いきなりラストバトル10

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■概要
人数:4人
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、ファンタジー、コメディ

■キャスト
蓮(れん)
茉奈(まな)
烈兎(れっと)
焔虎(えんこ)

■台本

ゴーンゴーンゴーンと除夜の鐘の音。

蓮「……今年ももう終わりか。今年は色々あったなぁ」
茉奈「そうだねぇ」
蓮「やっぱり、年末の楽しみと言えば、年越しそばなんだよなぁ」
茉奈「蓮ちょん、おそば作りの才能あるよね。とっても美味しいよ」
蓮「……」
茉奈「……」
蓮「おい、茉奈」
茉奈「なに?」
蓮「なんで、いるんだ?」
茉奈「それって哲学的な感じで?」
蓮「いや、そこまで重い話じゃない」
茉奈「一緒に年を越そうって約束したから」
蓮「そんな約束をした覚えはない」
茉奈「したよ」
蓮「いつ?」
茉奈「前世で」
蓮「……どんな約束だよ?」
茉奈「来世の17歳になるときの年末は一緒に過ごそうって」
蓮「ピンポイント過ぎるだろ、その約束」
茉奈「とにかく、約束通り、一緒に過ごそ」
蓮「却下だ。そば食ったら帰れ」
茉奈「えー、夜遅くに、女の子を一人で外に出すの?」
蓮「……しゃーない。送っていってやるから」
茉奈「じゃあ、私の部屋で一緒に年越そうよ」
蓮「それじゃお前を帰す意味ね―じゃねーか」
烈兎「くっくっく。相変わらず、バカみたいなことで喧嘩しとるようやな」
蓮「お前は……誰だっけ?」
烈兎「烈兎やっ!」
蓮「あー、ごめんごめん。で、こんな年末に何の用だ?」
烈兎「決まっとるやろ。契約や!」
蓮「はあ……。年末年始くらいゆっくりしたらだろうだ? ほら、俺も疲れてるしさ」
烈兎「あかん!」
蓮「……」
烈兎「ノルマを達成しとらんねん!」
蓮「ノルマを達成しないとどうなるんだ?」
烈兎「年神のときに、めちゃくちゃ働かされるんや!」
蓮「めちゃくちゃ働けばいいじゃん」
烈兎「おまっ! 他人事だと思ってからに!」
蓮「まあ、他人事だからな」
烈兎「ふん。そう言ってられるのも今のうちや。契約したら、後悔させたるわ」
蓮「……お前さ。そんな台詞を聞いたら、余計、契約したくなくなると思うんだが」
烈兎「あ、しもうた! 今のは冗談や。契約したら素晴らしいんやで! だから契約してーな!」
蓮「するか! それに契約がどんなものかは知ってるからな」
烈兎「しゃーない。じゃあ、力づくでいかせてもらうで」
蓮「ふん。やれるもんならやってみろ。今まで強引にできなかったから、今、こうなってるんだろ?」
烈兎「甘いな。もう、前回のこと、忘れたんか?」
蓮「前回?」
烈兎「……まあ、めっちゃ前やから、忘れてもしゃーないか。あれや。夢の中の話のときや」
蓮「……ああ! 夢から覚めないって話か」
烈兎「せや! あれは、お前も焦ってたやろ?」
蓮「まーな。けど、今は茉奈がいるからな。寝たとしてもすぐに起こしてくれる」
烈兎「ふふ。ほんまにそうか?」
蓮「……どういうことだ?」
烈兎「さっきから静かだと思わんか? いつもは、キャッキャとうるさい女やのに」
蓮「なに!?」
茉奈「……」
蓮「茉奈! おい、どうした!?」
烈兎「ふっふっふ」

バチバチバチとスタンガンを鳴らす音。

蓮「……スタンガン? お前、なんでそんなものを?」
烈兎「……響子の目を盗んで奪ったんや」
蓮「もしかしてお前、それで調教されてたとか?」
烈兎「みなまで言うなや! ワイのトラウマをえぐるな!」
蓮「いや、お前が自分で話を振ったんだろ」
烈兎「うっさい! いくで!」
蓮「うわ、やめっ!」

バリというスタンガンの音と、蓮が倒れる音。

場面転換。

蓮「しまった! 夢の中か」
烈兎「ふっふっふ。その通りや。さあ、契約するかじっくり話そうやないかい」
蓮「くそ! 契約はしないぞ」
烈兎「ええんか? そんなこと言って」
蓮「……なんだよ?」
烈兎「このままだとのびるで? 年越しそば」
蓮「くそ! 卑怯だぞ!」
烈兎「さあさあ、どないすんねん! せっかくのそばやぞ。のびのびで食うんか?」
蓮「ちくしょう……。めちゃくちゃ楽しみにしてたのに……」
烈兎「さあ、さあ、さあ! どないやねん!」
蓮「……わ、わかった。契約……」
焔虎「いたいた! もう、烈兎くん! なにやってるのよ!」
烈兎「え? 焔虎? なんで、ここにおんねん?」
焔虎「何言ってるのよ! 新年になったのに、全然、交代に来ないんだもん!」
烈兎「交代? はっ!? しもうた!」
焔虎「今年は兎年! しっかり年神様の業務頑張ってね。あ、あと、ノルマ達成してないから、仕事めちゃくちゃ積まれてたよ」
烈兎「いややー!」
焔虎「はいはい。話はあとで聞くから」
烈兎「は、離せ―!」

烈兎が焔虎に連れて行かれる。

蓮「……」

場面転換。

蓮「はあ……結局、こうなるか」

蓮(N)「結局、なんだかんだ言って、そばはのびていた上に、茉奈をベッドに寝かせたから、俺は床で寝る羽目になり、風邪を引いた。はあ……年明けからついてない」

終わり。

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