【声劇台本】西田家の受難 睡眠不足?

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■シリーズシナリオ
<シュークリーム事件> <西田怪談> <留年未遂事件> 
<幼馴染の謎の行動> <アウトドアの恐怖> <ご馳走>
<クリスマスと不思議な旅> 〈初恋の約束〉 〈初夢とおみくじ〉

■概要
人数:5人以上
時間:10分

■ジャンル
ボイスドラマ、学園、コメディ

■キャスト
西田 正志(まさし)
西田 清(きよし)
西田 総士(そうし)
高坂  陽菜(ひな)

■台本

正志「よし! 俺はもう寝る!」

総士「珍しいね。兄貴が10時に寝るなんて」

正志「いや、明日はどうしても遅刻できないんだ。いつも遅刻ギリギリで日直とかやってなかったからさ。明日の日直を遅刻したら留年させるって、先生に脅されてるんだよ」

総士「ふーん」

清「陽菜ちゃんに、起こして貰いに来てもらえば?」

正志「いや、あいつ、いつも俺と一緒で時間ギリギリだし」

清「それは正兄ぃに合わせて……まあ、いいか」

正志「それにこんなこと頼むのは悪いしな」

清「はあ……。陽菜ちゃんは可哀そうだよね」

正志「なんでだよ?」

清「……もう寝るんでしょ? お休み」

正志「お、おう! お休み」

場面転換。

時計の針が動く、チッチッチという音。

正志「……眠れん。いつも寝るの2時くらいだからな。さすがに10時は無謀か? いや、ダメだ。多少強引でも寝ないと」

時計の針が動く、チッチッチという音。

正志「……あー、もう、うるせえ!」

正志が起き上がり、時計の電池を抜く。

正志「ふっふっふ。電池を抜けば動けまい! 俺の眠りを邪魔するからだ!」

場面転換。

正志「……くそ、眠れん」

起き上がる正志。

場面転換。

バンとドアが開き、正志が入ってくる。

総士「あれ? 兄貴、寝たんじゃねえの?」

正志「眠れん!」

総士「まあ、いつも2時くらいに寝てるからね。そりゃ無理でしょ」

正志「だが、どうしても寝ないとヤバい。なんかいい方法はないか?」

清「牛乳を温めて飲むといいらしいよ」

総士「はちみつを入れるのもいいって聞いたことあるよ」

正志「ああ……。なるほど」

正志が歩いて、冷蔵庫を開ける。

正志「……どっちもないぞ」

総士「買ってくれば?」

正志「えー、総士、買ってきてくれよ」

総士「嫌だよ。自分で行きなよ」

正志「ちっ! 兄思いじゃない奴め。いいよ、自分で行ってくればいいんだろ!」

バンとドアを開けて正志が出ていく。

場面転換。

バンとドアが開き、正志が入ってくる。

総士「お帰り」

正志「寒い! 死ぬかと思った! 逆に目が覚めたぞ!」

清「まあ、温かい牛乳を飲めば眠くなるよ」

正志「そうだな」

場面転換。

チンと電子レンジが鳴る。

正志「あちち! ずずー(牛乳を啜る)。お、美味い!」

清「どう? 眠れそう?」

正志「わからん。もう一回、トライしてみる」

場面転換。

時計の針が動く、チッチッチという音。

正志「あー、くそ!」

ガバッと起き上がる正志。

場面転換。

バンとドアが開き、正志が入ってくる。

総士「なに? やっぱり眠れなかったの?」

正志「全然だ。覚醒したって感じだな」

清「なら、少し体動かしたら? そしたら、疲れて眠れるんじゃない?」

正志「なるほどな。けど、運動っつてもなー」

総士「なら、一緒に外でバットの素振りしようぜ」

正志「素振りか……。まあ、いっか」

場面転換。

シュッ、シュッ、シュッと鋭いバットの素振り音。

総士「へー、兄貴やるじゃん」

正志「そうか?」

シュッと鋭いバットの素振り音。

総士「勿体ないよな。実は野球の才能あったんじゃね? 野球部に入れば?」

シュッと鋭いバットの素振り音。

正志「今から入っても、球拾いで終わりだろ」

総士「まあ、そうだろうね」

シュッと鋭いバットの素振り音。

正志「たまにお前とこうしてバット振るくらいでいいよ」

総士「そっか……」

シュッと鋭いバットの素振り音。

場面転換。

時計の針が動く、チッチッチという音。

正志「あー、くそ!」

ガバッと起き上がる正志。

場面転換。

バンとドアが開き、正志が入ってくる。

総士「まだ眠れねえの? もう、3時だよ」

正志「やべえ! マジやべえ! なんかいい方法ねえか?」

清「これだけは使いたくなかったけど……」

正志「なんだ? 方法があるのか?」

清「結構、危険だよ? 覚悟ある?」

正志「お、おう!」

清「総士……」

総士「了解!」

ガンという鈍い音。

正志「ぎゃーーー! 何しやがる!」

清「正兄ぃ。眠れないなら強引に意識を飛ばすしかない。つまり、気絶だよ」

正志「気絶……。確かにいい案だと思うが、バットで頭を殴るって、下手したら死ぬぞ!」

総士「大丈夫、大丈夫! 気絶するか、永眠するかの違いだろ? 大したことないじゃん」

正志「あるだろ! 止めろ! 清、止めてくれ!」

清「正兄ぃ、寝たいんだろ? 諦めなよ」

総士「じゃあね、バイバイ、兄貴!」

正志「ぎゃーーーー!」

場面転換。

ジリリリリという目覚まし時計が鳴る音。

正志「うおっ!」

ガバッと起き上がる正志。

場面転換。

正志と陽菜が並んで歩いている。

正志「という夢を見たんだよ」

陽菜「夢落ちっ!? 真剣に聞いて、損したよ!」

終わり。

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