけないと不用心だって」

七海「大丈夫だって。私ん家来るのって、さくらくらいしかいないから」

さくら「それはそれで悲しいけど、人のことは言えないから置いておくとして。それでも鍵かけないとダメ。いい?」

七海「はいはい」

さくらが靴を脱いで部屋に入って来る。

さくら「で? 話ってなに?」

七海「私さ、転職しようかなって思って。さくらの意見が聞きたいなって」

さくら「別にいいけど……七海、転職するの? 今の職場、結構気に入ってたんじゃないの?」

七海「んー。まあ、仕事内容はそこそこ気に入ってたんだけどさ。条件がね」

さくら「え? 七海って条件とか気にするタイプだったんだ? ちょっと意外。楽しけりゃなんでもいいタイプだと思ってた」

七海「いやいやいや。失礼な。私をどんだけノー天気に見てるのよ」

さくら「はいはい。ごめんごめん。で? 今の職場の条件が気に入らないんだよね? どんなところが嫌なの? 次の就職先を探すのにも関係してくるから教えて」

七海「うん。まずね、残業が多い」

さくら「あー、残業ね」

七海「まあ、これは別にいいんだけどね」

さくら「いいんだ……。っていうか、なんで言ったの?」

七海「あの職場で一番問題なのはさー。男社員って全員、既婚者なのよね」

さくら「……ん?」

七海「まあ、こればっかりはしゃーないと思うんだけどさー。結婚してる奴ばっかりならさ、新しく入れろって話じゃん?」

さくら「え? なに? どういうこと?」

七海「もちろん、会社にはさ、若くてイケメンの男の子を入れろって言ったんだけど、今は人が足りてるから、新しく採用はできないんだってさ。そんなバカな理由ってある?」

さくら「あー、うん。あんたのバカみたいな質問にまともに答えてくれてる会社に感謝した方がいいと思うよ」

七海「ったく! 会社にフリーの男がいないって、どうやって私のモチベーションを上げろっていうのよ! 社員のモチベーション管理だって、会社の仕事でしょ!」

さくら「そのモチベーションに答えてくれる会社って皆無だと思うよ」

七海「ってことで、転職することにしました」

さくら「……まあ、七海がそれでいいっていうならいいけど……。で? 転職先はやっぱり、同じような業種の方がいいんだよね?」

七海「ううん。別に違い業種でもいいよ」

さくら「え? そうなんだ? まあ、七海は意外と器用でなんでもこなせるしね。新しい業種でもすぐ慣れちゃいそう。それで、こんな仕事してみたいとかはある?」

七海「ふふふふふ。じ、つ、は! もう目を付けてるところがあるのよね」

さくら「そうなんだ? 七海にしては仕事が早いわね。で? どこなの?」

七海「あのさ、さくら。どうして私達ってモテないと思う?」

さくら「あれ? ちょっと待って。今、話飛ばなかった? っていうか、原形とどめないくらい話が切り替わったんだけど?」

七海「ほら、私ってさ、ルックスとかはそこそこだと思うんだよね。さくらだって、悪くはないと思うのよ」

さくら「そういうことは、自分で言わない方がいいよ」

七海「でさ、結局、何が原因かって、そもそも男が周りにいないってことだと思うの」

さくら「なんだろ? 全然会話してる感じがしないんだけど? 私に話しかけてるんだよね?」

七海「周りに男がいないってことは、どうやってもモテるわけがないと思うんだ」

さくら「まあ、その理論はわかるよ」

七海「だからさ、いっぱい男がいるところにいれば、それだけチャンスが生まれるってことでしょ?」

さくら「まあ、そうね」

七海「でも、もう一つ大きなポイントがあるのよ!」

さくら「……なに?」

七海「ライバルがいないこと! いくら私のルックスがそこそこでも、同じフィールド内にアイドル級の女の子がいたら、ぜーんぶかっさらわれちゃうわけよ」

さくら「……そう、かな?」

七海「逆に男がいっぱいいて、ライバルがいなければ、入れ食い状態ってわけ。例えばあれよ。クラスでは地味で目立たない子でも、オタサーに行けば、姫扱いされるってやつ」

さくら「その例えは、なんか妙に生々しいからやめてくれないかな」

七海「だから、若い男がたくさんいて、ライバルがいない場所……そこに転職しようと思うの」

さくら「あっ! ちゃんと転職の話の流れに繋がるんだ? すごいすごい。……けどさ、もっとちゃんと転職先探した方がいいんじゃない? 業務内容だって重要だよ」

七海「いいのいいの。大概の仕事ならこなせられるから」

さくら「これだから天才肌は。凡人の気持ちなんてわからないんだろうね」

七海「で、この2つの条件にピッタリとあうのが、ここってわけよ!」

バンと紙をテーブルに叩き付ける七海。

さくら「えーっと、男子寮の管理人?」

七海「そう! そこの高校って、男子校なの! つ、ま、り、全員がフリーってわけよ」

さくら「……」

七海「しかも、もちろん男子校だから女子生徒がいない! さらに調べてわかったんだけど、女性の教師もいないの! ってことはライバルもいないってこと! これはもう、入れ食い状態、確定よね!」

さくら「えーとね、七海。法律っていうのがあってね」

七海「ふふ。高校生なんて、私の大人の魅力をちょっと出せばいちころよ!」

さくら「あー、でも、ちょっと待って七海」

七海「なに?」

さくら「この寮の管理人の募集要項に男性のみって書いてあるよ?」

七海「……」

七海がさくらから紙をパッと取り上げてビーっと紙を破る。

七海「はあ……。早く寿退社したいなぁ」

さくら「……まずは相手を見つけないとね」

終わり。

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