【声劇台本】西田家の受難 初恋の約束

【声劇台本】西田家の受難 初恋の約束

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■シリーズシナリオ
<シュークリーム事件> <西田怪談> <留年未遂事件> 
<幼馴染の謎の行動> <アウトドアの恐怖> <ご馳走>
<クリスマスと不思議な旅>

■概要
人数:2人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、コメディ

■キャスト
高坂  陽菜(17)
西田 正志(17) 幼馴染

■台本

陽菜(N)「いつからだろう。あいつを男として……異性として意識し始めたのは。いや、そんなことよりも問題なのは、あいつが鈍感ってところ。結構、アピールしてるつもりなんだけど……。おかげで、私の周りの友達に私があいつのことを好きだってバレてしまっている。ここまで来たらもう、自分から告白しようかとも考えたけど……。でも、もしかしたら、私の好意に気づいていて、わざと避けてるんだとしたら……。そう思うと、どうしても自分からはハッキリとは言えないのだった……」

陽菜と正志が並んで歩いている。

陽菜「ねえ、正志。私たちの関係って、なんなのかな?」

正志「ん? なんだ、朝から急に?」

陽菜「いいから答えてよ」

正志「幼馴染だろ」

陽菜「……それだけ?」

正志「それ以外に何があるんだ?」

陽菜「はあ……。そうだよね」

正志「なんだよ、何か悩みでもあるのか? 話くらい聞いてやるぞ。まあ、役に立てるかは保証できねーけど」

陽菜「あのね、幼馴染が結婚する確率って、1パーセントくらいなんだって」

正志「ふーん。思ったより低いんだな」

陽菜「そうなんだよね。私、てっきり90パーセントくらいかと思ってたんだよね」

正志「いやいや。さすがにそんなに高くねーだろ」「

陽菜「えー? だって、幼馴染だよ? 毎日、可愛い幼馴染が起こしにくるんだよ?フラグだよ? こんなの一コロじゃない?」

正志「そうかぁ? 中には二度寝を邪魔されて辛い思いしてる奴もいると思うぞ」

陽菜「……そ、そうなの?」

正志「まあ、おかげで遅刻しないで済むんだけどな」

陽菜「……」

正志「けど、それがどうしたんだ? ……あ、もしかして、友達に相談されたとかか? 幼馴染が好きなやつがいて、どうしたらいいかって」

陽菜「あー、まあ、そうだねー。その悩みを持ってるのは友達じゃないけど……」

正志「……?」

陽菜「ねえ、よく漫画とかドラマとかでさ、子供の頃、結婚の約束をするって話あるじゃない?」

正志「ああ、ベタベタなやつな」

陽菜「正志は、あれ、どう思う? やっぱり、子供の頃の約束だから無し、って感じ?」

正志「いや、小さい頃でも約束は約束だろ。守れるもんは守った方がいいじゃないか。まあ、お互いの今の気持ちもあると思うけど」

陽菜「……私たち、子供の頃、結婚とかの約束ってしてなかったっけ?」

正志「してないな」

陽菜「……即答ね。ちゃんと思い出してよ」

正志「そういうお前だって、そんな記憶あるのかよ?」

陽菜「……ない」

正志「だろ?」

陽菜「あーあ。このまま大学生になって、社会人になって、いつの間にか正志とも疎遠になって、忘れられちゃうのかな……」

正志「それはないな」

陽菜「え?」

正志「俺はずっと陽菜の傍にいるよ。違う大学に行っても、就職しても、な」

陽菜「……正志?」

正志「なんだよ、その顔。そういう約束だろ?」

陽菜「約束……?」

陽菜(N)「約束……約束……。えーっと、正志と最初に会ったのが、5歳の頃よね。私が引っ越してきて……」

回想。

正志と陽菜が5歳の頃。

正志「よ! これから、よろくしくな」

陽菜「……なに、あんた」

正志「西田正志だ! お前は?」

陽菜「教えない。あっち行って」

正志「そんなこと言うなって。お隣同士、仲良くしようぜ」

陽菜「嫌よ。隣だからって仲良くする法律はないわ」

正志「お前、難しい言葉、知ってんな」

陽菜「ふんっ!」

陽菜(N)「……この頃の私、随分と尖ってたわね。なんでだっけ?」

正志「よお、陽菜。遊びに行こうぜ」

陽菜「嫌よ。それより、なんで、私の名前、知ってるのよ!」

正志「おばさんから聞いた」

陽菜「……もう、お母さん、勝手なことして」

正志「いいじゃねーか。名前くらいさ」

陽菜「あのさ。この前言ったはずよ。仲良くしなきゃいけない法律はないって」

正志「けど、仲良くしちゃダメだって法律もないだろ?」

陽菜「え?」

正志「一応、いろんな人に聞いたから、確かなはず」

陽菜「……仕方ないわね。遊んであげてもいいわよ」

正志「よし、そうこなきゃな。じゃあ、近くに公園があるから、行こうぜ」

場面転換。

正志「さて、何して遊ぼうっか」

陽菜「かくれんぼ。で、あんたが鬼」

正志「……鬼は普通、じゃんけんだろ。まあ、いいけど」

陽菜「じゃあ。100数えてね」

正志「100か……。数えられるかな」

陽菜「10を10回数えればいいわ」

正志「そうなのか? わかった。じゃあ、それでいく。いーち、にーい」

陽菜「いきなり、数え始めるんじゃないわよ!」

陽菜が走っていく。

場面転換。

陽菜「……ここなら、絶対に見つからないわ。かくれんぼなら、あいつと遊ばなくていいし。そのうち諦めて帰るでしょ……」

場面転換。

カラスの鳴き声。

陽菜「……さすがにあいつも、見つからなくて帰ったかな。さ、私も帰ろうっと」

正志「やっと見つけた!」

陽菜「きゃっ! ……え? あんた、ずっと探してたの?」

正志「ん? だって、かくれんぼだろ? 見つけられないと終わらないから」

陽菜「でも、もう暗くなってるじゃない。……帰ろうって思わなかったの?」

正志「は? 友達、置いて帰れるかよ」

陽菜「友達?」

正志「ああ、友達」

陽菜「……う、うう。うえーん」

正志「へ? なんで泣くんだよ?」

場面転換。

陽菜「私ね。前にいたところだと、仲間外れにされてたの。……友達なんて、誰もいなかった」

正志「……」

陽菜「きっと、ここでも仲間外れにされるなら、最初から友達なんかいない方がいいって思ったの」

正志「そうだったんだ……」

陽菜「ねえ、私と正志は、もう友達?」

正志「ああ、友達だ」

陽菜「私のこと仲間外れにしない? 一人にしない?」

正志「もちろんだ! これからずーっと、ずーっと、友達だ! 絶対に陽菜を一人になんかにしない! ずっと一緒にいてやる」

陽菜「ありがとう、正志」

回想終わり。

陽菜(N)「あー、あの時からもう、正志に惚れてたのか……。って、あれ? 正志がずっと友達の立ち位置をキープしてたのって……」

正志「思い出したか? 約束?」

陽菜「私のせいじゃん!」

陽菜(N)「うう……。その約束は一旦、反故にしてほしい……」

終わり。

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